2010年8月の読書メーター
読んだ本の数:27冊
読んだページ数:9139ページ

■雨鱒の川 (集英社文庫)
☆6 絵を描くしか取り柄のない少年と耳の聞こえない少女の初恋物語。少し特殊な二人で友情のような恋を和やかに育んでいくのが良かった。何もする意志のない主人公にはイライラしてしまって、むしろライバルの英蔵の方が好きだった。最後のシーンの英蔵には感動した。全体的には綺麗な自然と方言の組み合わせがいい読み心地を生んでいた。
読了日:08月01日 著者:川上 健一
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■文学界 2010年 06月号 [雑誌]
☆7 二つの芥川賞候補のために読んだ。穂田川洋山の『自由高さH』は特になにが面白いというわけでもないのに、巧みな文章で読ませるものがあった。ネザマフィの『拍動』がなかなか面白かった。外国人と日本人との文化の違いを改めて感じ、言葉が通じるかどうかはやっぱり大切なことだと思った。そして日本人が思っている以上に日本人のことは理解されていない。違う観点から描かれた日本人を知ることもできる良質な小説だった。あと川上さんの『ヘヴン』についての分析は興味深く読めた。また『ヘヴン』を読みたくなる。
読了日:08月02日 著者:
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■光と影 (文春文庫)
☆7 病院でのできごと中心の短編が4つあった。予想以上に全部面白かった。病人になってしまった人の繊細で不安定な気持ちをよくあらわしていて入り込めた。表題作で直木賞受賞作の『光と影』は些細なきっかけによる分岐点がどんな結果を生み出すのかを残酷に描いている。何がどこにつながっているかは本当にわからない。
読了日:08月03日 著者:渡辺 淳一
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■レベッカ〈上〉 (新潮文庫)
☆6 最初は語り手である「わたし」の言動にイライラさせられたけど、身分を超える恋愛というのにはいろいろと問題があるということにも気づいた。「わたし」の心理描写が等身大でわかりやすく描かれていると思う。だからこそ前妻である「レベッカ」の影の怖さが伝わってくる。もう死んでしまっているのにこの存在感を醸し出す彼女が気になる。これからどう展開されていくのか楽しみだ。
読了日:08月04日 著者:ダフネ・デュ・モーリア
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■日本の優秀企業研究―企業経営の原点 6つの条件 (日経ビジネス人文庫)
☆6 具体例が盛り込んであるのでとても解りやすくなっていた。まだまだ日本には優秀企業が少ないと感じたが、経営者がしっかりと見つめなおせばより良くなっていくと思う。
読了日:08月04日 著者:新原 浩朗
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■レベッカ〈下〉 (新潮文庫)
☆6 やっぱり勝者はレベッカだった。「わたし」やマキシムだけでなくみんなレベッカの思い通りになっていたと思う。後半怒涛の展開で一気に終わるが、その引き締まった緊張感が素晴らしい。レベッカが死者だからこそ、読んでる側の気持ちを上手く撫でてくる。これで第一章に戻るのが正しい読み方なんだろう。
読了日:08月05日 著者:ダフネ・デュ・モーリア
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■新装版 とらんぷ譚4 真珠母の匣 (講談社文庫)
☆7 とらんぷ譚が一応終わった。今作も、幻想的だと思ったら現実的になったりと、独特の世界を作っていた。主要人物三人が還暦くらいの女性なのに、鮮やかで煌びやかな描写がなんだか見えてきて、美しい恋物語となっていた。とらんぷ譚の後に載っていた2編も妖しく流麗でいい読み心地を与えてくれる。
読了日:08月07日 著者:中井 英夫
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■遠まわりする雛 (角川文庫)
☆7 補完のための短編集だった。なんだかんだいいながらも千反田に合わせて変わっていく奉太郎の心情が面白い。今作のミステリはおまけみたいなものだったけど、相変わらずの遊び心もあって楽しめた。でも『正体見たり』のブラックなとこには沈鬱させられた。千反田の言い方がちょっちキツい。あと里志の行動にはちょっと納得出来なかったかなー。どちらかというと奉太郎たちの今後が私気になります。次作の文庫化はもう待てない…
読了日:08月09日 著者:米澤 穂信
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■蝦蟇倉市事件2 (ミステリ・フロンティア)
☆7 面白かった。ただ1の方を読んでないからかもしれないけど蝦蟇倉市である必要は感じなかった。でもオチや犯人には共通点があったかな。米澤さんのは『さよなら妖精』の後日談ということもありとても楽しめた。あと北山猛邦さんの作品も好き。あのミッシングリンクの繋ぎ方がいい。
読了日:08月09日 著者:秋月 涼介,北山 猛邦,米澤 穂信,村崎 友,越谷 オサム,桜坂 洋
