TBSラジオで「祥一朗・栄子のミュージックシグナル」を週1回のレギュラーでやっていた時、ひょっこりやってきた男が、脚本を担当する者です、と言った。この番組は私が自分の思ったままの話を勝手にしゃべっていたもので、脚本など無かった。ところが番組の企画の上では名目上の脚本家の名前が別々にあったことを初めて知った。
その男によると、日曜日の落語家の大喜利の台本も自分が書いているという。あの番組での出演者の即座の反応は、台本が無ければあれほどうまく話せまいと思っていたから、それはわかる。
その出演者の中にいい年齢で独身をウリにしている春風亭昇太という落語家がいる。その昇太に弟子入りを志願したのが春風亭昇吉という東大卒の男で、『東大生に最も向かいない職業』(祥伝社)という本を書いている。
この本を見ると、当人も飲めるクチだが、師匠の昇太はたいそうな大酒飲みである。師匠に同行して地方へ出掛けた際など、二次会、三次会......と延々と飲み続けて朝になっても元気ハツラツの師匠に舌を巻く昇吉の話が出てくる。
落語の世界の裏話を知るには手頃な本だと思う。

前著『酒つながり』(社会評論社)の58ページに燗酒の話にからめて酒を酌み交わす話が出てくる。その時のことを訊かれることが多いので、以下にその際の様子を書いた本の1ページを次に掲載する。NHK出版である。
