. -11ページ目

.

.

防犯登録の事を考えると、デ・シーカの自転車泥棒という映画の事を思い出してしまう。高校生くらいの時に見て胸に鈍い痛みがしばらく消えなかった。貧困映画といったらイタリアというイメージもこの頃自分の中に根付いてしまった。

自転車を手に入れると独特の幸福感がある。車を買った!って時とは違う気がする。自転車だと、自分の力で自分の道を切り開くような気分になる。それぞれの自転車と持ち主には沢山の思い出があると思う。




アイ・ヴィー・シー
自転車泥棒


中平卓馬の様にありのままの存在を切り取ったような写真を撮れたら良いと思う。
藤代冥砂の様にかけがえの無い被写体を追い続ける姿勢も大切だと思う。




中平 卓馬
原点復帰-横浜



田辺 あゆみ, 藤代 冥砂
もう、家に帰ろう
一昨年の12月に今のマンションに引っ越してきた。ここはもともと持ち家で、小さい時から小学校高学年まで住んでいた家なので思い出も多い。駅から徒歩数歩で着くし、利便性は文句無しと言っていい。
でも最近前住んでいたマンションが恋しくなる。周りには人工的ではあったけど自然が多かった。真横は原っぱで、でっかいハルニレの森もあった。冬の朝は自室の出窓から日の出が見えた。北向きだったので夕暮れは最高に綺麗な部屋だった。暇な時はカメラをかついでよく散歩した。多少は不便でも郊外のあの家は素晴らしかった。もう人に売ってしまったので、あの家から見える風景には二度と会えない。


特に秋から冬にかけて家の周りが荒涼とした風景になるのが好きだった。初雪の朝はその静けさで「あぁ降ったな」とわかった。大抵初雪の日は部屋中が冷え込んだ匂いがして、寝たまま見える窓の外はグレーみたいな、例えるのが難しい色になっている。
「音の真空状態」とはあの日の事を言うんだと思う。