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■感染広告
☆4 ホラーなのかと思ったけど、広告にまつわる仕事のことがよく分かるストーリー性のある一冊だった。面白くないわけではないけど、意外性やドンデン返しとかはなかったので引き込まれなかった。全体的に薄い印象を持った。
読了日:08月09日 著者:三浦 明博
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■黄蝶舞う
☆6 浅倉さんの儚い雰囲気はとても好きだし、源家の悲劇にはよくマッチしていると思うんだけど、いかんせん歴史を短編形式で描くのは難しかったと思う。なかなか世界に入りにくかった。作中の人の執念が生み出す幻想世界は哀しくも美しいもので目を見張るものがあった。歴史小説のいいとこは見れたと思うのでまた期待したい。
読了日:08月10日 著者:浅倉 卓弥
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■星降り山荘の殺人 (講談社文庫)
☆8 本格ミステリはやっぱりいいね。このトリックはけっこう見事なバランス感覚だと思う。こういうのはギリギリ綱渡るくらいじゃないとカタルシスは生まれないだろう。この犯人設定は一回挑戦したいやつだろうな。本格の縛りと常識に慣れた人こそ騙されるかもしれない。挿入図やシンプルな事件や緻密なロジックがより古典的ミステリの香りを漂わせていたのである意味熱中して読めたのもきいてたかも。物語と動機も本格の邪魔をしない程度で悪くない。文学性より本格を第一にするミステリを読むのはなんか落ち着く。
読了日:08月11日 著者:倉知 淳
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■カッコウの卵は誰のもの
☆6 最近の東野さんのはやりは「近代科学への警鐘」かな?タイトルから解る以上の驚きはないけど、一気に読ませるものはあった。でもこの仕掛けはもっと膨らますことができる気がするからもったいない。才能のあるなしでたいていの結果は決まってしまう。それの好き嫌いは関係ない。好きと得意のどっちをとるかは難しいと思う。スポーツだけでなく仕事でもそれは言える。自分の才能が分かってしまう世の中は便利で効率がいいけど…どうなんだろう。
読了日:08月11日 著者:東野 圭吾
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■少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)
☆7 今作は、人間の愚かで醜いところだけではなく、綱渡りのように不安定だけどしっかり繋がっている少女同士の友情が描かれていたので爽やかな読み心地もあった。でももちろん、自己中な人の不愉快さや無責任なおもいこみの非情さもあらわれていた。殻に閉じこもっている人ほど正しさを勘違いしている気がする。展開は、蓋然性を見事に無視した偶然の連発だけど、フィクションならではということでまあよしとしよう。非日常を体験してみたいという意味では「死」を観たいっていうのも分かる。作為的なものでは意味ないけど。
読了日:08月12日 著者:湊 かなえ
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■枕草子REMIX
☆7 清少納言さん好きだ。ぜひ友達になりたかった。酒井順子さんが『枕草子』をおもしろおかしくプレゼンしている。随筆だとは分かっていたけど、こんなに楽しい内容で、今でも通じるものだとは思わなかった。さすがに原文で読む気にはまだならないけど、酒井さんの訳ならば読んでみたい。「調子に乗ったブスは嫌い」と言い切る清さんにはスッキリする。それもむやみやたらに言うのではなく、キッチリと一本筋が通っているし、自分のことは棚に上げずに自分もよく見つめられている理性的な彼女――作者の言う「自覚の人」――は傑物だと思う。
読了日:08月12日 著者:酒井 順子
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■輝ける闇 (新潮文庫)
☆7 そうか、これは本当にあった歴史なんだったな…。ヴェトナム戦争の酸鼻さがすごい。解説にもあったように、この作品は作者が題材に書かされたものだ。読者のことなんて考えずにひたすら命を注いだかのようだ。現状や背景の説明はあまりないが、生々しい触感や質感、脳髄に響いてくる音が皮膚をくすぐってくる。実際に戦場にいた作者だからこそ表せる読み応えだと思う。近代戦争の中ではこのヴェトナム戦争が一番凄絶を極めるかもしれない。ゲリラによる白兵戦、生気溢れる森での戦い、これは人心に応える。
読了日:08月13日 著者:開高 健
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■yom yom (ヨムヨム) 2010年 07月号 [雑誌]
☆7 とにかくエッセイも短編小説もクオリティが高いし、連載ものも読み切りとして楽しめる短編だから、かなりお得感のある雑誌。こういう文芸雑誌なら文学に慣れ親しんだ人じゃなくても楽しめると思う。新井素子、奥田英朗、阿川佐和子あたりが特に良かったなあ。次号も石田衣良や金原ひとみがいるので楽しみだ。
読了日:08月13日 著者:
