こんにちは

B3の猿渡です。

 

今日はGSEの運用フローについて紹介しようと思います。

前回までの記事はこちら

 GSE開発の記録①

 GSE開発の記録②

 

GSEの運用フローを最初に考えたのは2021年8月でした。

3月に燃焼試験の見学に行った際に見た手順や,そのときにいただいた手順書を見ながら運用フローを考えていく予定でした。手順を確定することで必要な仕様が見えてくるかもしれないと思ったからです。しかし,そううまくは行きませんでした。この時点では一つ一つの手順の意図すらもわからないものがありました。いただいた手順書のGSEと私たちが作ろうとしているGSEの型が異なっていたこともあるかもしれません。この頃は

「仕様が決まらない⇔運用フローが決まらない」

を行ったり来たりしている感覚でした。今振り返ってみればGSEの仕様を仮に決めてしまい,そこから運用フローを作って問題点を洗い出すなど,方法はあったかとも思います。結局,よくわからないモヤモヤした感じのまま運用フローを考えるのを中断してしまいました。

 

再び運用フローの作成に取り掛かったのはつい最近の2022年2月のことです。

仕様がほぼ決まっていたため,運用フローを考えることができました。8月にぼやっと眺めていた運用フローも,改めて見ると手順の意味が理解できるようになっていました。以下が運用フローを大まかに説明したものです。

 

運用フロー概要

 

1.組立て・設置

電磁弁や空圧弁が固定されているGSE本体部分とガスボンベ,ステムと呼ばれるロケットに挿入する部分をフレキシブルホースでつなぎます。GSE内には高圧の流体が流れ,反動を受けるためそれぞれの部分を地面にしっかりと固定します。

2.動作確認

回路がつながっているかテスターで確認します。

3.ガスなしでリハーサル

ガスを流さずにシーケンスの手順通りに進め,電磁弁の動作に異常がないか確認します。

4.ガスありでリハーサル

実際にガスを流して手順を確認し,点火の前まで実施します。ここでガス漏れがないかも確認します。

5.打ち上げシーケンス

手順通りに全て行い点火し,ロケットを打ち上げます。

 

他にも異常があった場合の手順や,緊急で安全を確保する手順,不点火時の手順などがあります。(点火具の接触具合によって点火が失敗することもあります)

打ち上げ実験では,高度の関係で空港にも許可を取って実施するため「ウィンドウ」と呼ばれる打ち上げ可能な時間が設定されています。これが10分間しかないため,手早く打ち上げられるように運用の練習も積んでいく必要があります。

GSEが完成していないためまだ運用練習はできていませんが,しっかりと準備をしていきたいと思います。

 

今日はここまでにしたいと思います。

それではまた!

 

猫しっぽ猫からだ猫からだ猫からだ猫あたま

 

 

こんにちは

B3の猿渡です。

 

今日はGSE開発の序盤(2021年4月~8月くらい)について書きます。

前回の記事はこちら>GSE開発の記録①

 

昨日の記事でも述べたようにGSE開発については知らないことだらけでした。そのため既製品を購入し,手っ取り早くハイブリッドロケットを開発しようという案もありました。素人が作るGSEよりも信頼性があると考えたからです。しかし,GSEを販売しているアメリカの会社のホームページを見るとすでに生産は中止されており,流通しているものも非常に高価でした。これはもう自分たちで一から作るしかありません。

 

(ちょっと余談ですが,モデルロケットのエンジンもハイブリッドロケットのエンジンも日本では作られておらず,すべてアメリカからの輸入に頼っています。元から値段が高い上に,昨今ではコロナも重なって,品薄だったり輸入に時間がかかったりしています。最近打ち上げができていない要因のひとつです。日本でもどこかの会社がエンジンを作って販売してくれると嬉しいのですが…)

 

開発に話を戻しましょう。

以前,他団体のGSEの設計資料を見せてもらっていたため,これをなぞりながら仕様を決めていこうということになりました。部品を書き出して価格や入手できるかを調べていきました。ここで初めて管の規格に触れました。管の規格の多くは直径がインチで表されていて,接合部は普通よく見かける平行ねじと先に行くほど細くなっていくテーパねじの2種類があります。慣れない中,異なる単位系や規格が混在しているため,接続できる部品を探すことに時間がかかりました。

 

