何年たっても変わらない味がある | 山本祥一朗の酒情報

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毎週土曜日になると、朝日新聞にサザエさんの昔の漫画が載り、それにまつわる現在の世相との違いなどが面白い切り口で語られる。

カットにあるのは、長谷川町子美術館に収められている家族だが、家族構成も各々の年齢も当時とちっとも変っていない。
今でもフジテレビで「サザエさん」の放送が続けられているが、一昨年、この放送45周年を記念した時で、放送6,763話目にして平均視聴率23.1%というから驚くべき数字といえる。

ところでそんな昔にはどんな酒がよく飲まれていたか――。時代とともに味の傾向も変わると思われがちだが、長年の間、一つの銘柄にこだわって飲み続けている人も少なくない。
それは「時代を超えた旨味」にとりつかれた人がそれなりにいるからではないか。

生前の長谷川町子氏は、オリジナルドラマをすすめられても「同じメンバーの同じ似た話でいいんですよ。名人芸の人の話は同じ事を何回聴いてもいいものではないですか」と言ったという。