今回は、スキルの学習をお勧めしたい人に対して、実際に声をかけることが
レッスンのポイントです。
「…それって、そんなに難しいこと?」と思われる人もいるかもしれません。
ところが、SSTの研修でお受けする質問の中でも、結構な上位に位置付けられる程多いもので、
それだけ難しいさがあることの裏返しだと思います。
SSTをグループで行う場合には、参加者もSSTをすることが分かっていますから、そこまで
難しさを感じることはないかと思いますが、個別の面談のなかで活用を促す際には、その
難しさが一気に挙がるようです。
ちなみに、声がけに関する質問としては、
「どうやって声をかけたらいいのですか。」
「どのタイミングで声をかけたら良いのですか。」
「断られたら、どうしたらいいでしょうか。」
この3つがダントツに多いですね。
そして、この中でも「断られたら、どうしよう…」ということが気になって
SSTに入っていけない場合が多いようです。
これは無理もないことで、通常は、面談となると傾聴対応が多いので、
聞き手の私たちから「では◯◯が伝えることができるように、練習しませんか?」と
提案することはまずないからです。慣れてないことが理由として挙げられます。
さらに、それに対して「え、やりたくないです。」とか「今日はいいです。」とか
言われると、聞き手自身が自分を否定されたように感じてしまい、その後、どのように
立ち振舞ったら良いかが分からなくなってしまう怖さも、声をかけることを戸惑わせるようです。
しかし、上の二つの理由は、聞き手側、つまり私たち側の理由であり、だからといって、
SSTを話し手に届けない理由にはなり得ないですね。
ですので、提案すること、そして提案を受け入れてもらえないことがあることに慣れる経験が
とても重要だと思います。
今回のレッスンを通じて、傾聴+提案という方法を手にしてみましょう。
そして、提案を受け入れてもらえなかったとしても、そこから新たなお手伝いの方法を
話し手と聞き手で探っていくことを体験してみましょう。
