川上未映子の『ヘヴン』をこの前読んで思ったことがある。それは「正論は決して正しくない」ということだ。

正論自体はもちろん正しい。だって「正しい論理」なんだから。しかしそれを使う人自身が正しいとは限らない。

それを使用する人や状況によってはただのいやみになると思う。どんなに正しい理屈でも、発言者が自ら成していないと説得力のない宙ぶらりんの戯言になる。

また人への思いやり、相手側からみた理屈、客観性、タイミング、これらが欠如した正論というのは不愉快な強者の論理に成り下がってしまうだろう。

 

 世の中には正論をむやみやたらに振りかざす人がよくいる。実質それは正論なのだから反論というのはしにくいが、そこに人柄と状況が備わっていないと周りには釈然としないものが残るのではないか。

はっきりいって正論なのだから誰でもわかっていることのはずだ。「なんでそんなに当たり前のことを、あたかも自分しか考え付かないことかのように自信満々で発言するのだろう。」と思うことは多々ある。しかしそういった場合、往々にして彼は人の意見は聞かないのだ。

「せっかく正しいことを言ってるんだからみんな聞いてよ。そして納得してよ」とせまられてもなかなかそうはいかない。自分の意見だけは聞いてもらおうというのは都合がよすぎる。

だからそこに説得力や相手の納得を生むには、軽々しく安売りはせずに自分に合った発言を、その場に合わせてするべきだろう。もしくは連発してたまに当たる一撃に威力があればごまかせるかもしれないけど。

と、たまには読んで思ったことを思ったままに書いてみた。

2010年6月の読書メーター
読んだ本の数:28冊
読んだページ数:9278ページ

■ぼくのミステリな日常 (創元推理文庫)
☆7 連作短編のミステリとしてかなり完成度が高いと思った。しっかり考えられての構成と繋ぎ方はもちろん,各短編の謎もうまくできているものが多く,けっこう楽しめた。若干中だるみも感じたが最後まで読ませるものはあったのでよい。文学的な表現もがんばろうという気持ちも伝わってきたが,そこらへんはまだ惹かれるほどではなかった。しかしデビュー作でこのクオリティならすごい。
読了日:06月01日 著者:若竹 七海
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■大胯びらき (河出文庫)
☆6 うまく大人にはなりきれていないジャックを通してコクトーも考えながら描かれていたと思う。描写にもコクトーが感じられるし、こちらにもたまに話しかけてきたりしているので親近感を持ちながら読めた。やはり最終的には「死」が待っているということや運命観などが印象に残った。そして詩人なだけあって作品は詩的である。ただ「待つ」という行為などにもなんだか情緒を感じた。あとの戯曲にはコクトーの劇作家としての一面がみえた。
読了日:06月02日 著者:ジャン コクトー
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■少年になり、本を買うのだ 桜庭一樹読書日記 (創元ライブラリ) (創元ライブラリ L さ 1-1)
☆7 桜庭さん読んでるなー。うちの母親みたい(笑)こういう本漬けの生活には憧れる。編集さんたちとの会話からしても彼らの読書量がうかがえる。僕もこれからさらに読み続けてこういう会話を桜庭さんとしてみたい。読みたい本がたくさんあったけど処理しきれないのでちょっと自重しよう。
読了日:06月04日 著者:桜庭 一樹
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■猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫)
☆7 どんな美女よりもリリーは可愛い。そんなリリーは猫である。猫独特な雰囲気やしぐさがすごい色っぽくて可愛く描かれていた。そんなリリーの魅力に振り回される三人の男女が面白い。それはまさに隷属とよんでいい状態かもしれない。まあこんな猫になら振り回されたいかもしれない。
読了日:06月04日 著者:谷崎 潤一郎
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■黒い仏 (講談社文庫)
☆6 本末転倒なミステリだった。というか後半からはファンタジーかもしれない。そんな事件に対する探偵と助手のコンビも微妙にズレていてなかなかユーモアがあった。なんとなくもう一歩足りない感じはあったけど,やろうとしたことは面白かった。
読了日:06月05日 著者:殊能 将之
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■平面いぬ。 (集英社文庫)
