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スイスの指揮者、カール・アントン・リッケンバッハー(1940-2014)によるマーラーの比較的珍しい作品を集めたCDを聴いてみた[VIRGIN CLASSICS:6.28508.2]。1988年1月と5月にバンベルクの文化ホール(クルトゥアラウム)でのバンベルク交響楽団との録音で、次の三曲を収めている。

 

    ①交響詩「葬礼」
    ②「花の章」 
    ➂交響曲第10番~第1楽章・アダージョ 

 

①は交響曲第2番の第1楽章に転用され、②は交響曲第1番(第2稿)の第2楽章を構成していた作品。➂は未完に終わった交響曲第10番のなかでマーラー自身によって完成されていた楽章。三曲のなかで個性的な演奏スタイルは➂で、ゆったりとしたテンポでのびやかな歌が聴かれるのだが、それだけに後半の強烈な全奏が際立つことになっている。

 

リッケンバッハーってどういう人なのか、というと、ベルリン音楽院に学び、カラヤンにも師事したことがあり、さらにクレンペラーやブーレーズからも学んだという。ドイツもの、フランスもの、それに現代音楽といったように幅広いレパートリーがあったようなのだが、「偉大な作曲家のあまり知られていない音楽を探求すること」をモットーにしていた。その点からいえば、「知られざるリヒャルト・シュトラウス」が代表的な録音ということになるだろう[DG:483.9730]。モントルーで心臓発作のため亡くなった時も、マーラーの「葬礼」を研究している最中だったと伝えられている。

 

なお、マーラー作品を収めたVIRGINレーベルの二枚組CDのもう一枚には、1842年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を創設したオットー・ニコライ(1810-1849)の次の作品が収録されている。

 

    ①歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲( 1849年)
    ②歌劇「神殿の騎士」序曲(1840年)
    ➂歌劇「追放された男」序曲(1844年)
    ④合唱曲「天上の歌」によるクリスマス序曲(1833年)
    ⑤交響曲 第2番ニ長調  (1835年)

 

①は今日でもよく演奏されているが、残りの作品はほとんど取り上げられることがない。実際に聴いてみてもあまりおもしろくないと思った。ニコライと同時代の作曲家ってどういう人たちがいるのかと思って調べてみると、メンデルスゾーン(1809-1849)とシューマン(1810-1856)がいて、この二人の作品と比べると、やはり聴き劣りがするのだった。