酒グルメ時代の幕開けのムック | 山本祥一朗の酒情報

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別掲のタイトルは時事通信社のムック『吟醸・純米・古酒情報事典』に私が執筆したタイトルである。この別頁では小泉武夫農大教授(当時)が教え子との座談会を開いている。

ここで私は「世をあげてのグルメブームの時代であり、酒もまた酒グルメといってもいい」との持論を展開している。日本吟醸酒協会が発足した話は別頁で書いたが、純米酒の会の純粋日本酒協会のスタートは、その2年後の昭和58年だった。この時は16社の加盟である。

酒と料理の相性研究で特に注目された熟成酒こと古酒は、ことのほか多くの料理に合うこともあり、熟成酒研究会も発足した。

私はこの文章の最後にこう結んでいる。
「進んだ文明の尺度は、その国ならではの酒類の豊かさと、その内容の深さにあるというのが私の持論である。昨今の吟醸、純米、古酒にみるこれらの酒の奥行きとバラエティは、わが国が世界に誇るべき文化財の一端といっても過言ではない」と。