ハンディキャップから見えるもの -4ページ目

ハンディキャップから見えるもの

齢51歳、独身。

重度の腎不全により人工透析を開始せざるをえなくなった。

闘病の備忘録。

入院4日目。


 昨日腰のマッサージを受けてから意識をしてしまっているせいだろうか、腰が重く痛い感じる。


本日は、透析はお休み。

でもって、今日から病院飯の写メを撮り送るよう、姉からの指示があった。

透析をしている人間が、どういう食事が出来るのかを知っておきたいとの事。

姉は何かと心配性なので、写メを送ることで安心してくれるなら、多少のやり甲斐もある。


朝食を食べ、横になっていると声が掛かり、カーテン越しからリハビリ担当者さんが、顔を出して来た。

勝手に午後からだと思っていた為、心の準備が無いままにリハビリ開始。

古くからの故障箇所である、左側ケツのマッサージ。

病室を出てフロアの壁に手を付き、股関節のストレッチ

フロアの廊下を片道分歩行(有酸素運動)

のメニューを実施。


理学療法士さんと、作業療法士さん1人づつが担当してくださり、透析の日は午前が透析なので午後に2コマで

透析ない日は、午前午後に1コマづつ。土日祝日は休みのスケジュールになると教えてくれた。


昼の検診の際、1度だけと言っていたのに、検便の再検査との事で、またポータブルトイレに便をしなくてはならないのかと思うと、心休まらない。


身体はタオルで拭いてはいたが、シャワーを浴びるのは久々で、数ヶ月無法状態だった髭もやっと刈ることができた。


午後になり、リハビリの1コマ開始。

腰のマッサージ

下半身のストレッチ

バランス感覚の検査(椅子から立ったり座ったり、4メートルの歩く速度、足の位置を変えてのバランスをとる検査)

病室からリハビリ室間の往復歩行(有酸素運動)


何とか本日のミッションはクリア。

なかなかゆっくり出来そうで、慌ただしい日だった。







入院3日目。


ベット横に設置されたポータブル便器の存在に多大なるプレッシャーを感じ、全く熟睡が出来ずやや身体がダル目である。

朝の検診で看護師さんに聞いたところ、入院患者の透析は朝イチで3~4時間で行われるらしい。

朝食と大便検査の為の便、そして透析と、本日はミッションが多い。


現在朝6:30。後1時間30分で朝食となる。


朝食終わったら、すぐに透析センターに移動になるので、検査用の便は朝食前には済ませたい。


しかし、ベット横のポータブルトイレに便をするので、臭いの充満が気になる。便が回収される前に朝食が来てしまったら……臭い中での朝食は何としてでも避けたい。


そうなと、便検診用の便を朝食前に回収して貰わなくてはならない為、結構タイトなタイムスケジュールとなる。


無駄な時間が無いため、迅速に行動を起こす!!!


ポータブルトイレに便をして、速攻でナースコールをし用件を伝えたが、朝の検診とバッティングし看護師さんが総出の為、ポータブル便器に大便放置状態。

看護師さんの回収は間に合わず、臭い充満の中朝食が到着。

透析センターへの移動時間も迫っている。

ギリギリまで看護師さんの回収を待っていたが、諦めて大便臭う中で朝食を食べ定刻に透析センターへ移動となった。


看護師さんの職務の優先順位から来るタイムロスを考慮出来なかった事が、仇となる結果となりました。


見事なまでのフラグ回収にしょんぼり。


人生2度目の透析は、3リットルの除水を3時間で行った。


透析では太目の針を2本射すのだが、手首に近い箇所に針を射す時、前回より痛く感じ(苦手意識が強い)、ついつい力んでしまう。


透析中は、不定期でジェットコースターに乗ってるみたいに、フワッと意識を持ってかれそうになる事が何回かあった。


透析中に主治医より

「リハビリしますか?」と聞かれたので、

体力の低下や身体の不具合箇所が多くあった為、先々を考えてお願いする事にした。


透析終わりは、ダルさというよりは疲れに似た症状が出て不安になったが、病室で軽く横になり休んだら体調は回復したので、取り敢えずホッとした。


昼食を食べ、体調もダルさは抜けていたので、ゆっくり散歩に出掛けてみたが、病室のフロアを巡るだけで息が上がってしまい、早々に病室に戻る。

入院のパンフレットに載っていた2階の売店や、3階のコインランドリーの場所とルートを確認したがったのだが断念。


散歩から数時間経ちウトウトしていたら、リハビリ担当の方が来て下さり、今後のリハビリに向けての問診を受け、明日からスタートすることになる。

担当者さんが帰り、1時間位したらまた別のリハビリ師さんが来たので、もう担当者さんから問診受けたことを伝えると、2人のリハビリ師さんが担当になるとの事で、1日2コマを1人ずつリハビリを行っていくのだと、説明を頂き、

腰のマッサージ

股関節のストレッチ

歩行の姿勢チェック

のメニューを実施。


マッサージとストレッチしてもらって、立ち上がる際、する前より軽く立つことができた。

体力の向上と、不具合箇所の緩和を目標に積み重ねていけたら良いなぁと思う。

入院2日目

初めて人工透析をして、体調的にはちょっと落ち着く。


本日は透析はなし。

様子見、経過観察である。

食事の方も、人工透析を避けるためにやってきた食事制限[塩分6g、たんぱく質40g]よりは、緩和されていて美味しく食べられるし、

水分も量の制限されていないっぽい。


相当前から全身の痒みには悩まされていたのだが、此処最近は力の加減をしている余裕もなく、痒いより痛いの方が我慢出来るため、強く引っ掻いてしまうので、全身に引っ掻き傷を作ってしまい、血だらけになる。


