つわりモンスターとの戦いが続く中、心拍確認という感動のイベントを乗り越えた姫クマ子。
そして次なるクエストは——
「母子手帳を手に入れよ!」
これは、妊娠した者だけが受け取ることを許される、伝説のアイテム。母子健康を守るための記録が詰まった、いわば育児クエストの冒険者手帳である。
通常、勇者サメ氏と共に挑むクエストが多いが、今回は勇者が仕事のため、姫クマ子は単独で市役所へと向かうことになった。
🔹 姫クマ子、役所へ突撃!
つわりモンスターの奇襲に怯えつつも、母子手帳を手に入れるべく市役所へと足を運ぶ姫。
「……どこで申請するのかしら?」
案内板を見つつ、総合受付で尋ねる。
すると、窓口の職員さんがにこやかに答えた。
「母子手帳の申請ですね?では、こちらの用紙に記入をお願いします!」
言われるがままに、必要事項を記入する姫。
「よし……これで申請完了!あとは受け取るだけ!」
そう思っていた、その時——
🔹 突然の『お母様』呼びに姫、混乱!
書類を確認した職員さんが、優しく微笑みながら言った。
「では、お母様、こちらへどうぞ!」
——お母様!?
姫クマ子、硬直。
(……誰のこと?えっ?お母様って私のこと!?)
今まで「姫」として生きてきた彼女。
しかし今日、公式に「お母様」として認定されてしまった。
(ちょっと待って、私はまだ精神的には『お母様』の心構えが整ってない…!)
しかし、そんな戸惑いを見せる間もなく、職員さんは続ける。
「こちらが母子手帳と、今後の健診のご案内になります。お母様、体調に気をつけてお過ごしくださいね!」
「あっ、はいっ!」
完全に反射的に返事をする姫。
(……言っちゃった!!)
なんとも言えない気持ちを抱えながら、ついに姫クマ子は伝説のアイテム——母子手帳を手に入れた。
🔹 勇者サメ氏、母子手帳を拝む
家に帰り、早速勇者サメ氏に母子手帳を見せる姫。
「見て!ついに手に入れたわ!」
「おおっ……!これが伝説の母子手帳……!」
勇者は感動した様子で手帳を手に取る。
「これから、この手帳に赤ちゃんの成長が刻まれていくんだな……!」
「でもね、私、今日役所で『お母様』って呼ばれて、反射的に返事しちゃったの……」
「……ついに姫も『お母様』になったのか……!」
「ちょっと実感が追いつかないけどね……」
二人で母子手帳を眺めながら、改めて新しい命の存在を実感する勇者と姫。
こうしてまた一歩、「育児クエスト」は進んでいくのであった。
次回、「初めての妊婦検診!姫の単独クエスト再び」へ続く——!