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■世界の中心で愛を叫んだけもの (ハヤカワ文庫 SF エ 4-1)
☆6 奥深さのあるSF短編集だった。でも一度読んだだけではなかなか理解しづらいものもあり、予想外に難しい読書だった。説明不足で不親切な文章、まさにSFの悪いところが出ているきらいはあるが、もちろん物語として楽しめる要素も十分にある。『星ぼしへの脱出』や『聞いていますか?』なんかはシンプルに面白い。表題作は何度か読まないとわからないけど、やっぱり名作だと思う。
読了日:08月14日 著者:ハーラン・エリスン
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■人狼城の恐怖〈第1部〉ドイツ編 (講談社文庫)
☆7 「世界最長の本格推理小説」をついに読み始めた。長いねー。でもさすが二階堂さん、物語として面白いから読みやすい。とりあえず謎を提出してきた第一部だけど、もう最後にはなにがなんだかわからない。登場人物はドンドン死んでいくし、奇っ怪な事態も次々と起こる。「こんなの本当に解明できるのか?」と思ってしまうほどの連続殺人事件。まあそれだけ不可思議な分、解決は楽しみだ。
読了日:08月15日 著者:二階堂 黎人
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■人狼城の恐怖〈第2部〉フランス編 (講談社文庫)
☆7 フランス側もものすごい惨劇になっている。城の中の展開としてはドイツ側と似通っていたのでスラスラ読めた。でもこちらは「人狼」のせいでかなり混迷を極めたと思う。ドイツよりも大分オカルティックな雰囲気となっていた。ここからどう解決に向かうんだろう。このオカルトは拡散して充実していくのか、一気に収斂してリアルに落とされるのか、とにかく蘭子の活躍に期待。
読了日:08月17日 著者:二階堂 黎人
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■人狼城の恐怖〈第3部〉探偵編 (講談社文庫)
☆8 ついに蘭子と黎人が舞台に上がった。あらためてこの事件の全貌をみても、前代未聞で不可思議なことが起こっていることが分かる。三部ではまだまだ試行錯誤の段階で、少しずつ仮説を立てて謎の輪郭を捉え始めたくらいなので、蘭子はいつもの高飛車モードで思わせぶりな態度をとっている。この状態の蘭子は苦手だけど、解決時に、戦いの女神かのような支配力を持って犯人の前に君臨する蘭子は大好きだから四部に期待。でもやっぱり黎人が好きだから引き続き頑張ってほしい。
読了日:08月19日 著者:二階堂 黎人
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■人狼城の恐怖〈第4部〉完結編 (講談社文庫)
☆9 蘭子の推理によって、可能の地平に事件が一気に落ちてきた。いつのまにかすべての密室を解いていたのにはびっくりした。しかも本格としてちゃんとフェアに伏線があるのは流石の一言。そして『人狼城』ならではのメイントリックはまさに驚天動地の逸品。なんとなく頭にもやもや浮かんでいたので、蘭子が真相を語ったときには霧が晴れた思いだった。こんなことを思いつく著者には脱帽した。さらに犯人の秘密や動機にも衝撃を受けた。最後は蘭子シリーズらしいアクション満載の展開が繰り広げられる。気づけば不可思議などなくなっていたが、最
読了日:08月20日 著者:二階堂 黎人
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■フリークス (光文社文庫)
☆6 期待した感じの面白さで安心した。いい意味で予想の範疇だったから楽しみやすかった。サイコミステリの雰囲気が出ている上によくまとまった短編集だった。『シンデレラの罠』はそんな好きじゃなかったけど、それをモチーフにしたらしい『四0九号室の患者』は楽しめた。
読了日:08月22日 著者:綾辻 行人
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■CREA (クレア) 2010年 09月号 [雑誌]
☆8 女性誌だったけどつい買っちゃった。だって東野圭吾、伊坂幸太郎、森見登美彦の名前があるんだもん。中づり広告で気になってて生協に行ったら女性誌だから瞬間戸惑ったけど読みやすそうだから購入。読んでみたらとても面白くて大満足。読みたい本も増えたし、なにより道尾・米澤・辻村の居酒屋座談会が興味深いものだった。若手の有望株中心の特集だったので馴染みもあってよかった。今まで読んだ読書特集雑誌の中でもかなり楽しめた方だかな。
読了日:08月23日 著者:
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■活字倶楽部 2010年 09月号 [雑誌]
☆6 やっぱり本を中心とした雑誌は面白いなー。活字倶楽部は初めて読んだけど結構特殊な雑誌だったと思う。でも読者の本への愛がよく伝わってきて仲間を見た気分になる。そういえば小説だってこんな楽しみ方もできるんだ、と改めて気づいた。腐女子のパワーに圧倒されながらも、羨ましいとも思ったりして。
読了日:08月26日 著者:
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■アリスへの決別 (ハヤカワ文庫JA)