昨晩も寝てる時に瘡蓋になっていた箇所をまた引っ掻いてしまい、ベットの所々に血が付いてしまった。


そんな状態を看護師さんに相談してみると、痒み止めの軟膏(レスタミンコーワクリーム)を担当医にを処方してもらえ、これで引っ掻傷で瘡蓋だらけの身体を和らげる事が出来そうである。


義兄と姉、甥が入院セットや一週間分の着替えを持ってきてくれた。

温かい身体を拭く用のタオルが支給され、1人で身体を拭いて、全身きがえるとやはり息切れは起こりやすい。


病院飯で、頻繁にフルーツが出るのだが、フルーツを普段食べてない俺には、とても満足度が高い。

柿、梨、マンゴーと俺にとって、フルーツは嗜好品だから、なかなかてが伸びない。


そして消灯時間も過ぎ、日付も変わった頃に、三日目の朝に検便用の大便と採取するからと、看護師さんによりポータブルの大便器がベッドの横に設置。


存在感ありありで鎮座。


………こういうの、苦手なんだよなぁ。

入院1日目 


朝一で、役所へ転居届けを出しに行き、国保への加入も済ませ、予約している病院へ。 


 病院着いていきなりアクシデント。


マイナカードを読み取り機に翳しても、照合できる筈の国保が紐付けされてない。 


病院側に事情を説明し、役所の方にも連絡を取り、マイナカードへの反映にはタイムラグがあると言うことを知った。

しかも2週間も…。

マイナカードには反映されていなかったが、役所の方で国保の証明書は頂いていたので、

全額負担にはならずに対応してもらえた。


マイナカードがあれば問題ないと勝手に思っていただけに、良い経験にはなった。


透析になると、障害者手帳を作る手続きもしなければならない。


手帳の出来上がりに90日程掛かり、発行されるまでは、障害者扱いにならないので、先手先手で調べて準備をしていたのだが、

病院の受付をしてみると、手続きに足りない資料が発覚。

また、マイナカードに国保の紐付けがまだなので、入院にあたって高額医療の証明書が必要となり、役所へとんぼ返りしなければならなくなり、俺1人で来ていたら、本当にアウトだったと思う。


同席してくれた姉に全部対応を任せてしまった為(頭はずっとボーッとしてるし、数歩歩けば息切れするしで、なにも出来ない状態だったので)本当に姉には感謝しかない。


内科の病棟へ移動し担当医の受診をする。


担当医の最初の一言。
『頂いた紹介状の数値の時点で、入院ですよ普通。
まだ検査してないですけど、即入院で考えて下さい。
よく心臓が止まらなかったとしか言えないです。
透析も今日から始めると思って下さい。』
だった。

事務的に人工透析の導入への同意書が手渡され、即決を求められる。


覚悟はしていたが、矢継ぎ早に詰め寄られると恐怖の方が先行してしまい、ついサインを渋ってしまうのだが、医者側も緊急性なのか多少ピリついていたので、もう、年貢の納め時なんだと、同意書にサインをして、入院の為の一通りの検査を始める。


コロナ検査
血液検査
胸部レントゲン
Ctスキャン
心電図

検査も一段落し、待合室で待機となったところで、姉が役所へ必要な資料を受け取りに席を外す。


1人待合室で待っていると、看護師さんが近寄ってきて
「病室行くけど…あれ?お姉さんは?」
受付の方でのトラブルの説明をし、今外している事を伝え、一旦姉が戻ってくるのを待って貰う。


だが、治療側も進行しているわけで…。


俺1人の為に、病院全体の流れを乱すことも出来る訳もなく、看護師のピリッとした言葉の雰囲気から、これ以上待って貰うのは難しそうだったので、看護師さんの指示に従う。


「病室と言ってましたが、透析をスタートさせなくてはならないので、直接透析室に行きます。」

との事。


腎臓が悪いと言われてから2年半、拒否し続けてきた人工透析が、とうとう始まってしまうのか。


これから一生付き合った行かなくてはならなく、拘束されることも多くなる。そう考えただけで、気持ちはゲンナリであるが看護師さんに道を促され、後を着いていく。


併設してる透析センターへ行き、体重を量る。
2カ月前の体重から、10キロ重かった。

ベッドに案内され、左腕のシャントの具合を入念に確認され太い針を2本指す。

看護師さんの

「太い針を刺すので、とても痛いと思いますが、頑張って」

と言う言葉に身構えてしまう。


確かに従来の検査等で刺される注射よりは痛みが強かったが、思っていた程ではなかったので、少し身体の力が抜けた。


時間にして3時間、血液の濾過と、水分は2.6リットルの水分の排出。

少し動くだけでも、息切れしていたのが、

徐々に落ち着いて、思考にモヤ掛かっていたのも、やはりこちらも晴れてスッキリしてくる。


終わってみて、看護師さんが言う倦怠感や体調不良には、今回はならなかったようだ。

各日で一生掛けて治療をしていかなければならない内の、一回が良かっただけ油断は許されない。


ウジウジなんてしていられない。今までの生活は捨てなくちゃなぁ。


この状態からの自立を考えないと…。



体調が和らいでいるせいか、久しぶりに食事が美味しく感じる事ができた。