2020年、暗号資産の代表格であるビットコインが2017年の最高値を更新し、年末には280万円まで上昇しました。
背景として、世界的な金融緩和や機関投資家の参入。米ペイパルが21年から加盟店での支払いを可能にするなど、価値機能に加え決済機能の期待が高まっていると言われています。このような状況から、暗号資産を初めて保有した人も多いと思います。
初めて暗号資産を取得した場合、翌年3月15日までに、所轄税務署に対して、「所得税の仮想通貨の評価方法届出書」の提出が必要になります。これは、「暗号資産の譲渡原価」(イメージ的に購入価格の様なものです)の評価に関わります。
今回は、暗号資産の課税される取引、所得区分と必要経費、損失が発生した場合について取り上げます。
課税される取引
個人としての主な取引は、「暗号資産を売却し利益が出た場合、商品を購入した場合、交換をした場合」があります。
●暗号資産を売却し利益が出た場合
暗号資産を売却(円に換金)した場合の所得金額は、その暗号資産の譲渡価額とその暗号資産の譲渡価額との差額になります。
(例)20万円で購入したビットコインを50万円で売却した場合
譲渡価額50万円 -譲渡原価20万円=差額30万円が課税対象
*譲渡価額を計算するにあたり、複数の暗号資産を継続的に売買する方は、年末時点で保有する暗号資産の評価額を、「総平均法」又 は「移動平均法」のいづれかの評価方法によって計算する必要があります。
*国内の暗号資産交換業者を通じた取引については、「年間取引報告書」が発行されますので、そちらで取引価額や売却価額を確認する事が出来ます。
●暗号資産で商品を購入した場合
支払った暗号資産は、譲渡したことになりますので、売却したときと同じ扱いになります。
●暗号資産を交換した場合
暗号資産Aを暗号資産Bと交換した場合、暗号資産Aで暗号資産Bを購入したことになりますので、「暗号資産で商品を購入した場合」と同じ扱いになります。
その他、暗号資産の分裂やマイニングにより取得した場合も課税対象となります。
課税区分と必要経費
暗号資産取引で得た利益は、通常「雑所得」として総合課税となります。株式や投資信託の売却益は税率20%(所得税15%、住民税5%)の申告分離課税ですが、暗号資産で得た利益は総合課税となり、最高税率55%(所得税最高45%、住民税10%)になる可能性があります。
また、暗号資産の売却による所得の計算には、必要経費として認められるものがあります。
(例)
・暗号資産の譲渡原価
・売却した際支払った手数料
その他、インターネットやスマートフォン等の回線利用料、パソコン購入費用などについても、暗号資産の売却のために必要な支出であると認められる部分の金額に限り、必要経費に算入する事ができます。
損失が発生した場合
雑所得の計算上、生じた損失について、給与所得など他の所得から差し引いたり、通算することは出来ません。
まとめ
このように、暗号資産の取引に関する課税方法は、一般の金融商品取引と比較すると不利な点が多いことがわかります。また、取引の内容や取引頻度によっては、取引時の単価や数量の把握及び記録が多くなります。一方で、ビットコインには発行枚数の限度があることから、デジタルゴールドとして今後の値上がりを期待するのもひとつの投資スタイルではないでしょうか。これらを踏まえ、自身の投資スタイルに合っているか十分に確認する必要があります。

