一歩その扉をくぐった瞬間、異国の小さな酒場に迷い込んだかのような感覚が広がる。まるで時が止まったかのように静まり返った店内には、どこか懐かしい香りが漂っている。しかしここは喫茶店。
メニュー表を見れば、コーヒーはもちろんミルクティーやサンドウィッチなど喫茶店によくあるメニューが並んでいる。店内に配置されている木製のテーブルと椅子は、使い込まれた質感があり、むしろこの店の雰囲気を作り出している。過去、この店を訪れた無数の客たちが過ごした時間を支えてきたのだろう、店内に入った瞬間、魅了された。
上部を見てみると、昔ながらのランプが柔らかく店内を照らしている。灯りは優しく、明るすぎない程よい明かりで、私たちに安らぎを与える。そして壁の棚には、びっしりとビール瓶やお酒の瓶が立ち並んでいて、世界中のお酒が集結しているかのように思えるほどたくさん飾られている。
特に印象的だったのは「Ayinger」と書かれた旗である。バイエルンの酒場をイメージした喫茶店なのだろう。その上には大きな酒樽らしきものが置かれていて、酒場で、コーヒーを飲みながら本を読むという、ちょっと不思議な体験をした。棚に飾られているさまざまな瓶やラベル、ヨーロッパのおそらくドイツの人形と現地の風景写真がお店を訪れた客を飽きさせない。
店内には多くの客はおらず、bgmも流れていない。まばらにいる他の客の話し声や不定期に鳴る扉の開閉音と食器の音だけ。
時が止まったような空間で、読書や何か作業をするにはもってこいの場所である。また訪れたい。
はじめ