☆5 これが噂の白乙一か。個人的には黒乙一のが独創的でいいと思う。もちろん全編面白く読んだけど物足りなさもあった。日常にはまり込んだ幻想が絶妙な雰囲気を作っていて,単純な話にはなっていなかった。展開はその分シンプル過ぎた気もする。
読了日:06月06日 著者:乙一
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■自家製 文章読本 (新潮文庫)
☆6 なるほどと納得すること多数だった。複雑なことだけどなかなか解りやすく書かれていたと思う。いろいろな名文を引っ張ってきての解説なので実感もとらえやすかった。文章上達には良文をひたすら読んで自分なりに糧にしていくしかないというのが結論かな。
読了日:06月06日 著者:井上 ひさし
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■虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
☆7 たしかに現代版罪と罰だと思う。自分の罪の責任をどこにおくのか。遺伝子や育成環境のせいにしてしまうより,自分の選択による結果と解釈するのかを悩む主人公はとにかく罰を求めていた。罰をまるで免罪符かのように罪人はみていたと思う。こんな未来になるかもしれないと思わせる近未来が舞台で,世界観が想像できる。思索的な会話やいろんな価値観に触れられるので考えながら読めた。作者にはまだ生きて欲しかった。
読了日:06月08日 著者:伊藤計劃
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■医学のたまご (ミステリーYA!)
☆7 白鳥・田口シリーズのような構成だったので面白かった。今回の医学の話は理論的なところが多くてあんまりわからなかった。しかし大人やメディアの裏側などに対する皮肉に学ぶところはあった。こういう大人のずるさを多くの子供に読んでほしいと思った。
読了日:06月08日 著者:海堂 尊
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■飛ぶ教室 (光文社古典新訳文庫)
☆5 子供も大人も楽しめる一冊だった。魅力的な子供たちや大人が出てくる。彼らを見ていると心が温かくなる。寄宿学校のクリスマスという雰囲気が物語にいいものをもたらしていたと思う。
読了日:06月10日 著者:ケストナー
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■悪魔の百唇譜 (角川文庫―金田一耕助ファイル)
☆4 最初から金田一がいるのにあまり存在感がなかった。むしろ刑事さんたちの方が頑張っていた。謎自体にはたいして魅力はなかったけど、「百唇譜」自体が持っている残虐さは良かった。
読了日:06月10日 著者:横溝 正史
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■闇の底 (講談社文庫)
☆7 小説とするにはとても重くて書ききるのが難しいテーマだった。いくら悪人だからといって、個人が勝手にそいつを裁いて殺してしまうのは正しいのか。なんであっても殺人というのは許されないことだが、遺族の側からした憎悪の気持もわかる。簡単にわかると言ってはいけないのかもしれないけど、この作品を読んでそういう気持ちが伝わってきた。ミステリとしてのひねりは弱かったがきれいな落としどこだとは思う。作者にはこういう人間社会の闇をこれからも書き続けてほしい。ただ連続で読むには辛い気がする。
読了日:06月11日 著者:薬丸 岳
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■サド侯爵夫人・わが友ヒットラー (新潮文庫)
☆6 戯曲としてどちらも素晴らしいし、詩的な表現などには三島らしさも感じられたので満足できた。どちらも歴史的な事件の裏側を描いていたので事件が立体的にみられるようだった。詩的な比喩を用いた会話で進む心理描写は読みごたえがあった。
読了日:06月13日 著者:三島 由紀夫
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/6450074

■三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人 (講談社ノベルス)
☆8 感動もののトリックだった(笑)。なぜ「(笑)」がついているのかは読めばわかると思う。この作品は騙すためにあるものだと書き始めから感じたが、こういう方法は予想していなかった。事件の密室に関する叙述トリックに関してなら実は途中で当てがついたけど、その後に明かされる怒涛のバカミス的トリックには度肝を抜かれた。読む人には最初から戦闘的精神で挑んでほしい。
読了日:06月13日 著者:倉阪 鬼一郎
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■Bランクの恋人 (光文社文庫)
