バットマンスピンオフ「ジョーカー」を見てきました。

四代目ジョーカーはホアキンフェニックス、ほれぼれするような狂気を具現化した見事な演技です。唐突に笑い出すのが怖すぎる。ダンスもさり気にうまいし(特にTVショーでカーテンの向こうから現れるところなんて素晴らしいステップです)
タガが外れて殺人者になっていくのもわかりやすい。
人を笑わせる商売、突き進むとこうなってしまうのでしょうか。まさに表裏一体、怖いです。
しかし大金持ちトーマスウエィンが「殺人者はピエロのメイクをしていたそうだが素顔は出せない臆病者だ」と言い放つのがすごい。殺人者を刺激するようなコンプライアンス的に完全にアウトな発言、どっちが悪役なのかわかったものではありません。
経済的不平等の専門家、ピケティによれば
「富める者が富めば、その富はしたたり落ちる雫のように貧しい者にも及ぶ」とする新自由主義者の主張は否定される。富める者が富んで、富の増分の一部が貧しい者に落ちるとしても、その効果は限定的で、富める者と貧しい者の格差は拡大するののである。
というのがまさにこの映画で描かれているゴッサムシティという場所。アーサーのカウンセリングも予算カットで終わってしまいます。薬で押さえていた狂気が解き放された原因ですね。
富の再分配をしないととんでもないことになるぞ、、、というピケティ礼賛映画!というのは深読みしすぎでしょうか。低予算(といっても数十億)で作られたこの映画、ハリウッドは民主党支持者が多くて、その民主党の来年度大統領候補で有力なのが自称社会主義者達ばかりですから。トーマスウェイン役者もなんとなくトランプ大統領に顔つきを寄せているのも意図的なのかな。ついそんなことを考えてしまいました。ハリウッドこそ富を独り占めしているのになぁ。



