最近少し楽しみになっている話題があります。
某自治体が補助金を出している団体が不正会計を行っているのではないか、自治体はまるでそのチェックを行っていないのではないか…というものです。
この話題に関して、「職員にあっちサイドの奴がいるんじゃないか」と疑っている方もおられるようです。
その可能性も勿論あるでしょうが、こういうときにいつも気になるのが「不正なのか単なる能力不足(無能)なのか」ということです。
私の職場の感覚で言うと、福祉関連の補助金の担当とかいかにもヤバそうと思ってしまいます。
少し前に個人に4630万円振り込んじゃったって事故もありましたね。普通の人からすると何でそんなことが起きるんだって信じられないだろうと思いますが、現場での感覚があると、「そういうことやりそうだよね」ってなります。このケースに関しては、担当が新規採用だったようなので気の毒と言うか、完全に組織と上司の責任だとは思いますが…。
私の職場には、7時間45分+α何をやっているんだろうって思わさせられるくらい何の仕事も進捗してない人、障がいをもった方の雇用が義務化された結果入ったけど全然仕事を用意されてなくて暇な人、
あるいは私の所属にもいらっしゃる、定年を迎えた後にいわゆる再任用としてやってきて、喋るか煙草吸いに行くかペチャクチャと飲み食いするしかやってないけど私より給料もらっている人…とかがいたりします。
厳しい言い方をすると、公務所というのはある種福祉施設みたいなところがあるのです。
話を戻しますと、私は先にお話しした話題に関する職員について、単に能力が至っていないだけだからだと思うということです。
「今までこうやってきたから」「注文すると相手方からガヤガヤ言われてめんどいから」
こういった思いがあると思います。気持ちは大いに分かります。正しく仕事しようとするとめんどいし、積弊を清算する仕事はもっともっとめんどくて大変なのです。
だからそうやらない…少なくとも私の職場はそういう人の方が多いわけです。
怠惰とも表現できますが、私は能力と捉えています。
さて、話題に関して昨日会計検査院が動くとかいう話があり、やっぱその話なしでっていう話があったりしました。
会計検査院と言えば一つ語りたい話があります。
令和3年度終盤から4年度初めごろにかけて、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(以下コロリン)についての会計検査が全国的に行われ、私もその対応に追われました。
コロリンとは令和2年度に創設された国庫補助金であり、「コロナ対策として有効でかつ地方創生に資する事業費ならOK」とかいう訳の分からぬものでした。
そして会計検査とは、国庫補助金出した事業ちゃんとやったんかーって調査官と言われる人が実際にやってきて(やってこないバージョンもあります)書類等をチェックするという地方団体の一大イベントです。
コロリンは何かやたら色々なメニューを用意していて、パンフレットみたいなものもあったから、恐らく最初は単に地方創生のための補助金スキームを用意していたが、コロナちゃんがやってきて急遽趣旨を合体させたのではないかと邪推しております。
その異形な補助金の趣旨があまりにも意味不明なため、各団体からどういう事業なら大丈夫なのかという質問が殺到し、膨大な数のQAが県ごとの団体と内閣府との間に形成されていきました。
地方団体にとっては、クッソ曖昧な交付要綱と、半分くらいが「有効で対外的に説明可能ならOK」という金太郎飴回答のQAを頼りに…しかも何回かに分けての交付が予告され、いくら貰えるのかも分からない状態で、色んなことを地方団体の創意工夫でやっていけみたいな丸投げを食らった状態で事業選定を行っていくしかないような状況でした。
そんな激動の年を終えて待っていたのが会計検査です。
先に申し上げた訳の分からない状況から分かるとおり、コロリンはぶっちゃけて言うとだいぶいい加減に使われたので、検査が入ること自体はやむを得ないものと思いますが、その内容が中々に刺激的でした。
たまたま厳しめな調査官に当たったっぽいこともありますが、あれもおかしいこれもおかしいと悉く言われることになったのです。
はっきり言ってあんな混乱していた状況で厳正な執行なんてできるわけねーだろバカと内心思いつつへぇすいませんみたいな感じで対応していたものの、時には明らかにおかしい指摘もありました。
先に言及しました内閣府とのQAに沿って実施した事業について、不適切だから返金になる可能性があると言われたのです。
流石にそれはおかしいと思い、「QAにOKと書いていますけど」と反論すると、「そのQAは内閣府の担当2人がやっているものだからあてにならない」というような耳を疑うような発言まで飛び出してきました。
最初から国はやべーやつと思ってた私も流石に愕然としました。QAくらいしか頼るものがなかったのに、そんなのは根拠にならないと言われてしまったのです(勿論、法的にそうなるというのはそうですが)。
何ていうんでしょうね。分かるんですよね、いい加減に使われたコロリンを返金させたいというのは。しかし、そこまで言う必要あるの?ってなりましたね。内閣府の不手際までこちらの責任なの?と。ほならね、適正な事業選定・事務処理・執行なるものを自分がやってみろって話でしょ。私はそう言いたいですけどね。
そんな会計検査でした。
数か月前にこのコロリン会計検査の報告書みたいなのがネットにアップされました。
その中身を見てみると「QAOK案件」は返金の対象とはなっておりませんでした。
通常会計検査があるとその後数か月くらい経てば地方団体にも講評が来るのですが、いまだに来ていません。
一体あの猛攻はなんだったのでしょうか。
しかも返金対象は商品券と利子補給に関するものだけ?イカのモニュメントとか車とか一体どうなったんだろう。
もしかして、たまたま返金対象に引っかからなかったら勝ち逃げできるゴミ検査なの?
何なんだ、本当に…。
さてと。
ここまで地方団体をいびっているのだから、民間団体への監査もちゃんとやってほしいですね。
期待できないですが。