島の町内会がソーラー発電事業 売電で会費ゼロ目標 | 宇宙太陽光発電

宇宙太陽光発電

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 高齢化した町内会の運営費を自力で賄おうと、長崎県五島市の黒蔵町内会が太陽光発電事業に乗り出す。積立金から約1200万円を投じて発電施設を設置、九州電力と20年の売電契約を結んだ。売電で得た利益で将来的には1世帯年5千円の町内会費の無償化を目指す。県の担当者は「町内会が発電事業に取り組むのは九州では初めてではないか」と話している。

 計画によると来年1月、148枚の太陽光パネルを、ゲートボール場だった市の遊休地(約2700平方メートル)に設置し、2012年度内に稼働させる。最大出力は約35キロワットで、年約4万6千キロワットを約160万円で九州電力に売る。土地代や地元の老人会に年10万円で委託するパネル掃除などの維持管理費を差し引くと、年約90万円の利益が出る見込み。

 今年夏、再生可能エネルギー特別措置法に基づく電気の固定価格買い取り制度が始まったことを受け、町内会の役員が発案。理解を示した太陽光パネル設置会社の多摩川九州(福岡市)が積立金で対応できる施設の建設を請け負った。

 黒蔵地区は五島市中心部から車で15分ほど離れた農村。約30年前の住民は300人ほどだったが、現在は48世帯120人。60代以上が7割を占める。年金暮らしの人も多く「町内会費の負担が重い」と訴える人が増えているという。

 九州では買い取り制度開始以降、九電川内原発1基分にほぼ相当する約80万キロワット分の再生可能エネルギーの参入が国から認められた。山田利昭町内会長(55)は「売電で得た町内会費で運動会などのイベントや草刈りの費用に使いたい。高齢化を食い止めるきっかけになれば」と話している。
(この記事は経済総合(qBiz 西日本新聞経済電子版)から引用させて頂きました)