☆8 山本さんらしさの出ている短編集だった。風刺的SFもサイコホラーも正統派SFもそれぞれ面白かった。時事ネタを活かす感じは好きだし、読んでるときはその未来にも信憑性は感じた。山本さんっていいストーリーテラーだな。「バチャキ」のとことかけっこう極端だけど読んでほしい。表紙的には奨めにくいけどね。
読了日:08月27日 著者:山本弘
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■阪急電車 (幻冬舎文庫)
☆8 文庫になったので再読。やっぱり有川さんらしさが詰まっていると思う。連作短編だけど一つ一つの話が面白くて絶妙に惹きつけられる。こういう話はありそうでもなかなかない。だけど無理なく展開しているように感じるのは巧いからだろう。あと有川さんらしい提言もズバズバと軽妙に決まっていた。そこらへんとベタ甘カップルには気恥ずかしいような表現が使われてるけど、それが全然イヤじゃない。むしろ好き(笑)心がほっこりして元気になる作品。
読了日:08月31日 著者:有川 浩
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▼読書メーター
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2010年7月の読書メーター
読んだ本の数:38冊
読んだページ数:11809ページ

■わたしを離さないで
☆6 題材はライトなSFっぽいけど,心理描写や表現が巧みだったから読み応えがあった。丁寧語で語られているのが,静かな雰囲気とじわじわくるもの悲しさを強調していたと思う。ヘールシャムでの生活は一見魅力的だけど,思い返してみると不憫となる。
読了日:07月01日 著者:カズオ イシグロ
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■芥川龍之介全集〈4〉 (ちくま文庫)
☆6 芥川の技術はもちろん、話の幅広さを感じた。ミステリ調のものなんかはとても堂に入っていて引き込まれた。また寓話のようなものや歴史的なものもそれぞれ秀逸だった。有名どころの作品はさすがの面白さがあったと思う。
読了日:07月04日 著者:芥川 龍之介
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■凍りのくじら (講談社文庫)
☆7 理帆子にとにかく共感できた。「覚めている」けれどそれはみせずに周囲に合わせる。そうすると自分も含めて客観的に観察することになる。そこで周りの人々の気持ちや言動に愚かさしかみえないのか、それとも共感や理解ができるのかは、理帆子も言うように読書などのフィクションにどれだけ触れてきたかで決まると思う。また思うのが、こういう「覚めた」人というのは意外といるのではないかということ。ただそれにお互い気付かないだけでいるだけではないか。むしろそうでなければどれだけ馬鹿な人がいることになるのだろうか。
読了日:07月06日 著者:辻村 深月
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■永遠の出口 (集英社文庫(日本))
☆7 北上さんの言うとおり構成と人物描写がひたすら巧いと思う。彼女らの青春の中にいつまでもひたっていたいと思わせる。どの短編もたいした起伏があるわけではないのだが続きが読みたい気がしてくるのは不思議だ。ありえない永遠への憧れと現実の生ぬるい気持ちよさの間にいる青春が愛おしい。春宵の美しさがまた好い。
読了日:07月07日 著者:森 絵都
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■夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社文庫)
☆5 すらすら読み進むには魅力が少なかった。最後の方は面白くなってきたけど,推理小説ではなかった。結末のリドルストーリー的なところにはちゃんと伏線があったのでなるほどと思った。それでも真新しい展開ではなかったのでカタルシスはあまりなかった。著者の他作品を読むかは悩むところだ。
読了日:07月07日 著者:麻耶 雄嵩
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■夜と霧 新版
☆7 読みやすい、確かに読みやすいけど読みがたい。どんな劣悪な環境でも人間は慣れることができるんだと変に感心してしまった。全てを失って何物でもない単体の物体としての「人間」というものを見た気がする。そこにあるのは人間ではなく意識を持ってしまった道具のようで、なぜか困惑してしまった。でもそのさらに向こうには人間の本質が見えたと思う。絶対普遍的な妻への愛、荘厳で平等な自然、そういったものを感じることができる。そして自分を作り上げた過去をエネルギーにして、未来へ目的をもって、今を生きる責任が人間にはある。
読了日:07月07日 著者:ヴィクトール・E・フランクル
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■ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)
