今回は自分と母親との関わりを明らかにするワークです。
あなたが自分の子供と向き合う時には、あなたとあなたの母親との関係が少なからず影響を及ぼしています。ここでご紹介するワークは、自分が母親から受けた影響を明らかにし、親子双方の「自立」を体験することで、「自分はどうあるべきか」の答えを見つけていくものです。
(1) 「受け入れがたい母親」を受け入れる
このワークは2人1組で「母親」「子供」の役割になり、4つのパターンを実践します。 まず、自分が「子供」役になり、目の前の「母親」役を見つめながら、自分の母親の欠点や、母親から傷つけられた記憶など、受け入れがたいと感じるものを思い出します。
次に、母親との良い思い出や、母親の好きなところ、尊敬できるところなどに思いをめぐらせてみましょう。
その状態で、相手の身体の一部に触れながら、「受け入れます」と声に出して宣言します。
(2)「受け入れがたい子供」を受け入れる
今度は立場を入れ替え、自分が「母親」役になって「子供」役を見つめながら、子供の受け入れがたい部分について思い起こします。
自分の子供が依存症の当事者になっている場合は特に、マイナスの感情とともに辛い記憶が呼び起こされることと思います。そこで、いったんそうした感情を置いておいて、自分の子供との素晴らしい思い出や、子供の良いところに意識を向けてみましょう。
そして、(1)と同様に相手の身体の一部に触れながら、「受け入れます」と宣言します。
(3)「離れがたい母親」に背を向ける
もう一度役割を入れ替えて「子供」役になり、今度は「母親」役と近い距離で向かい合い、母親の良いところや忘れられない思い出など、「離れがたい母親」の記憶を思い出します。
そして、少し時間をかけて「離れがたい母親」から自立する決心をします。 決心がととのったら、「母親」役に背を向けて離れていきます。
(4)「離れがたい子供」に背を向ける
役割を入れ替えて、今度は「母親」の立場から「離れがたい子供」の記憶を呼び起こします。愛すべき子供の性質や、子供との良き思い出のいくつかに触れてみてください。 そして、その後巣立っていくであろう子供をイメージし、自立する決心がととのったら、「子供」役に背を向けて離れていきます。
(1)~(4)のワークを体験してみて、あなたは何を感じるでしょうか?
(1)と(2)は、母親から受け取ったもの、受け取れなかったものを明らかにしつつ、自分の母親の全存在を丸ごと受け入れることです。また、母親役になった時の、子供との関わりも同様に、自分の子供の全存在を丸ごと受け入れることです。
(3)と(4)は、母親、子供の双方の立場で自立を決心する体験をしますが、これは別れを意味するものではありません。離れていっても深い絆でつながっている関係性を想起、自覚することで、お互いが「与える」立場(=支援者)になれるのです。
母親が思う子供、子供が思う母親、それはつながり合う命。先ずは母との関係を問い直すことでさまざまな発見や気づきが得られ、「これからの自分はこうありたい」というビジョンが明らかになってくるのです。
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取材編集:佐藤勝
監修:臨床心理士、セルフ・サポート研究所代表:加藤力
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