「税務大学」ってご存じですか?

国税局・税務署の国家公務員(税務職員)の研修施設です。
「大学」と名前がついていますが、学士などの学位が得られる課程は実施していません。

最終学歴が高卒(高校卒業見込みと高卒3年以内)で、税務職員採用試験に合格すると、約1年間各地の税務大学校(全寮制)に入校し、原則として採用地域の税務署などに配属されます。

公務員ですので、税務大学校での研修中でも給料がもらえます。

その後のキャリアです。

高卒採用でも試験選抜で「本科」の研修を受けると、大卒程度(国税専門官)と同等の処遇となり、それ以降の昇進に差異はなくなります。

一部研修は税理士法に定める指定研修とされており、条件をクリアすると、税理士試験の科目の受験(会計学に属する科目)が免除となります。
税理士を目指す場合はアドバンテージとなります。

税務大学では、まず日商簿記3級取得が求められます。
税務大学の履修は、商業高校での学習範囲と重なりますし、簿記検定も商業高校でどんどん推進されますので、高卒での税務大学校入校は商業高校が有利です。

ということで、コスパ最強の進路選択は以下のとおりです。

 

 

商業高校 入学


→簿記3級以上取得


→税務職員試験 合格


→税務大学校入校(お給料をもらいながら勉強できる)


→地域の税務署勤務(公務員)


→試験をうけてエリートコースも目指せる


→要件を満たせば科目免除で税理士試験を受験できる

 

 

親としては、高校の費用まで払えば以降の負担なし。
子どもが真面目にやってくれさえすれば公務員として独り立ち(安泰)
子どもがやる気ならエリートコースも目指せるし、税理士だって目指せる。

大学受験&大学費用という超お金のかかるイベントを経験しなくても、エリートコースを目指せるなんて、親としてはめちゃお得、コスパ最強の進路ですよね。



人事院 国家公務員試験採用情報NAVI 「税務職員採用試験」
https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/sennmonnsyoku_kousotsu/zeimusyokuinn/zeimu.html


私がこの進路選択を知ったのは社会人になって数年後のことでした。
この進路をたどった同級生と駅でばったり会ったらエリートになっていてびっくりしたのと、
ちょうどその時他の人から「税務大学」の話を聞いて、合点がいきました。


そういえば三者面談の時、そのエリート同級生のお宅は必ず父親がきていました。
そしてそのお父様は公務員でした(税務職員ではありませんが)
さすが公務員のお父様は「情報」を得ていたのですね。

 



余分な話ですが、

「iDeCo」 の認知率は約6割ですが、公務員の認知率は約8割です。
iDeCoの金融商品保有率も約3割と、他の職業に比べて高くなっています。
公務員は収入が安定しているのでiDeCo加入に躊躇ないのは分かりますが、加入はしていなくても「知っている(認知率)」の高さは着目すべき事項ともいえます。


(一社)投資信託協会「投資信託に関するアンケート調査報告書 2022年」
https://www.toushin.or.jp/statistics/report/research2_2022/


「制度を知る」ことが公務員の職業でもありますし、「制度」についてリーチしやすい環境にあることは間違いありません。
「制度を知る」ことは「情報を得る」ことと同義です。
そして「情報を得る」ことは、「可処分所得を増やす」ことにつながります。

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