☆7 SFだけどハードボイルドでサスペンスな感じだったからドンドン読めた。だんだん入り組んできた気がするけど結末への持って行き方がうまくて、いい具合のカタルシスを得られた。しかもSF的なところも意外と盛りだくさんで堪能できる。軽くも楽しめるし、深く考えながら楽しむこともできる。
読了日:07月08日 著者:フィリップ・K・ディック
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■算盤が恋を語る話 (創元推理文庫)
☆7 やっぱり乱歩は短編の方が好みかもしれない。今読むからこそこれらの話の大胆さや挑戦心がわかり、貴重だと思う。海外主流のものをなんとか日本にも取り入れようというのがわかる。通俗長編も好きだけど、こうやって本格ものを突き詰めていってほしかった。
読了日:07月09日 著者:江戸川 乱歩
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■影姫 (角川ホラー文庫)
☆3 ホラーとは思えないほどの緊迫感のなさだった。エロさもあったけど、良くも悪くも携帯小説のような感じのノリだった気がする。まあすごくかるーく楽しめる作品。
読了日:07月09日 著者:飯野 文彦
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■閉ざされた城の中で語る英吉利人 (中公文庫)
☆6 まさに文学的ポルノ。人間の本質的エロスがみえたと思う。規則や枷から解放されて理性を失うとこうなってしまうのかも、と想像すると怖い。矛盾に聞こえるかもしれないけど、閉ざされた空間がその解放感を生んだと思う。実際に歴史上、もちろん現代も含めて、こういったことはいたるとこで行われていたはずで、そこに嫌悪だけでなく興味もわく。
読了日:07月10日 著者:ピエール モリオン
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■七姫幻想 (双葉文庫)
☆5 女性が紡ぐ儚くも美しい物語にミステリが幻想的な色をつけていて読み応えがあった。もっと歴史や短歌に詳しかったらより楽しめそう。こういうことからわく知識欲は有益だと思う。日本の美しさがよく出ていて、日本がさらに好きになる。
読了日:07月10日 著者:森谷 明子
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■首無の如き祟るもの (講談社文庫)
☆9 大満足!まるでエラリーのロジックとカーの怪奇を横溝の日本的民俗に取り入れたようで、濃厚なミステリが出来上がっていた。民俗ならではの跡取り問題や、複雑な人間関係を十全に利用してすごいトリックをかましているので、はっきり言って途中で真相を推理するのを放棄してしまうほど、難しい展開。というよりはいくらでも可能性が考えられてしまって困る感じだ。だからといってそれがやな気分というわけではなく、むしろ物語にどっぷりと浸かって安心してなすがままにページを捲る自分がいた。そして最後のドンデン返しの末に明かされる
読了日:07月11日 著者:三津田 信三
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■瓶詰の地獄 (角川文庫)
☆8 読むほどに味が出てくる奥深さがあった。特に『瓶詰の地獄』と『死後の恋』は秀逸で、再読することによって、より魅力が増した。カタカナを交える書き方や、過去形の語り口が醸し出す雰囲気が素晴らしくて、なんだか酩酊感を伴う。日常に押し込められた狂気があふれていてこちらも狂ったように感じさせられる。
読了日:07月12日 著者:夢野 久作
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■ビッチマグネット
☆6 著者の作品にしては読みやすくて面白かった。芥川賞をとれないのには納得したけど、こういう特殊な表現方法で書いた国内作品にしてはいい出来だと思う。ただ作品に込められたパワーには矮小さを感じて、あくまでも著者の作品系列の一つといったものだというのを拭えない。でもいつかやってくれそうだ、という期待も抱かせる。
読了日:07月14日 著者:舞城 王太郎
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■猫を抱いて象と泳ぐ
☆6 最古のチェスマシーン「トルコ人」と実在したチェスマスター「アリョーヒン」を題材にしていて、なんだかチェスに興味をもてた。今作のチェスだけでなく囲碁、将棋などのボードゲームを表現するとき、往々にして宇宙や海があらわれてくる。これだけ皆がそう表現するのだから、それは現実に感じられる現象なのだろう。盤上には人間、人生、世界、宇宙が在るのかもしれない。その域に達した人はなんて幸せなんだろう。あとポーが「トルコ人」を実際に見て著したという『メルチェルの将棋指し』を思い出した。と思ったら参考文献にあって納得。
読了日:07月15日 著者:小川 洋子
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■プラチナデータ
☆6 ハードボイルド近未来SFのような展開だったと思う。だから驚きは少なくて、SF要素やその技術にともなったリスクへの警鐘がメインだったのかな。みんなもっと危機感をもって選挙の投票に臨んだ方がいいと改めて感じた。東野圭吾に変な期待感をもってる人が読んだら当てが外れたように思ってしまうかもしれない。
