長い冬が来たら北海道には何もない。冬じゃなくても何もない。
最近道外から友達が来て、どこがおすすめかと聞かれて困った。
「何もないこと」がおすすめなんだけど、それを楽しんでもらえるかはわからない。おいしいものを食べたり綺麗な景色を見たいんだろうか。それもいいけど、飽きないだろうか。
ただ歩きながら些細なこと見つけたり考えたりするのが楽しい。石投げたり、川行ったり、たぶん立ち入り禁止っぽいマンションの屋上に勝手に登ったり(馬鹿と煙はなんとかって諺があるけど)、綺麗だなぁと思ったことを写真におさめたり。友達を楽しませるならそうしようかなと私は計画する。友達には「暖かい格好しておいで」とだけ言えば済む。
北海道の人はお金が無いと思う。街で見かける若い人も、全然あか抜けてない(自分ももちろんその一人として)。逆に、特に東京の人はお金が無いと生きていけない世界にいるので、羽振りが良い。センスが無くても見た目にはある程度お金をかけているので、一目で東京の人だとわかる。
20歳の時に初めて東京に行った。確か高村光太郎を見に行ったんだ。なんといっても新宿が怖かった。人がつくったんだろうか。全てが過剰な街だと思った。同じようなことをリリー・フランキーが「東京タワー」で書いていた。
星の王子さまの原作者のサン・テグジュペリの言葉で
「完成とは、付加されるなにものも無くなった状態ではなく、除去されるなにものも無くなった状態」
という言葉は私が一番好きな言葉。
北海道は、付加されて巨大化した東京を真似ようとしているけれど、常に除去の方向に進んでいる気がする。冬は本当に何も無くなるので東京から来た友達は「(心の)病気になりそう」と言って実家に帰っていった。この時期に来たのもまずかったね。