梅雨明け三日目、気温は上昇して35度。夜散歩に出たが、アスファルトの道路は熱がこもっているし、湿気もあるし、ということで汗だくになった。
それはさておき、振り返ってみると、家に犬がいた期間は20年以上になる。
初代:シェパード、2代:スピッツの雑種、3代:スピッツの雑種、4代:柴犬、
5代:ビーグルの雑種、といったところである。みな庭で放し飼いだった。
ここでは5代目に関する話。
夏の暑さは犬にとっても危険な状態をもたらす。夏用の薄毛になっているとはいえ、毛皮を着ているようなものだし、人間のように汗をかくこともできない。ただ口を開けてベロを出してハーハーするだけである。いまなら部屋に上げ、冷房をかけて休ませるところだが、そもそもクーラーのない時代である(私の記憶では、いつも使っていた私鉄電車に冷房が入ったのは1971年のことだったが、一部の車両にとどまっていた)。
ではお犬様はどのように暑さをしのいでいたのかというと、まず、庭の木陰の下の地面を前足で掘る。深さにして10センチくらい掘ると、そこに腹ばいになって休む。つまり毛の最も薄い腹部を冷たい土で冷やし、からだ全体の熱を冷ますのであった。だれから教えられたわけでもないのに、うまい方法を知っているのである。ただし人間の側からみると、ところかまわず土を掘られると、植えてあった草花が土と一緒に蹴散らされてしまうという問題があった。そういう時は、こっちを掘りな、と場所を変えるように仕向けることもあったが、大体は大目に見ていたと思う。
いずれにしても暑い夏は犬にとっては試練の季節である。