読了日:07月16日 著者:東野 圭吾
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■オン・ザ・ロード (河出文庫)
☆6 ずっと路上を走ってる。目的地があってもそれを突破して突き進む。止まるなんて考えられない。そんなビートが聞こえてくる。正直この放浪生活にはなんの生産性もないが、手の届かない羨ましさがある。そこまで楽しめなかったけど、夢中になる魅力は潜んでいると思った。
読了日:07月16日 著者:ジャック・ケルアック
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■楽園まで (トクマ・ノベルズEdge)
☆7 まさに十代が著す厭世的なファンタジーという感じで、漫画とかでよくありそうだと思う。はっきりいって、こういう作品は大歓迎!豊富すぎるほどの修飾が意外とすんなり受け入れられたから、雪が舞い散る美しくも儚い世界を眺めることができた。まるで雪空に覆われてほとんど見えなくなっている希望を、探すしかない双子には美しさを感じた。ただ結末は微妙かも。
読了日:07月17日 著者:張間 ミカ
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■ラガド 煉獄の教室
☆5 幾度も覆されて繰り返される推理でどんどん新しい人物関係があらわれる。でも一度考えてしまうと「あれっ?」と思う箇所も多いので止まらず読んだ方がいいかも。とりあえずノンストップで読んだからけっこうドキドキできた。でも謎の存在には蛇足を感じ、伏線の使い方にも疑問を感じた。いいたいことには魅力を感じたんだけどね。
読了日:07月18日 著者:両角 長彦
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■贖罪 (ミステリ・フロンティア)
☆6 良くも悪くも『告白』レベル。相変わらず人の弱いとこや嫌なとこを描いていて嫌な気分にさせられる。話せば話すほど困惑して、考えれば考えるほど悩ましくなるようで虚しくなり、人間なんてこんなもんだと思ってしまう。またどんな人間でもみる角度によって印象が変わるし善い面も悪い面もあるというのがわかる。最終的には絶対の正義なんてないと思った。
読了日:07月18日 著者:湊 かなえ
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■もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
☆7 スポーツの厳しさやそれをマネジメントすることの難しさが痛いほどよく分かるからこそ「そんなに甘くないぞ」と思ってしまうが、その辛さを乗り越えた時の感動には素直に共感できた。マネジメントを野球に還元するというのがどういうことか具体的に分かって参考となったとともに、その行動や心構えはいかに実現が難しいかも分かった。しかし、ある論理を考えに考えを重ねてリアルに取り入れる方法・有益性、つまり実学の在り方をみた気がする。
読了日:07月18日 著者:岩崎 夏海
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■きみ去りしのち
☆5 去っていってしまった「きみ」――それも二度とは戻らないところへ――を抱える人というのは想像以上にいるものだと知った。みんなそれぞれ違った痛みを持ちながらもなんとか笑って生きている。立ち直りかたや思い出の持ちかたも違うが、ちゃんと生きている。いろいろと単純じゃないかもしれないけど「きみ」や周りの人と生きていって欲しい。
読了日:07月19日 著者:重松 清
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■死ねばいいのに
☆8 もともとそんなものはなかいのかもしれないが、正論とは一体なんなのかわからなくなってくる。比較的日本語には微妙なニュアンスが多いのかと思うけど、最近は、話し言葉に曖昧さが増している気がする。しかしケンヤは率直な言葉だけを使い、そういう言葉を受けつけないでいろんな人の心の奥底をえぐり出す。それはさながら禅問答のように感じた。「死ねばいいのに」と言われても死ねない人は何か人生に余すところ、自分でまだできることがあると本能的に分かっているのだろう。京極さん独特の漢字使いによって、
読了日:07月19日 著者:京極 夏彦
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■11の物語 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
☆7 怖いー。かたつむり怖いー!とにかくかたつむりの印象が強い。量のかたつむりと質のかたつむりの二通りで責められた。他の作品もじわじわと感じる怖さがあった。精神が病んでる人を内面から観たようでこちらもきつくなってくる。「ヒロイン」がお気に入り。
読了日:07月21日 著者:パトリシア ハイスミス
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■愛についてのデッサン―佐古啓介の旅 (大人の本棚)
