兼子ただしの、やわらかBody=メリハリBody
今回は、正月にタイへ行きムエタイの練習に行った時のことを書きたいと思います。
以前からタイで練習してみたいと思っていてのですが、なかなか時間が取れずいけずにいました。
キックボクシングの試合の際に以前の僕はいわいる「キックボクシングスタイル」でローキックやパンチを主体に練習してきましたが、数年前からスタイルが変わり「ムエタイスタイル」に変わりました。
その中でも「首相撲」という相手の首に手で組み、膝や肘などの攻撃を行うスタイルがお気に入りです。タイに行きたかった第一の理由としては、その「首相撲」のメッカが「タイ」なのです。タイの選手は自分より体重が10㌔以上重い選手を首相撲の練習の際、軽々投げ飛ばす・・・というより吹っ飛ばします。僕の友人はタイで13歳ぐらいの子供に吹っ飛ばされたと言ってました(汗)「首相撲」見た目地味でわかりにくい・・・というひとがいますが本場ではそんなことなく、強い選手は足を引っ掛けずに相手身体を投げ、倒れ際に膝蹴りを打つような派手な展開が多いのです。ちょっと常識では考えられない技を少しでも盗もうと思い、タイの練習に向かいました。
前にも書きましたが、タイはなんせ暑い・・・!!気温も湿度も高い。そんな中僕が言ったムエタイジムは室内と言うよりは、外にちょっとガレージのような屋根がついている感じの、ほとんど外。暑い。そこに、日本でも有名なムエタイ選手「サームゴー選手」が登場で、思わず記念写真。良い記念です・・・それはいいとして練習です。最初はいつもどうり、アップ程度にシャドーやサンドバックを適当に行い、その後ミット打ちの練習。その後いよいよ首相撲の練習。さあ相手は誰なのかとタイ人に聞くと、今まで教えてくれていたコーチでした。「大丈夫か??」と思いました。遠慮せずにやろうと思い全力でいきました。前半はそこそこ良く、相手を投げることまでは出来ませんですが、投げられることもなくの展開。し
かし、時間がたつにつれ「タイ人」の恐ろしさを体験します。
タイ人の腕は僕の首ではなく、胴へ。このパターンは経験済みなのでその腕をさす動きをしようとした瞬間、次元の違う力で胴を締め付けられ、窒息しそうになりました。胴ですよ胴!締められているのは。一瞬落ちそうになりました。これを試合でやられたら、キックボクシングなのに「タップ」します。このコーチは確かに強そうですが、体格は僕と同じぐらい。どうやったのかと聞くと「グーってやる」だって・・・・・(エッー?0?)彼たちは教えるのは苦手なようです。その後、彼らの動きをよく観察すると、答えが出ました。彼らは「関節を支点」にしていないのです。相手の首を引くときも肘を支点に引っ張っているのではなく、相手に近づきながら引いているのです。「関節の真中を支点」にしているのです。
文章で書くとわかりづらいですね。うーん・・・腕相撲のときに肘を固定しないで前に進ませながら引いたような状態。ちょっとはわかったでしょう。タイ人はこの首相撲の練習を30~40分します。だからテーマは「力まない」ことだそうです。なんで?って聞くと「疲れるから」だそうです。力まないで疲れずに強い力を出す為に彼らは無意識に
「関節単体運動」ではなく、「関節連携運動」をしているんです。
前にも書きましたが、過度なウェイトトレーニングは運動能力を低下させます。ウェイトトレは「関節単体運動」なので関節局部だけに頼ってしまう傾向を促してしまうし、怪我もしやすくなり無駄に筋肉が大きくなります。ボディビルダーのような見せる筋肉以外は無駄です。タイ人は無駄に筋肉がついてなく、しかし次元の違う力を発揮するのは、「連携運動」をスムーズに行っているからです。そのすごさを身体で体験できたのは、今回のタイ練習の収穫です。連携運動をもっと習得できれば、この奥の深い「首相撲」の深さに少しでも触れることが出来そうです。日々生活でも「連携運動」が出来るようになれば、力みも取れ、スタミナがつき、無駄な筋肉がつかず、慢性の痛みも減り、いいことばかりです。
他のスポーツ選手なども必ず参考になると思います。
SSSに来た人にもこの奥の深い世界を、自分の体験をもとにわかりやすく教えていきたい思います。そしてまた、機会あったらまたタイへ行き、あのコーチを窒息させたいと思います。
兼子