ご無沙汰しております。修士2年となりました長澤です。

最後に記事投稿したのが2018年秋ごろということで、実に2年半ぶりの投稿とのこと...。

SSSRCに在籍する最後の年なので、ちらほら投稿していけたらと思います。

 

 今回から数回にわたって、ISS放出から最近に至るまでのひろがり運用の軌跡を、

一メンバーの視点から書き綴って行こうと思います。技術的な話はほどほどに

フランクにまとめられればと思います。

 

3月14日:ISSからの放出~ファーストパス受信挑戦まで

 来る3月14日、20時頃、ひろがりがISSから放出される瞬間をメンバー一同固唾を

飲んで待っていました。先日、京都府は八幡市にある飛行神社(航空宇宙業界の人が

安全祈願にたびたび参拝することで有名)にも、一部メンバーで参拝していたので

御利益的にもまず問題は無いはずですが、やはり張り詰めた雰囲気となっていました。

 

      飛行神社とひろがりEM         固唾を飲んで待つメンバー達

 

そして、GOサインをSSSRCサイドで出してからの20時36分、ついにISSから

ひろがりが放出されました。放出された時点でいきなりパドルが開いている!?

といったこともなく、無事に軌道へと乗っていきました。フロアも爆上がりです。

       ISSからの放出成功で盛り上がる一同

 

 湧き上がる思いはそうとして、さあここからが勝負です。ここまでで万が一

衛星がロストした場合は当団体の責任では無いので「いやぁ、無事に成功

していれば俺たちのシステムがブイブイ言わせれたのになぁ」なんて言えたものですが、

ここからは基本的に自己責任です。運用を行う部屋に移動してファーストパスに備えます。

(注:画像に写っている時計はUTCに合わせてあります。)

 

    受信設備最終準備1        受信設備最終準備2

 

 ISS放出から数十分後、早速ファーストパスのチャンスが来ました。

衛星からは、CW信号いわゆるモールスが電波として送られています。

この信号にはバッテリー温度・電圧など衛星生存確認に必要最低限の情報が載せられており、

衛星が正常に動作していることを確認することが最初のタスクとなるわけです。

それはそうと電波が受信できなければ何も始まらないので、受信できるか緊張の瞬間です。

 

 

 

 

 

                    ・・・・・・・・

 

 

 

 

 

残念ながらファーストパスではCWを受信することはできませんでした...。

       特に信号が来たことが確認できない(泣)

 

3月14日~15日明朝: CW受信までの持久戦開幕

 ひろがりは高度約400 kmの低軌道衛星であるので、一日に受信できるタイミングは
限られています。具体的には一日ずっと受信できない時間(可視範囲外)が14,5時間あり
その後約90分おきに、だいたい6~10分衛星が地上局から見えるといった感じです。
ISSの地上軌跡(ひろがりもISSから放出されたので同様の軌跡)
衛星が地球を約90分で一周するとき地球も回転しているので
同じところをグルグル回らず少しづつ軌跡がずれる
 
 
とういうわけで、悲しいことにファーストパスは受信できませんでしたが、
今回はここから90分おきに朝の5時ごろまでチャンスがあります(キツいいね)。
きっと5時ごろまでには受信できるはずに違いない!!!CW来おおぉぉぉぉぉいい!!!

 

 

 

 

                    ・・・・・・・・

 

 

 

 

結局5時まで挑戦しましたが、どのパスもCWを受信することはできませんでした。

(受信設備の問題も考え、トランシーバー片手に屋上に行ったりもしました。)

二回目のパスでCWの受信ができなかった辺りから、何かを察した記者さんたちも

御帰宅なされて(期待にそえず申し訳ございません(_ _))、放出の喜んでいる姿しか

知らない親たちからおめでとうのメッセージが届く(母さんありがとう泣)。カオスな状況が生まれました。

 

   椅子を並べ眠るメンバー         CWが受信できないことに苦しむメンバーたち

 

そして次のパス群に備えたり、問題が何かを議論するのに備えるために

私は午前6時過ぎの電車で家へとシャワーと仮眠をとるべく帰宅しました。

(ほかのメンバーも各自休憩を取り始めました)

帰ってきた時に親に「残念やったね」と言われた瞬間、上手くいかなかったことが

いきなり実感として湧いてきて、軽く涙を飲んだことが思い出されます。

 

 

とりあえず今回はここまでです。次回地獄の耐久戦編をお待ちください。

 

