家を飛び出して避難生活を始めてから16日目。


検察庁からの呼び出しがありました。


警察に拘束されたあの男の言い分を聞いた後、警察での事情聴取の内容文を見ながら私と話をして事実関係を確認。

そして、あの男を起訴するかどうかを問われます。


私は検察庁に行くのがとても嫌でした。


なぜなら、私と話をする前に、検察官があの男と会って話をしているからです。

あの男と先に話をしてしまうと、絶対に皆騙されてしまいます。


あの男は、外見はとても優しそうな上に外面が最高に良く、家庭での俺様はみじんも出さず腰を低くして話をするので、誰でも絶対に騙されるような男です。


誰が見てもあの男はただの誠実な人間。


沢山の人を見てきた検察官が、それに騙されずきちんと対等に私達の事を見てくれれば良いな・・・と思いながら検察庁に向いました。


ですが、そんな私の期待は、一瞬で砕かれました。



担当の検察官の部屋に通され、その検察官が言った言葉。


「まぁ、旦那さんはとてもまじめで誠実な人なんだよね。それがまぁ色んな事があってあんな事をしちゃったわけで・・・。本人も反省しているしやり直したいと言っているから戻ってさしあげたらどうですか?」


私は、あぁやっぱりな・・・。と思いました。

ものの見事にすっかり騙されている。


しかもこの検察官は、モラハラ・DV人間の思考や行動を全く理解していない。

理解している人なら、DVで家を出た人間に戻れなんて絶対に言いません。

精神的DVは毎日、肉体的DVだって今回が初めてではない。

それなのに、あの男と話をしただけで、この旦那さんは誠実な人だと鵜呑みにしている。

こんな検察官は辞めた方が良いと心から思いました。



その検察官はものの見事にあの男に騙されていて、そんな事をしたのも私が悪いと言わんばかりの雰囲気で話をしてきます。


私はもうその場にいるのが苦痛すぎて、口も開きたくなくなりました。

被害届を出した私ではなく、今までの事も何もわかろうともせずに向こうに肩を持つ検察官。

あの男は口が上手いので、私の事も無い事まで話を大きくして話をしたのでしょう。

本当に意味がわからなすぎて悔し涙がこみ上げてきました。


最後に、起訴しますか?と聞かれました。


私は起訴はしないで下さいと言いました。


本当は起訴してやりたかった。

でも、あの男は何でも人のせいにして逆恨みする性格。

そんな事をしたら私への恨みも倍増し、余計に危ない人間になって私の実家も危険です。


なので仕方なく起訴はしない事にしました。


DVした側がなぜか被害者ぶってのうのうと過ごし、DVされた側は身を隠し毎日ビクビクしながら言いたい事も言えず、やる事も制限されて不自由な生活。



どうしても理不尽さを感じずにはいられません。