「ガレキ」「ゲンパツ」「ホウシャセイブッシツ」
五才の子供がはっきりと発音し、それらの存在が一体どのようなものなのか認識をしつつあります。
今、多くの人が津波の残した被害に苦しんでいることも、
テレビを見たり私と会話をしたりしながら、娘なりに理解をしているようです。
「あの津波の恐ろしい映像は、
近くで本当に起きた事だよ、
次は、ここで起こるんだよ。」
自分達もそのうち直面する事を
伝えました。
何度も何度も、
何度見ても恐怖で震えました。
娘は、映像が流れる度に私に寄り添いました。
娘は、私の背中におぶさる格好をし、両手が届く限界のところで私の服をつかみ、言いました。
「津波が来たら、お母さんを守ってあげるからね。しえががれきに当たって、当たって、お母さんを助ける!」
しえの小さな体から私の背中に伝わる体温は
とても温かく、優しく、全身を包みました。
テレビの中の出来事でなく、
本当に起こると認識した上で発せられた娘の言葉に、感動で上手く言葉を返せませんでした。
こういう会話をする時に娘は、危機感からか、「もし」という言葉を使いません。
今起きている事の重大さを感じ取っている気がします。
私から見たらまだ赤ちゃんみたいに甘えんぼで愛くるしい娘ですが、
とぼけた外面とはまるで別の、
頼もしい一面を見ます。
当然だけどお母さんは、死んでもおまえを守ると念力を送りました。