デビュー年から「天才」と言われ、やがて「名手」へ。
先日、JRA通算4500勝を達成し、現役でいながら「レジェンド」と呼ばれるようになった武豊騎手。
今回の紹介は、武豊一人を取り上げた文庫本2冊。
「武豊の瞬間」
著者:島田明宏
発行元:(株)集英社
発行日:1999年9月25日
武豊騎手がデビューから13年目の時の本で、この時ですでに1600勝を超えている。
スーパークリーク、イナリワン、シャダイカグラ、ベガ、オグリキャップ、メジロマックイーンなどの名馬、名勝負を交えつつ、天才騎手のここまでを振り返っている。
近寄りがたいようで親しみやすい。
寡黙なようで多弁。
神経が細かいようでずぼら。
もの凄い記憶力を持ちながら、身の回りのものをしょっちゅう失くす。
騎手・武豊、人間・武豊の魅力が詰まった一冊だ。
「誰も書かなかった武豊 決断」
著者:島田明宏
発行元:(株)徳間書店
発行日:2017年10月15日
先述の本から18年後に発刊された、発行元は違えど同じ著者による武豊本。
タイトルに「誰も書かなかった」とあるが、思わず「ご自身で書いてますよ」と突っ込みたくなる。
ただ、18年の間に武豊騎手にもいろいろあった。
社台との不仲説、落馬事故による騎手生命の危機、凱旋門賞での悔しい敗戦。
騎乗馬ではウオッカ、ディープインパクト、キズナ、キタサンブラックなど。
「具体的な目標をあえて持たないようにしている」と言うが、近年は「第100回 日本ダービーに騎手として出たい」と公言している。
その時、武豊騎手は64歳になっている。
自分も競馬を始めた頃から、「第100回 日本ダービーの現地観戦」を目標にしている。
その時は武豊を買うんだろうなと、読み終えて思った。