時節柄でしょうか。NetflixのおすすめにContagionがいきなり現れておりなにげなく見始めたのですがそのまま最後まで見入ってしまいました。

 

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淡々と致死性ウイルス感染の拡大を描いています。感染で死亡する人たちの描き方があまりにも淡々としています。冒頭咳をしていたグウィネスパルトローが映画が始まってからわずか9分後に全身けいれんを起こして死んでしまいます。さらにあろうことか13分半で検死で頭をチェーンであけられてしまうなんて。正直息もつかせぬ展開です。オスカー女優が短時間でこんなことになってしまうなんて。だからこそ見る側はあっというまにただならぬ雰囲気に引き込まれてしまうのでしょう。

 

クールで有能、最前線で指揮を執っていたCDCのドクターであるケイトウィンスレットまでが物語半ばであっさりと感染、死亡。ビニール袋に入れられて埋葬されてしまいます。オスカー女優が次々と画面から死亡して消えていく映画なんて前代未聞です。まさかマリオンコディヤールまで!?オスカー女優全滅!!??と思ったのですが、、、、。でも彼女も誘拐されたりして災難でした。

 

街の封鎖の様子なんて武漢の現在そのまま、大都市が無政府状態になったり妄想狂のユーチューバー的な男が400万人以上の視聴者の支持をうけて影響力を持ち特効薬についてのデマを陰謀論を背景にして広めてしまうところもリアルです。コウモリから感染拡大なんて新型ウイルスと同じだったりしたらスティーブン・ソダーバーグさん、預言者かよ、アンタは!!

 

さらに音楽も実に淡々としており未知の病原体による恐怖をうまく盛り上げていました。

 

最後に、愛する人に連絡が取れたら、やっぱり「シカゴから出ろ」っていうよね。

岩井俊一の最新監督作品です。すごい作品です。

 

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なにがすごいかって不朽の名作 Love Letterへのリンクがどストレートすぎて。

 

①手紙のやり取りで物語が進んでいく

②自分が思っているのと違う人に手紙が届く。今回はダブルで(妹と娘!)

 

という本筋はともかく

 

③大自然の中で登場人物が現れるオープニング

④最初は死者へのセレモニーシーン(Love Letterは三回忌、今回はお葬式)

⑤さらに葬式参列者、しかも親族の中に前回と同じ役者が!(鈴木慶一)

⑥実家はお屋敷、といっても派手なものではなくドイツ風家庭庭園的な趣味がいい家

⑦主人公は図書館勤務

⑧中山美穂と豊川悦司が登場!(しかも意外な配役)

⑨学校が舞台の回想シーン、しかもまたまた図書館が重要な役割。

⑩ヒロインの一人二役(中山美穂→広瀬すず+森七奈

⑪逆の二人一役(中山美穂と酒井美紀→松たか子と森七奈)

⑪主人公が自分が通っていた学校まで出かけて写真を撮影している!

 

挙げて行ったらきりがない。もしかして見落としているところがあるのかも。もう一度見に行かなくては。

 

カメラワークもLove Letterと同じ。新しい作品なのですがLove Letterの世界に戻ったかのような不思議な気分でした。

 

Love Letterに感動した自分ががいまになってほっこりと、でもニヤリとさせられる、そんな映画です。

 

主役ではなかったですが森七菜、いい役者ですね。母親と子供を同時に演じるという一人二役の難しい役ですがさりげないしゃべり方やしぐさが母親役の松たか子と全く同じ、ということに役者としてのポテンシャルが高いなぁ、と思いました。

恩田睦の長編小説「蜜蜂と遠雷」が映画化されました。

 

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上下巻のあの大作をよくぞ2時間にまとめたまぁというのが第一の感想です。そのためにはいろいろ設定を変えなければならなかったのはしょうがないのでしょう。でも風間塵衝撃の登場もバッサリカットでしたし、栄伝亜夜とマサルとの親密な音楽的会話もほとんどなし、二次予選は「春と修羅」のみ、三次予選なしでいきなりファイナルという具合でした。高島明石は松坂桃李が演じているためかあまりし省略されていなかった、と考えるのは穿った味方でしょうか?「寄生獣」「ちはやふる」や「三月のライオン」みたいに上下に分けるのもどうかとは思いますがちょっと省略しすぎではないかと思ってしまいます。正直なところ原作を読んでなければ亜夜の苦悩も今一つわからなかったと思うし、ホフマン先生のじ「いたずら」の意味も??だったのではないでしょうか。

 

でもプロコフィエフピアノ協奏曲第三番(原作ではマサルが演奏する)のシーンは素晴らしかった。同じ曲、実は39年前に「コンペティション」で演奏されていましたが、その時は吹き替えなのにエイミーアービングの指の動きがすごすぎて本当に弾いている様にしか見えなくてアメリカの俳優の演技レベルの高さ凄さに高校生ながら衝撃を受けました。

 

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でも今回は亜夜が呪縛から解き放たれる様子を松岡芙美が文字通り鬼気迫る演技で、しかも指の動きもロングで撮影しているのに実際に演奏しているような素晴らしさでした。このシーンだけでも映画に金を払う価値ありです!

 

でももうちょっとカットなし(カットされたという前提ですが)の長尺で見たかった、というのが正直な感想です。デレクタ―ズカットとかあとで出ないかな、、、、