☆7 読み終わってもあまり記憶に残らない。悪い意味ではなく、一つ一つの話がとても自然で読みやすいのだ。特になにが起こるというわけではないのに登場人物の造詣が素晴らしい。もうみんな魅力的すぎる。平さんの文章には読点の打ち方などに独特なリズムがあって、それも物語作りに貢献しているんだと思う。こんな恋がしたいというのはないのだけど、なんだか羨ましく思えた。しかも結構いいことを言ってるので深みもあったりする。
読了日:06月15日 著者:平 安寿子
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■裸者と裸者〈上〉孤児部隊の世界永久戦争 (角川文庫)
☆8 かなり面白かった!陰惨な戦争の話だけど主人公の三兄弟の周りには希望がある。ささやかでみえにくい光を頼りに力強く生きていくカイトたちの成長からは目が離せない。また彼らを助けてくれる大人たちがいなかったら,読むのが辛いほどの世界だっただろう。状況描写が多いので読みにくいが,その分リアリティと読み応えがあった。リアリティといったが,現実の世界にも似たような地帯があるということを忘れてはならないと思う。
読了日:06月17日 著者:打海 文三
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■文章読本さん江 (ちくま文庫)
☆7 文章読本。それは著者の技術の集大成のような一冊だと思っていたが,この本を読んで見事に覆された。とにかくユニークで手厳しい言い回しが面白いし,そこで紹介される文章読本のエピソードが笑える。権威に負けずにおこなう冷静な判断には脱帽する。そもそも文章読本の辿ってきた歴史にもおかしさがあった。いい文章,それは結局状況によって違うし,主観的なものなのかな。
読了日:06月18日 著者:斎藤 美奈子
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■裸者と裸者〈下〉邪悪な許しがたい異端の (角川文庫)
☆7 月田姉妹は考えてる。戦争の中でも自分たちの責任で。カイトは考えるというより流されていった感じだから,周りの人の影響をよく感じられた。しかし彼女たちは自分たちの力,罪悪はあるけど無垢な力で突き進むから爽快である。こんなに退廃的で辛い世界だからこその輝きだとは思うが,そんな環境では人間の芯の強さが如実に試されるのかもしれない。平和な世界に生まれて良かったが,そこでは気づけないものもあるかもしれないと思った。
読了日:06月19日 著者:打海 文三
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■追憶の雨の日々
☆7 突然飛び込んできた,触れたら消えてしまいそうな幸せがしみじみと伝わってきた。悲劇のような構成で,展開もありがちだけれども,浅倉さんの文章にやられた。会話文と地の文のバランスや,比喩の使い方が好みのものだった。最初から猶予された時間だったけど,何かできたかもしれないと思うとやり切れない。この思いは,雨のようには洗い流れず,雨のように忘れた頃に頬を濡らすだろう。
読了日:06月19日 著者:浅倉 卓弥
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■インシテミル (文春文庫)
☆9 『そして誰もいなくなった』大さじ1、『バトルロワイアル』小さじ1、『ライアーゲーム』少々を現代風に味付けすればこういう作品になりそう。ガジェットのひとつひとつがミステリを思わせていて、それのおかげでだいぶ本格風に仕上がっていた。伏線や解決は比較的簡単だったけど話に淫していたので最後までのめりこんで読めた。ミステリを知っている人とそうでない人の対比にもなっているのは興味深く、新感覚といってもいい気がした。実際ミステリの知識を持っている人はこれより少ないだろうし、そこの温度差というのはあってしかるべき、
読了日:06月20日 著者:米澤 穂信
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■本の周辺
☆6 戦後の出版社の歴史や本について書かれていた。正直知らないことだらけだったので参考になったと共に改めて無知を知った。装丁から検印までひとつひとつ検討していった結果が今の本(元は「物の本」と呼ばれていたらしい)だと分かり歴史を感じる。今から30年も前に書かれたこの本でもいろいろな問題点が言及されていて、たった十年後も予想できていない。今はまた出版は激動の時代だけど、乗り越えてもっと成長していくはずだと思う。
読了日:06月22日 著者:布川 角左衛門
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■存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)
