『お母さん!』
「ちょっと待ってー!」
『お母さん!!』
「これやったらそっち行く!」
『お母さん、しえを産んでくれてありがと。』
• • •涙
「…しえ、お母さんの子になってくれて、本当にありがとう」
バタバタしてたんだけど、
一瞬時間が止まりました。
しえの言葉、表情。
お母さん忘れない。
しえが可愛いと、
どうしようもなく愛しいと、
そう思える幸せがあれば当然、
時間や運命の恐怖が襲いかかる。
永遠じゃないと掠めるだけで、
いっぱい抱きしめて繋ぎ合わせたり。
一秒でも早く会いたくて、
一秒でも多く笑い合ってたくて、
一秒でも長く寝顔を見てたくて、
一秒でも長く、
この小さな温もりを感じていたくて。
またひとつ季節が変わり、
汗だくの思い出が何だか遠い記憶のよう。
浴衣が大好きなしえ。
来年もお母さんと花火をたくさん見ようね。
こんな日常が、いつかしえの中で薄れてなくなっても、
一緒に見たい相手がお母さんじゃなくなる日が来ても、
寄り添って見た花火は、お母さんの中で輝き続けていくのでしょう。
愛しいほど怖くなる。
ひとりじゃないと思えるほど、
寂しくなる。
しえの成長に、言葉ほど喜びが追いつかない。
こんな夜もある。