旅と酒の話だから気軽なもの | 山本祥一朗の酒情報

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『どくとるマンボウ航海記』がベストセラーになっていちやく有名になった北杜夫氏だが、その本を書くことを勧めたのは、当時、中央公論社にいた宮脇俊三さんだった。

そんなことから二人の付き合いが始まり、その後、宮脇さんの家の隣りに北氏が引っ越してきて、夜な夜な二人で酒を酌み交わした話を、北氏が『マンボウ夢のまた夢』に書くなどしている。

その後、宮脇さんが中央公論社を辞めて、専ら旅また旅の旅行作家に転身されて、幅広く活躍されたことも広く知られている。

下にあるカットは「新潮45」に掲載された私と宮脇さんの対談で、この話は拙著『酒つながり』(社会評論社)の中に話の概要を収めてあるが、この時はお茶の水ホテルで行われた。こういう対談はおおかたがその場で出演料をくれることが多い。宮脇さんが私に「いくらでした?」と訊くので、「○○ですね」といったら、「わたしも同じです」という。酒杯を傾けながらの話

だから、気軽なものだ。その後、二人で一軒まわって帰った。