☆7 古本屋のミステリっていう期待通りの出来だった。それも詩が主題だったから独特の雰囲気があり、ミステリとしても詩のように余韻が残る結末が魅力的だった。短い連作短編なのにそう思わせない厚みを感じた。この主人公のような生活って理想かもしれない。
読了日:07月21日 著者:野呂 邦暢
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■幾度目かの最期 (講談社文芸文庫)
☆7 今の自分と同じ年齢で自殺してしまった著者、彼女の思いが、静かな生の翳りが見えた。死に向かっていく彼女には狂気というより正気を見た気がする。まるで遺書のような表題作だけでなく、小説などの他の作品も含めて、この順番通りに読むことでより心に響くんだと思う。『人間失格』とはまた違うが同等の醒めた諦観的な絶望がある。そもそもこういった作品は比較するべきでもない。たぶん彼女は、最期の瞬間に笑っていたんだと思う。
読了日:07月21日 著者:久坂 葉子
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■バックマン・ブックス〈4〉死のロングウォーク (扶桑社ミステリー)
☆7 よく考えてみると初キングかもしれない。母親がキング好きで話を聞いてたから読んだ気でいた(笑)改めてこの作品、すごい迫力だった。ただ歩き続けて、遅れた者から容赦なく殺していくという、圧倒的な不条理にいきなり放り込まれて呆然としてしまった。すんなり受け入れているようで微塵も受け入れられていない少年たちの揺れ動く心がよく描かれていたと思う。その中でも友達を思い続けた主人公はあっぱれだけど、その後が心配。この作品が実質の処女長編というのだからさらに驚く。他のキング作品も読まなきゃだけど、どれから読んだもんか
読了日:07月23日 著者:スティーヴン キング,リチャード・バックマン
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■フランク・オコナー短篇集 (岩波文庫)
☆8 びっくりするほど読みやすいし、どの話にも滋味があり、ジンときた。展開自体には大きな動きはないが、心情豊かに描かれる人々に真実味があって、話に取り込む魅力がある。特に手法をいじるわけではないのに短編ごとに違うリズムがあり、違った味を出していると思う。アイルランドならではのところもあるがそういうのもすんなり伝わってきた。あと解説がとても親切で的確なことを述べてくれている。はずれがほぼなくてたぶん何度でも読める、まさに珠玉の短編集だ。
読了日:07月23日 著者:
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■密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)
☆7 いや、予想以上に楽しめた。この設定とかまさに新本格っていう感じで気に入った。犯人を探す楽しみはないのは痛いところだけど、そのおかげで増している魅力もある。彼らの推理合戦もいい。かなり限定されたなかでの殺人事件なのに、むしろその状況を生かしてここまでの魅力を引き出しているところがすごい。長編としての伏線回収なんかもある程度すんなりして満足。続き方はどうかと思うけど・・・
読了日:07月25日 著者:歌野 晶午
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■銀の匙 (岩波文庫)
☆7 子供目線で話が展開されるし考え方も子供らしさが出ているのに、文章は格調高く流麗である、というバランス感が味わい深くしていると思う。今の日本とは環境が違うから思想体系とかも違う印象を受けたけど、子供の考えることには親近感のわくところがあっていいな、と思った。良質な小説だった。
読了日:07月26日 著者:中 勘助
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■屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)
☆7 とにかく主要人物たちとその会話に引き込まれた。応募作だからか結構かけ足になってしまったけど、それでもしっかりと魅力が伝わってくるのはすごい。だから読んでいるときはかなり楽しめた。でもまあ選評とかでもあるようにご都合主義な所や伊坂リズムがあるのは感じる。読み終わって現実に戻ると違和感だらけだったり納得のいかないとこが目立ったりはする。リアリティやテーマはなかったかもしれない。それでも楽しめたからいいのだ!いろいろとある小説の形の一つだと思う。
読了日:07月26日 著者:山下貴光
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■不思議の扉 時をかける恋 (角川文庫)
☆6 『時をかける恋』という一言だけでつい購入した。まあ面白かったけど期待したほどではなかった。巻頭の『美亜へ贈る真珠』のような作品をもっと欲しかった。このモチーフは好きだけどなかなか無いのが困る。解説で大森望がおすすめを述べてたから機会があったら読んでみたい。
読了日:07月27日 著者:大森 望
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■新潮 2010年 06月号 [雑誌]
