今日は曇り空だったが、気温は30度、室温は29度になった。冷房は使っていないが、

たぶん寝る時には使うことになるだろう。

 

銚子市にある千葉科学大学にかかわる記事が「東京新聞」に掲載されていた。この大学が設立されたのは次のような経緯がある。

 

-2002年7月、自治省の官僚だった野平匡邦が銚子市長選挙に当選した。公約の一つが大学の誘致で、当選の翌日、野平は加計学園理事長・加計孝太郎とともに記者会見で大学設置を表明し、2年後に千葉科学大学が開学した-

 

野平は1997年から2年間、岡山県副知事を務めたことがあり、そこで加計孝太郎と親しくなったのだろう。加計孝太郎といえば安倍晋三の「腹心の友」であり、この千葉科学大学の経営にも安倍の取り巻きがかかわっていた。ただし、肝心の学生が集まらない。2023年度についてみると、入学定員490人に対して入学者は228人、大学全体としても定員2281人に対して在学生は1528人。このままいけば、学生充足率が50%を割ることは目に見えている。

 

こうした状況のもと、2023年10月、理事長の加計孝太郎は越川信一銚子市長に大学の「公立化」を要望した。公立化すれば、銚子市には国から地方交付税が入る。授業料も他の国公立大学並みに抑えられるかもしれない。とはいえ、学生定員が充足される保証はない。そのうえ、設置されている薬学部、危機管理学部、看護学部は文系学部の多くとは異なって金がかかり、「儲け」にはならないだろう。

 

銚子市はこの大学の公立化について「有識者会議」を開いて検討するとした。その三回目の会合が6月30日に開かれ、市が作成した財務シミュレーションが示された。以下は「東京新聞・首都圏ニュース」(2024年7月2日付)からの引用である。

 

「入学金や、公立化で国から交付される運営費などの収入から、人件費、教育研究経費などの支出を差し引いた『教育活動収支』は、充足率90%の場合、10年後も赤字は解消しなかった。年間赤字額は1億2700万円~7億2600万円。

同95%では、公立化4年目から6年目に年間2800万円~8600万円の黒字を計上するが、教員の昇給などで7年目から再び赤字に。同100%に達すれば、公立化3年目以降、10年目まで黒字が確保できると予測された。」

 

これに対して、大学側は会議の冒頭で次のようにいっている。

 

「加計学園の渡辺良人専務理事は会合の冒頭『学生や教員が動揺するので、現状のままの公立化移行をお願いしたい』と、スリム化は受け入れられないとの考えを明らかにした。」

 

結論的にいえば、大学側が「学生や教員が動揺」を与えないかたちで、ゆるやかな規模縮小計画を立てるほかないだろう。それができなければ、つぶすほかない。