仕様を決めていく段階で1つ大きな方針を決めなければなりませんでした。それは前回の記事でも紹介した弁の種類です。電磁弁と空圧弁の2種類があるのでした。電磁弁のメリットは比較的安く,種類が豊富にあることです。また,電装を工夫するだけで動かせるため部品点数も少なくなります。空圧弁を選んだ場合は,弁を駆動させるために窒素ラインを追加する必要があり構造が複雑になります。

このような理由から電磁弁を使おうとしていたのですが,悩ましい情報が入りました。亜酸化窒素を流した際に電磁弁が動かなくなる例があるというのです。亜酸化窒素は工業用ボンベに入っている状態は14.7 MPaで液体になっていて低温です。弁が開閉される際の圧力差も相まって亜酸化窒素が固化することがあるようです。電磁弁が固化によりコントロールを失うと困ったことになります。例えば,亜酸化窒素を大気に排出するための弁が開かないとなるとガスが閉じ込められ,最悪の場合管の破裂を招いてしまうことが考えられます。

 

このような理由から,安全を優先して空圧弁方式でGSEを作ることに決めました。よってGSEは,酸素,亜酸化窒素,窒素の3ラインで構成されることとなりました。固化の心配がある亜酸化窒素ラインだけ空圧弁を用い,酸素・窒素ラインには電磁弁を用います。下の図がGSEの概略図です。図の上側がボンベに,下側がロケットにつながります。(これは2021年夏頃作成したもので現在は少し変更されています)

 

GSEの概略図

 

今日はここまでです。それではまた次回!

 

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こんにちは!

B3の猿渡です。

 

昨年から1年間のロケットの活動を振り返ってブログを書こうと思います。今年度は主にモデルロケット開発とハイブリッドロケット開発を行いました。この記事ではハイブリッドロケット開発について書いていきます。

 

ハイブリッドロケットとはなんぞや?というところですが,私たちが作るロケットは一言でいうと「固体の燃料と液体の酸化剤を用いて飛ばす燃焼型のロケット」です。この推進方法の詳しい説明は別の人がしてくれるため,今回は割愛します。

 

2021年1月に始まったハイブリッドロケットプロジェクト“COLOURS”では,まだロケット本体は製作していません。この1年間はロケットを打ち上げるための地上支援設備(Ground Support Equipment, GSE)の開発を行っていました。GSEの役割は,ハイブリッドロケットに亜酸化窒素(N2O)と酸素(O2)を注入することです。この装置を開発しなければハイブリッドロケットを打ち上げることができません。したがって,ロケット本体の製作の前にGSE開発が始まったというわけです。

 

まずはGSEについて説明していきましょう。GSEは先ほども述べたように2種類の流体を供給する装置です。真鍮やステンレスの管で工業用のガスボンベからロケットのタンクまでをつなぎます。

亜酸化窒素は液体,酸素は気体で,それぞれ5 MPa,0.6 MPaくらいの圧力で注入します。普段,私たちが生活しているところの大気が1気圧,約0.1 MPaですから,圧力の大きさがイメージできるかもしれません。高圧の流体を扱うため,事故が起こるとはんだごてでやけどをするのとは訳が違い,大怪我をする危険性があります。事故が起きないようにしっかりと設計する必要があります。

GSEでは,流体を流す・止めるを弁を用いて制御する必要があるのですが,その方法には大きく分けて2つのタイプがあります。電磁弁を使うタイプと空圧弁を使うタイプです。電磁弁とは,電磁石のような原理で電圧を印加することで弁を動かす装置です。空圧弁とは,制御対象の流体とは別の気体を用いて弁を開閉する装置です。弁についての詳細はまた今度書こうと思います。

 

1年前,GSEについて詳しく知る者はSSSRC内にはいませんでした。ハイブリッドロケットを打ち上げよう!となったものの右も左もわからない状態でした。そこでまずは情報集めです。関西圏にもハイブリッドロケットを製作している学生団体が存在するため,連絡を取ったり見学に行ったりしました。2021年2月には他大学の燃焼試験を見学させていただきました。エンジンが点火されたときの想像以上の轟音に驚いたのと,かっこいいなと思ったのを今でもよく覚えています。同年3月には,ハイブリッドロケットエンジンを手配している会社の方にお話を聞きに行き,開発体制についてアドバイスをいただきました。このようにしてようやくハイブリッドロケットの開発が始まりました。

 

話は始まったばかりですが,長くなってきたため今日はここで終わります。

それでは!

 

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