私は電車にもバスにも乗らないので、歯医者さんでの出来事ですが。
歯医者は、混んでるもんです。
私は目を光らせます。
座れないお年寄りを探します。
歳はとられていても足腰がしっかりしておられる方に席を譲れば、変な顔をされます。
もしかしたら歳もそんなにとられてないのかもしれません。
関係ありません。
たまに、席を譲る事を譲り合う
ダチョウ倶楽部的な展開になります。
そして今日もまた、ケータイをいじりながら目を光らせます。
気を使わせない様に、何気なく席を立つのがミソです。
出入口に姿勢良く立ちます。
白髪ベリーショートのベリーキュートなおばあちゃんが入ってきました。
そして私の目を見て言います。
「こんにちは。お世話になりますね。」
「こ、こんにちは、こちらこそお世話になります。」
私を誰と勘違いしたのかわからないけれど、頭の中がはてなマークでいっぱいだけれど、お世話になりますと言われたら、お世話をしなければなりません。
おばあちゃんが座れる場所を、
お願いしてあけてもらいました。
よし。
また姿勢良く立ちます。
ここへ来る車中、水をこぼして完全におもらしのシミをつくり
ながらも、
何食わぬ顔で姿勢良く立ちます。
治療を終えて、おもらしのシミを堂々とさらしながら、
駐車場へ向かえば、ぎゅうぎゅうの車たち。
ぬう。
これをバックですり抜けるのは危険かも。
と思った瞬間、
水色のつなぎのおっさんが、
オーライオーライを始めてくれていたのです。
「ありがとうございます!」
そう言うと おっさんは、
「おねえちゃん色々お疲れ様ね!」
と、笑顔をくれたのでした。
おしっこのシミは冷たいけど、
なんだか心はあったかい。
小さな小さなおせっかいも、
最後には、あったかさになって自分に戻ってきた。
気がした。
…のはず。
いやいやいや、おっさんがめっちゃ高そうな車に乗り込んだのは、
見てないことにしよう。