皆様こんにちは、3月31日をもって卒業したフジタです。
2015年から都合六年間このSSSRCに所属してきましてこれまでOPUSAT-KIT、ひろがり(旧称OPUSAT-II)の開発に携わり、その中でも特に衛星の回路設計や基幹ソフトウェア、無線通信システムの製作を担当しておりました。

日夜せっせとシステムを考え、仲間と議論し、様々な人の助けを借りながら衛星を開発してきたわけですが、その中で自分自身がかなり成長したと感じる点が多くあります。
月並みではありますが「衛星をつくる」夢、あるいは目的意識という燃料ほど自分を動かしてくれるものはありません。

私と衛星との物語は卒業をもってして終わり、ひろがりの運用を眺めるだけです。
しかし幸いにして私はまだまだ若く、ものづくりへの情熱がここで冷めてしまったとしても再び自分を動かす夢を探すことができます。

それでは皆様、よい夢を

P.S. 府大の図書館の蔵書には「天の光はすべて星」がないようです。

こんばんは!B3の森瀧です.

ひろがりの打ち上げが深夜だったことや,広報対応で疲れてしまったこともあり,ここ2日間寝てすごしていたので,こんな時間(未明)になっても眠れずにいます.暇を持て余していたのでブログを書くことにしました.

 

SSSRCの公式ツイッターや各種報道にもありますとおり,ひろがりは日本時間2月21日午前2時36分に,無事宇宙へ向けて打ち上げられました!

衛星の打ち上げは,開発をしている人間にとっては最も感動的な場面のうちの一つです.僕も衛星プロジェクトに参加してからというもの,この瞬間をずっと待ち望んできました.

今回は打ち上げがアメリカである上,新型コロナウイルスによるこのような状況の中なので,現地で見守ることは愚か,大学にみんなで集まって見守ることさえままならない状況となってしましましたが,Zoomを用いるなどして,その瞬間を見守りました.

僕は子供の頃から宇宙が好きで,いつか自分の作った物が宇宙に届けられたらいいなと思っていたこともあり,この打ち上げの瞬間はこれまでの人生の中でも特別な瞬間でした.と言いつつも,実際は当日になっても実感は湧かず,打ち上げまでのカウントダウンが残り10分くらいになってから急にドキドキし始めたという感じでした.

(とにかく落ちるなよ...)と祈りつつ,ロケットがどんどん空の彼方に飛んでいく様子を見守りながら,「いよいよ僕たちが作った衛星が本当に宇宙に行くんだ...!」という気持ちと,「あのロケットめちゃくちゃ揺れてるけど,振動で壊れないかな」という不安の気持ちでいっぱいでした.(ひろがりが振動に耐えられたかどうかは,実際に運用してみないとわかりません笑)

 

そして次の日,ひろがりをのせたISS補給船シグナスは,野口聡一宇宙飛行士(JAXA)とMike Hopkins宇宙飛行士(NASA)によるロボットアーム(Canadian Arm 2)の操作によって無事キャプチャされ,ISSにドッキングされました.今頃ひろがりはすでにISS内部に運び込まれているはずです.

今後はJAXAによってISSからの放出日程が決定され,ひろがりは宇宙空間へと出ていくこととなります.

 

 

 

ひろがりの広報担当をしているので,ここからは少し広報周りの裏話をします.

ひろがりの打ち上げに際して,打ち上げの瞬間にもメディアを呼びたいと思っていたのですが,現在大阪府は緊急事態宣言の最中...深夜という時間帯にに学生が集まってメディアを呼ぶ中継イベントの実施は大学に認めてもらえませんでした.

打ち上げは衛星が最も注目してもらえるタイミングと言っても過言ではないので,広報担当としてはコロナが恨めしくて仕方がありませんでした.

打ち上げの時はどうしようもなかったですが,なんとか報道してもらえる機会を作れないかと広報課の方と調整し,夕方の時間帯に実施されるキャプチャのタイミングではコロナ対策を十分に行った上でのメディア公開イベントの実施を行うことができました!(広報課の皆様,ありがとうございました!)

キャプチャおよびドッキングの際には毎日放送のテレビカメラも入り,ニュースで放送されました!

 

キャプチャ中継時の様子

 

オンエアされたニュース映像

 

 

ISSからの放出の時は緊急事態宣言も解除されて,もう少し落ち着いた状態で迎えられるといいなと思います!