☆7 『乙女の密告』については椿子さんが言いたいことを言ってくれてました。最近の芥川賞受賞作では個人的に好きな作品かも。新潮を初めて読んだけど文学賞系や企画系の作品が面白かった。〈文学アジア〉という企画では韓国や中国の作品を読んで「そういえば欧米の作品は読むけどアジアは読まないな」と気づいて、韓国の作品けっこう好きかもと思った。でも一番印象に残ったのは川端康成賞の『トモスイ』かもしれない。これぞ短編という感じで良かった。
読了日:07月28日 著者:
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■神去なあなあ日常
☆8 都会を脱出して田舎に住みたい!熱烈にそう思った。地元に密接にかかわった仕事や濃い人間関係を通して自分の存在価値をよく感じることができ、自然本来の姿を体感して地球との関係もみえてくると思う。とにかく三浦しをんの描く神去村が和やかで豊かな雰囲気で素晴らしい。「なあなあ」や「~ねぃな」っていう言葉がふわふわしていてなんともいえない軽やかさと親しみやすさを生み、彼らのあったかさが伝わってくる。うまーくいいところを描いてくれているので全編を安心して読み進めることができた。
読了日:07月28日 著者:三浦 しをん
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■Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2010年 7/29号 [雑誌]
☆6 W杯が終わったと改めて感じる。スペインの優勢はこれからも変わらないと思う。しかしすでに世界的に力の差は埋まってきている。やる気があり、勝利の準備に時間をかけるチームが勝つことになるのだろう。日本も可能性は秘めているのだからいい準備をしてほしい。
読了日:07月28日 著者:
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■退出ゲーム (角川文庫)
☆7 王道の青春学園ミステリだけど、ちょっと一味ちがうところもあって楽しめた。奇妙な三角関係や一風変わった事件がひねりを加えている。また一つの事件ごとに仲間が増えていく─―しかも個性的な人たち、というかもはや学校全体が面白い──のもエンタメ好きにはいいシチュエーションだと思う。ただあからさまに伏線を出してくるので展開や真相は大体解ってしまうけど、閑話に入る雑学が引きつけてくれる。その雑学も衒学的になり過ぎない程度で好感が持てる。そして解決から見えてくるエピソードには、社会的で人間臭い問題があったりして、
読了日:07月30日 著者:初野 晴
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■星守る犬
☆8 基本は漫画を登録しないんだけど一巻完結だし、なにより感動したので書いちゃいます。おおざっぱに言えば、不幸な人間と忠犬との友情物語だ。それでもそこには簡単には言い表せないような愛があった。無償の愛とか隣人愛ではない。でもなんて言えばいいかわからない。子供が親を親が子供を愛するように理屈ではない、そんな愛。結果は悲劇だけど幸せな物語でもあったんだと思う。
読了日:07月30日 著者:村上 たかし
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■ほしのこえ (アフタヌーンKC)
☆7 基本は漫画を登録しないんだけど一巻完結だし、書きたくなったので書いちゃいました。やっぱり時間を超える想いを作るシチュエーションは、宇宙と地上というのが一番いい。メールが届くのに何年もかかる状況、そんな中でも想い続けるのって切ない。宇宙の方が厳しい状況だと思う、でも地上の方が想いを保つのは辛いだろう。アニメの方のバランス感も好きだったけど、漫画は感情移入しやすくて良かった。
読了日:07月30日 著者:佐原 ミズ
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エリザベス・ムーンの『暗闇の速さはどれくらい』という本で印象に残ったものがある。それは「暗闇は光より速い」という理論だ。

「光は暗闇があってこそ存在できる。つまり光のさすところには先に暗闇が存在している。では暗闇は光より速く移動し、先回りして存在しているはずだ。」というのが理屈。


今も広がっている宇宙の果てでは今も光が突き進んでいる。そして光が進むということは暗闇を通っているということでもある。ということは宇宙の果てより先に暗闇があるのなら、宇宙が誕生した瞬間の光の広がりよりも暗闇の広がりの方が速いということになるのかもしれない。



この本は一応SFで自閉症を治療することのできる近未来が舞台で主人公は自閉症だ。そしてタイトルとはほとんど関係のない内容だ。買った理由は完全にタイトルに惹かれたからで、そういう買い方をすると思わぬ良さを発見できるから新鮮で面白い。そういえば著者の名前もすごい。「エリザベス・ムーン」、イギリス女王と月。


ちなみに今まで読んだ本の中でいいタイトルだと思うのは『天の光はすべて星』『月は無慈悲な夜の女王』『流れ星が消えないうちに』『虚無への供物』とか。あと番外編で『どんどん橋、落ちた』『春期限定いちごタルト事件』『日本以外全部沈没』らへんも好き。