☆6 恋愛小説家だと思って読み始めたら裏切られる。会話もほとんどない思考中心の哲学的な小説だった。政治的なことはあまり捉えられなかったけど、読んでいると考えさせるものだと思う。しかし読み終わった後に思い返すと不思議と恋愛小説だった気がしてくる。
読了日:06月23日 著者:ミラン・クンデラ
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■嘔吐
☆6 小説なんだけどサルトルの思想を理解するための哲学書のような一冊だった。まあ小説というのは著者が読者に何かを伝えるためのものでもある。はっきり言って面白くはなかった。だから高校の教科書で「実存主義」を復習してみた。そしたらなかなか興味深いものへと変わった。それがかなり後半になってからだったので、ちゃんと予習してからのぞめば良かったと思う。状況描写も美しいところがあるのがさりげなく良かった。
読了日:06月24日 著者:J‐P・サルトル
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■理由 (朝日文庫)
☆7 初だと思って読み始めたら実は二回目だった。序盤にそれに気づいたけど読み始めたら止まらない。宮部みゆきは巧いなと改めて思った。この題材と形式でここまで面白くできるのはなかなかないだろう。個人的に宮部みゆきの中では評価の低い作品だけど十分満足のいく一冊。
読了日:06月26日 著者:宮部 みゆき
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■永遠の0 (講談社文庫)
☆9 零戦を好きな人が多いことに納得した。第二次世界大戦時の日本は本当に救いようのない国だけど、その中で気高く必死に生きている人達もたくさんいて、誇れるところもあったんだと知れた。しかしそんな彼らを道具としか考えずに簡単に失わせた無能な指導者、いや戦争の愚かさを改めて思い知らされた。神風特攻隊で軽く扱われた一人一人にも簡単には語りつくせないかけがえのない人生があったはずだと思うといたたまれない。今まで僕にとっては歴史の一部にすぎなかったけど、忘れることのできない、忘れてはいけない現実として心に刻まれた。
読了日:06月27日 著者:百田 尚樹
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■サクリファイス (新潮文庫)
☆8 ロードレースというのを初めて詳しく知ったけど、なんて特殊なスポーツなんだろうと思う。臨場感あふれるレースシーンや戦術の深さ、駆け引きなどもうまく描ききっていて、とても魅力的なスポーツだと思わされた。「犠牲」になる精神というのがとてもクローズアップされるスポーツだったが、すべてのスポーツ、いや組織にも通じるところがあったと思う。どこにでも主力と控えというのは存在する。そして少なからず控えの「犠牲」の上に主力は立っている。主力を信じる控え、控えの「犠牲」を忘れずその責任を背負う主力、という関係を持つ集団
読了日:06月27日 著者:近藤 史恵
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■みずうみ―他四篇 (岩波文庫)
☆5 美しい情景描写から小説の雰囲気が出来上がっていた。これでもかというほど美しさを出そうとしていた気がする。長い時間がたった恋愛感情は美しいが儚くもある。そのもろさこそが芸術性を作り出していると思う。心理描写が少ないので、言動からの類推が必要であり文学性も感じる。
読了日:06月28日 著者:シュトルム
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■ららのいた夏 (集英社文庫)
☆7 これぞエンタメ。楽しませるためだけに作られた物語として一流だと思う。ストレートな恋愛と王道のスポーツ青春を描いていて、たまに読むと心の充電になるような作品だった。ららと一緒に走りたくなるし、もっとららの走っている姿を見たい。
読了日:06月29日 著者:川上 健一
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▼読書メーター
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2010年5月の読書メーター
読んだ本の数:35冊
読んだページ数:11120ページ

■魔界転生〈上〉 (角川文庫)
☆7 面白い!意外と展開をつかむまでは時間がかかったけど,流れに乗ってしまえば一気にはまる。多くの剣豪がでてきて豪華な顔ぶれだし,めちゃくちゃでエログロな設定も馴染んでしまえばいい仕掛けのようだ。とにかく上巻は前哨戦なので,下巻に期待!
