今日は曇り空だったが、気温は30度。湿度も高く、熱中症警戒の一日である。

 

山登りとのどの渇きのつづき。前回は、ほぼ冬の山とのどの渇きだったが、今回は真夏の山の経験である。

 

20台の半ばころだったか、夏休みに「青春18きっぷ」を使って、谷川岳に登った。この「きっぷ」は5枚つづりで、原則として、普通列車に一日乗り放題、ということになっている。そこで、早朝上野駅を出発して高崎まで行き、そこから一日に何本も出ていない新潟方面行の上越線・普通列車に乗り継ぐことにした。もちろん、一日で山頂を往復するので、ロープウェイの力を借りることが前提だった。

列車は水上までだと本数も多く、水上からは谷川岳ロープウェイの登り口までバスが出ているので、その方がよかったのだが、交通費の節約を考えて、水上の先の土合から歩くことにしたのだった。この土合駅は地底にあって、地上に出るには486段の階段を上らなければならない。途中の踊り場には休憩用のベンチが設けられていたりするのだが、エスカレーターもエレヴェーターもないので、歩くよりほかに選択肢はない。地底の涼しさから次第に暑さを感じながら、外に出るころには早くも疲れ気味。しかもロープウェイの発着駅までの道の途中で水上発のバスに追い抜かれて、軽くショックを受ける始末であった。

 

ロープウェイは天神平まで運んでくれる。ここから天神尾根を行くのだが、大雑把にいって登り3時間、降り2時間の行程である。尾根道は岩がごつごつしていて傾斜もきつい。歩いていると目の前が岩といった感じである。しかも樹林が少ないので、夏の日差しをまともに受けつづけることになる。ちょっと一休み、といった場所がないのである。だがやっとの思いで山頂に到着すれば、そこから見渡す上越国境の山々の存在感は圧巻だった。

ただし午後になると天気が急変する可能性もあるので、長居は無用で、来た道を慎重に戻ったのだった。天神平に戻ってみれば、炎天下の往復でバテ気味。すでに水筒の水は飲み尽くし、さらに水が飲みたいと思って、ロープウェイの駅で補給。自分でも驚くくらいのどの渇きは激しく、あっという間に1リットル飲んでしまい、一緒に行った相棒からは呆れられた。

 

いまにして考えれば、一気飲みはよくない。場合によっては「水中毒」を起こすことになりかねない。その時は食事で塩分を摂っていたことで何もなかったのかもしれないのだが。夏山こそ、こまめに水分、塩分を補給することが必要だった。