今日も真夏のつづきで、最高気温は33度。夕方、にわか雨が降ったが、すぐに止んでしまい、気温に変化はなかった。

 

コンサートの珍風景というわけではないが、途中で帰る人の理由を考えてみた。

 

その1)

40年も前の話だが、都民芸術フェスティヴァルのオーケストラコンサートでのこと(当時の会場は東京文化会館)。演奏が始まる直前にやって来て隣の席に座ったおじさんだが、ビールでも飲んでいたのか酔っ払っているのであった。演奏の途中で寝息を立てて眠ってしまった。そして休憩中にいなくなった。

この人、何しに来たのか不思議なのだが、おそらくだれかに入場券をもらったから来たのだろう。ただしクラシック音楽には関心がない。そこで開演前に食事をしてビールも飲んで、いい気持になったものの、もともと興味がないので、無理せずに退場した、といったところではないか。

 

その2)

10年ほど前のウィーン・フィルの来日公演。S席で3万円以上の値段である。隣りの席は会社帰りのサラリーマン風のおじさんだった。この人も前半が終わると帰ってしまった。翌日も会社勤めで朝が早いからこの辺で失礼します、といった感じだが、自腹で入場券を買ってはいないはずだ。おそらくこの演奏会のスポンサー企業の社員で、招待券をもらったから立ち寄った、といったところなのだと思った。

プログラムの前半が終わったあと、連れ立って帰るサラリーマン風の人たちがいたら、スポンサー関係だと思えばよい。

 

その3)

もう一つ、音大でピアノを専攻していた知人の話。そのころ一部の人々に人気のあったリチャード・〇〇〇〇〇〇〇さんのピアノ・リサイタルに行ったのだそうだ。だが演奏があまりにひどいと感じて、演奏中に席を立って帰ったという。

演奏中に立ち歩くのはマナー違反だが、演奏に対する評価の表われと考えれば、許容されるのかもしれない。

 

ということで、観客は単に「お客さん」というわけではなく、演奏の好悪を決める要素の一つになる。積極的に「この曲が聴きたい」という気持ちで会場に来る客が多ければ、それが演奏者にも伝わることだろう。そして演奏者のもつ能力を引き出すことにもつながる。そういう客はいい客ということができる。