読了日:05月01日 著者:山田 風太郎
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■魔界転生(下) 山田風太郎忍法帖(7) (講談社文庫)
☆7 最後までハラハラさせられた。それにしても十兵衛が強すぎだし,格好良くてびっくりした。もはや魔界転生のことなんてどうでもよく,生死を賭けた対決とその結果に釘付けになった。女たちの艶めかしい姿や無惨な犠牲者たちの描写も,エンタメとしていいバランスで真に迫っていた。柳生十人衆や根来組の頑張りにも楽しませてもらった。
読了日:05月01日 著者:山田 風太郎
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■キノの旅〈13〉the Beautiful World (電撃文庫)
☆8 久々に読んだけど,やっぱり「キノの旅」は面白い。各短編のキレ味はいいし,皮肉や風刺も程よくきいていていろいろと楽しめる。このいろんな国のアイデアは,星新一のSFにもひけをとらないかもしれない。ライトノベルだけど,何回読んでも楽しめるものだと思う。
読了日:05月01日 著者:時雨沢 恵一
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■<新装版>とらんぷ譚2 悪夢の骨牌 (講談社文庫)
☆7 幻想的な仕組みの物語だけど、描写や設定は写実的で読みごたえがあった。この現実と虚構がまじりあうような各話のつながりや、時間がまぜこぜになっていく世界に巻き込まれるようだった。
読了日:05月01日 著者:中井 英夫
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■クリスマス・テロル invisible×inventor (講談社ノベルス)
☆6 笑える。けどちょっと悲しくもなる。実際いろいろ不憫なところはあると思う。まあそんなのはどこにでも転がってはいるけど、それをこんな形で放出するという試みは面白いと思う。ミステリ的なところは正直よくできてない。それも作者は気にしない、というかそこに重点は置かずに書きたいものを書いているのがわかってよかった。作者の今後が気になる。
読了日:05月05日 著者:佐藤 友哉
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■剣客商売 (新潮文庫―剣客商売)
☆7 最近時代小説を読むようになったけど、面白いということがわかった。ただ斬り合いをするだけでなく、日本の素晴らしい情緒的なところを細やかに描いていると思う。この『剣客商売』にも期待どおりに魅力的な人々と日本があった。それにしても、年をくえばくうほどに強さを増す「武道」というのはいいもんですね。
読了日:05月06日 著者:池波 正太郎
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■恐るべき子供たち (岩波文庫)
☆7 さすが詩人コクトーの小説なだけあって、詩的で端正な文章たちだった。また豊富な語彙と自由な想像力からくる比喩が面白くて読みがいがあった。フランス心理小説ではもちろんあったし、設定や展開もよくあるものなのに、コクトーが書いたものという、らしさというのが感じられた。「死」を常に意識して、むしろそれとともに生きているということを思わせる。死ぬために存在したミカエルが強く印象に残った。コクトーの作品には彼の魂が宿っているかのような、力強さと伝道力があると思う。
読了日:05月07日 著者:コクトー
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■1Q84 BOOK 3
☆7 面白かったとは思うけど、これならbook2まででも正直十分だったと思う。「空気さなぎ」などの比喩に説明が多すぎていた。村上春樹の比喩はわからないからこそ(おそらく作者もわかっていない?)いろんな解釈がついて面白い気がする。ある意味でナンセンスな文章を読者が意味を見出していくところに魅力があると思う。もちろん文章は相変わらず読みやすいし、月の表現の美しさは特に気に入った。あと章による時制のズレの見せ方に違和感がなかったのはさすがだと思う。結局鉄砲は発射されなかったけど、物語は終わった。
読了日:05月08日 著者:村上春樹
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■チボー家の人々〈第1〉 (1954年)
☆7 チボー家のアントワーヌとジャックの兄弟を中心に、家庭問題や愛情問題がみられていく物語で、心理描写や心情が変化する過程の描き方が秀逸だった。熱いけれど醒めてしまう気持ちや、何もなかったところから出てくる気持ちなどが、巧みに表現されていた。なかなか長いけれど気長に読んでいきたい。
読了日:05月11日 著者:ロジェ・マルタン・デュ・ガール
