転校してきてすぐ、運動会の練習が始まりました。
運動が苦手な息子。
周りのお友達も学校の事も何もわからない状態で、いきなり苦手な運動会の練習をしなければならないので精神的にかなりきつかったと思います。
心配をよそに運動会は順調に進み、組体操も立派に出来ていてそれを見たら自然と涙が流れました。
お友達づきあいも順調で、入学してすぐに仲の良いお友達が出来て遊んだりもしていました。
私達はあの男がいない生活が本当にとても幸せで、三人でこのまま順調に暮らしていければ良いなと思っていました。
そんな矢先。運動会が終わりほっとした頃、息子の身体に異変が起こり始めました。
始まりは保健室からの電話。
「息子さん熱がありますので迎えに来てください」
それから度々熱を出して早退する事が多くなりました。
私は運動会が終わってほっとして疲れがどっと出たのかな?と思っていました。
でも、息子の心は私が想像する事も出来ない程に悲鳴をあげていました。
あの男のDVで全てを捨てて避難して、学校も家も何もかもわからない場所で心の準備などない状態での始動。
運動会が終わってほっとした所で突然症状が現れました。
きっと張りつめていた糸が切れたのだと思います。
息子は起立性調節障害という病気になってしまいました。
(※詳しくは別記事の起立性調節障害をお読みください)
その後症状が重度な為入院したり、退院後も杖をつかなければ歩けなかったりとにかく体調が悪すぎて学校に行けず、5年生の間はほとんどまともに学校には行けない状態でした。
どうして息子がこんな目にあわなかればならないのか・・・
私ならともかく息子がこれ以上苦しい思いをするのが本当に辛くて辛くて仕方ありませんでした。
そんなどん底の状態から6年生になった今では、なんとか毎日学校に通えるようになりました。
早いもので息子ももうすぐ卒業です。
DVからの引っ越し・病気。
次々とやってくる問題に悩んだり悲しんだり苦しんだりしましたが、その中でも息子はくさらず、笑顔を無くさず過ごしてくれました。その笑顔が私にとって何よりの喜びでした。
息子と娘には沢山苦労をかけてしまったけれど、それでも様々な事を経験してその中で大切な事をいくつも再確認できました。
ただ何事もなく過ごしていたら感じる事はなかったであろう小さな喜び。
そんな小さな喜びにこそ本当の幸せがあるんだという事。
そして、病気になって大変だった経験のおかげで、何気ない日々の中で忘れてしまっている健康体でいられる事の喜びを実際に感じる事が出来て、息子本人、そしてそんな息子に色んな思いで寄り添っていた私と娘にとっては本当に良い経験だったんだと今心から思えます。