今日は午前中は晴れたが午後からは曇りで、最低気温は11度、最高気温は21度といったところ。夜空を見上げれば月も雲で隠れ、明日は雨が降る予報である。

 

4月22日にアメリカの指揮者、ピアニスト、作曲家のマイケル・ティルソン=トーマスが亡くなったとのことである。81歳だった。

 

ちょうど10年前、サンフランシスコ交響楽団との来日公演を聴いたことがあった。メインの曲目はブルックナーの交響曲第7番で、この選曲は意外な感じもした。自身NHKのインタヴューで「この作品は抒情性に満ちたオーストリア音楽の一つ」と位置づけ、第2楽章はブルックナーの作品のなかでも傑出していて、流れるように、緩やかに、歌うように演奏するよう心がけている、といった趣旨の話をしていた。実際の演奏もそういった線に沿うものだった。

 

演奏以外で興味深かったのは、指揮台の脇に特製の水飲み台を置いて、1楽章と2楽章の終わりに水を飲んでいたこと、そして終曲後の聴衆からの長い拍手に応えて、指揮台に立って、グラスから何か飲むしぐさをして、つづけて左右の手首を(バシャバシャといった感じで)動かし、最後に「お休み」のポーズをしてお開きになったことだった。一杯飲んで風呂に入って寝ますよ、というわけで、アンコール曲はありません、といいたかったのだろう。

 

今回訃報に接し、この来日公演の少し前に録音されたシューマンの交響曲集を聴いてみた[SFS MEDIA:SFS 0071]。全般にテンポはやや遅め、力ずくのところがないよく流れる演奏で、第1番第2楽章のしなやかさや第2番第4楽章ののびやかさが特に印象に残った。全4曲のなかでは第4番が一本筋の通った流れのあるスタイルで一番共感できた。

 

もう一度来日してほしいと思っていた演奏家だったが、残念。ご冥福を祈ります。