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■チボー家の人々〈第2〉 (1954年)
☆7 ジャックとアントワーヌが動くし、波乱も起きるから楽しめた。ジャックのギラギラしてるとことか好きだし価値観がたまにすごい解ることがあるから、心理を追っているのが面白い。「おれの愛しているのは人生なんだ」 アントワーヌが自分のためと他者のためとの間で揺れ悩むのもよく伝わってきた。
読了日:05月13日 著者:ロジェ・マルタン・デュ・ガール
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■新装版 日本語の作文技術
☆8 とても役に立つ本だった。本文中にもあったけど、義務教育中に教えることの重点が、間違っていると思う。今更ながら僕自身、本作のおかげで気づけたことや学んだことは多い。それも、かなり基礎的で重要なものばかりだった。理系出身の著者らしく、論理的に説明していたので理解しやすかった。特に、修飾語の正しい語順や点の打ち方などが役に立ってくれそう。この文章が良文かどうかも正直心配だ。あと何回かは読み返したい。
読了日:05月13日 著者:本多 勝一
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■横道世之介
☆8 なんだか面白かった。どこにでもいそうでいない世之介の不思議な魅力もよかったし、祥子の丁寧な言葉づかいと天然な行動が妙に笑えた。他の登場人物も順番に出てくるのでわかりやすい。そして幕間に各登場人物の将来を描いてみせたりした構造もしっくりきた。世之介は何を得て、何を失っていったのかはうまくあらわせないと思う。
読了日:05月14日 著者:吉田 修一
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■神様のカルテ
☆6 主人公が夏目漱石通で、口調が古めかしいので会話が面白かった。その奥さんもひょうひょうとしていてとても好人物だった。医療の問題を通じていろいろな悩みに触れていた。特に延命のくだりが印象に残った。伝えたいことはほとんど表面に出ていて、深みはないかもしれないけど、それがわかりやすさを生んでいて、こういうのもありだと思う。
読了日:05月14日 著者:夏川 草介
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■yom yom (ヨムヨム) 2010年 05月号 [雑誌]
☆8 酒井順子のエッセイが面白かった。それぞれの小説やエッセイなどが質が高くてじっくりと「読む読む」できる。これから買っていこうかな。
読了日:05月17日 著者:
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■チボー家の人々〈第3〉 (1954年)
☆6 兄弟は父の死などの環境の変化により成長していく。そして二人が成熟し始めて物語には、政治食や宗教色が強く表れ始めた。第一次世界大戦が舞台になり始めて、これから人々がどう巻き込まれていくのか気になる。
読了日:05月18日 著者:ロジェ・マルタン・デュ・ガール
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■チボー家の人々〈第4〉 (1954年)
☆7 戦争の足音がどんどんと近付いてくるのがわかる。ジャックは暴力でもって暴力を制することを嫌悪して、戦争にひたすら反対する。そのことについての論争が興味深かった。また、ついにジェンニーと結ばれて、一気に愛情を深めていくのがよかった。ここまで至る経緯にはムズムズさせられたが、いい心理描写だった。アントワーヌは自分が父に似てくるのを感じて怪訝に思う。またアンヌへの愛情が本当なのかと悩む。そんな人々の思惑を超えてついに戦争がはじまり、兄弟も戦禍に巻き込まれていく。次がついに最終巻。
読了日:05月20日 著者:ロジェ・マルタン・デュ・ガール
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■チボー家の人々〈第5巻〉 (1954年)
☆7 やっと全巻読み終えた。この作品は事件をほとんど描いていない。その事件の前後の人々の心理をひたすら描いていた。だから唐突で分かりづらい展開だけど深く読める。ジャックは自分の生き方を貫くが果たせずに死んでいき,アントワーヌは死と隣り合わせの状態で,今までの人生や生存理由を思索して,諦めのような気持ちで死んでいく。それらは悲劇だが,次世代への希望はみえていた。信仰や戦争・恋愛・家族・成長などを丹念に描いた総合小説だった。
読了日:05月22日 著者:ロジェ・マルタン・デュ・ガール
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■キノの旅〈12〉the Beautiful World (電撃文庫)
☆8 やっぱり安心して読める出来。不思議な設定の国からこの現実への皮肉がズバッと決まっている。わかりやすいものやちょっとひねくれていて考えられるものがあり,よく楽しめた。
読了日:05月22日 著者:時雨沢 恵一
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■光媒の花
☆6 一応少しずつ繋がっている連作短編だったけど,そこに工夫はなくむしろ文学的な面で頑張っていた作品だったと思う。少しずつだがしっかり希望があるので,落ち込みきらずに良いとわかった。『光媒』というタイトルはなかなかいい。
読了日:05月22日 著者:道尾 秀介
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■新参者
☆7 加賀恭一郎版<日常の謎>という感じだった。だからこそ人情味あふれる加賀らしい解決が際だったと思う。どの話もいい話で良かった。たった一つの殺人事件かもしれないけれど,そこには多くの人々が関わっていて,それらもおろそかにしない加賀みたいな刑事なら安心して事件を任せられる。嘘というのはよくもわるくも厄介なものですね。それにしてもこれが「このミス一位」なのか…
読了日:05月22日 著者:東野 圭吾
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■マドンナ・ヴェルデ
☆7 『ジーン・ワルツ』をほとんど忘れてしまっていた。海堂作品はリンクが多いから大変。面白いのもあるけど,問題提起が中心だったかも。理恵は好きにはなれないけど代理出産に関しては正論だとは思ったし,このままでは他人事として処理されてしまうと思う。それでも正論を振りかざすだけでは通じない。他と比べると,医療問題は難しいのではなくおかしな捻れがあるだけだと思う。
読了日:05月22日 著者:海堂 尊
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/6185297

■プリンセス・トヨトミ
☆5 登場人物が特徴的だけどあまり浮かんでこない。設定も面白いとこをついているんだけどそれが物語にうまく入ってないと思った。後半になって面白くなってきた。いけすかない国かと思ったら,まるで一つの家族かのように人情味あふれる温かい国だった。終章の絡みなんかはけっこう好き。
読了日:05月23日 著者:万城目 学
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■ヘヴン
☆8 よくありそうな話だけど読み込ませる力があった。はっきり言って百瀬の論理は正論だと思う。しかしそこには純粋な理屈しかなくて,感情や思いやりが欠如している。また,自分もその世界の一員で責任があるということに気づいていない。正論というのは強者の論理になってしまうのかもしれない。弱さを貫く強さ,それにはあまり賛成はできないが,それが必要なのもわかるし,その強さは本物だと思う。主人公は最後の選択により今までと違う世界の側面もはっきりと見えてくると思う。ああ!考えるだけだと難しい。
読了日:05月23日 著者:川上 未映子
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■黄金仮面 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
☆4 さすがにこういう通俗小説的展開にはそろそろ飽きてきた。もっと幻想的な方の乱歩を読みたい。後半からは面白くなってきたけど、真新しさはないかな。
読了日:05月23日 著者:江戸川 乱歩
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■禅銃(ゼンガン) (ハヤカワ文庫 SF (579))
☆5 まあいろいろな意味でスケールの大きな作品だった。この世界観とかすごい好みだし、主要武器の役割とかもよかったけど、展開と戦闘部分がどうもごちゃごちゃしていて読みづらかった。面白いんだけどはじめてのSFがこれじゃなくてよかった。
読了日:05月24日 著者:バリントン・J・ベイリー
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■縞模様のパジャマの少年
☆9 この結末には鳥肌が立った。最初から意味ありげな表現に引き込まれて、だんだん状況がわかってくる頃には完全にはまりこんでいた。ブルーノの少年らしい無知にはイライラさせられたりしたけど、知ることのできないことも可哀そうだと思った。ユダヤとナチスの問題が二人の少年を避けようもない悲劇へと追い込むのが分かり、胸が痛くなっていった。あとがきにもあるように、ユダヤ人の問題だけでなく世界中でこういう問題が大なり小なりあると思う。せめて心だけでもフェンスを越えることができたらいいと思う。
読了日:05月24日 著者:ジョン ボイン
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■闇からの声 (ハヤカワ・ミステリ 243)
☆6 犯人がわかっていて、その犯人を巧みに追い詰めていくのがなかなか緊迫感があってよかった。過去の事件を掘り返すものなので最初はわかりづらかったけど、読み終わってみるといい展開だった。特に導入部の闇からの不気味な声と、最後にわかる`ある意味`黒幕の正体がよかった。
読了日:05月25日 著者:イーデン・フィルポッツ
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■がんばれクラシック (朝日文庫)
☆4 いまひとつのエッセイだった。クラシックには興味があるけどこれを読んでもあまり引き込まれなかった。後ろに収録してあった短編が地味に面白かった。
読了日:05月25日 著者:砂川 しげひさ
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■曲った蝶番 (創元推理文庫 118)
☆8 カーの中でもけっこう好き。比較的あっさりしていて、展開や事件も整然としていて読みやすい。災害時による身分の入れ替わりという魅力的な導入部から、自殺とも他殺ともとれる死が起きるという展開に、悪魔崇拝や自動人形などのオカルティズムの要素も加わっていくのはカーらしい。犯人の意外さもあったが、犯人周辺の人の心理の解説がよかった。この犯人が隠れた死角はなかなか盲点になりやすい。
読了日:05月27日 著者:ディクスン・カー
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■象牙色の嘲笑 (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-3)
☆5 初のロス・マクだった。ハードボイルドは本格より複雑でいろんな人の思惑が絡んでくると思う。だからこそそれを突き詰める探偵の役割がかなり大きい。探偵リュウ・アーチャーはそこまで活動的ではないけど、探究力はすごい。彼に狙われたら逃れられなさそう。
読了日:05月27日 著者:ロス・マクドナルド
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■この人を見よ (岩波文庫)
☆6 解るところと全然解らないところがあった。最初の方のニーチェのテンションが面白かった。でも述べたいことは述べてるし(何を言いたいのか解らないところもあったが)最後の方にはヒートアップしていた気がする。あと、まるで善人が人類の足を引っ張っているかのように思わせてくる。しかもたぶんおお方正しい。善人というか、正義を振りかざす理想家?とにかくニーチェはすごいと思いました。
読了日:05月29日 著者:ニーチェ
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■73光年の妖怪 (1963年) (創元推理文庫)
☆6 地球に迷い込んだ宇宙人が出てくるんだけど、たしかに妖怪のようだった。人や動物の体を乗っ取るという厄介な能力を持っていて、それに天才物理学者が挑むという面白い展開だった。こっち系のSFもなかなか面白い。
読了日:05月29日 著者:フレドリック・ブラウン
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■もっと、わたしを (幻冬舎文庫)
☆7 連作短編小説で各話に繋がりがあったけど、これくらいの関連具合がちょうどいい。前話にチョコっと出てきた人物が次話の中心だったり、忘れた頃に前に出てきた人物の影や舞台がなにげに出てくるといった感じ。なかなか伝えにくい面白さだった。主人公の頭の中のひとりごとがつづられていて心理小説といってもいいくらいと思ったけど、その内容がのんびりしていたりブレたりするのが笑えたりした。全体的に差し迫った感じがなくてゆるりと楽しめた。
読了日:05月29日 著者:平 安寿子
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■新装版 とらんぷ譚3 人外境通信 (講談社文庫)
☆6 今までに比べるとこんがらがった印象は少なかった。その分ひとつひとつの話が人外である印象を持った。薔薇の名前をもった話の得体のしれないまがまがしさを感じた。
読了日:05月31日 著者:中井 英夫
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■頼子のために (講談社文庫)
☆8 池澤さんのいうとおり新本格風のハードボイルドだった。どんどん進んでいく捜査には飽きが来なかったし、なにより最後の怒涛の展開には驚かされた。様々な愛が氾濫していてそれを一つ一つほどいていくことで明らかになる人間模様の深さが印象深い。それぞれの愛にはもちろん悪いところはないんだが、その愛によって狂うものもありえると思った。
読了日:05月31日 著者:法月 綸太郎
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