しえ、熱が出て小児科へ。
受付を済ませ、しえを抱っこして座ろうとしたら拒否され軽く傷つきました。
名前を呼ばれ、傷も癒えぬまま診察室へ入り、
「おねがいします。」
と、いつものように椅子に腰掛け、しえを膝の上に乗せると、
「どうしてお母さんが座るの~?」
って、先生に笑われてしまいました。
こう・・無防備な後ろからぶん殴られた感じ。
ドリフみたくすっごい上の方からタライが落ちてくる感じ。
そっかもう、赤ちゃんじゃないんだ。
先月五歳になったっていうのに、
診察の時はいつも私の膝の上だったから、しえを一人で椅子に座らせるなんて、
恥ずかしながらミクロも考えませんでした。
私が横に立ち、しえが一人で受け応えする。
ああ・・もう自然とできるものなんだ。
背筋の伸びたしえを見てたら、
病院嫌いで泣き止まなかった、赤ちゃんのしえ、よちよち歩きのしえ、大変だった通院を思い出して、
涙が出てしまいました。
赤ちゃんは、予防接種、急な熱、引きつけ、けいれん、ケガ、特に心配事が多く、通院も多い。
毎回、内蔵をえぐられるような気持ちで、いつもよりきつく子供を抱きしめて病院へ向かうのです。
原因がわからず、泣きながら病院を何箇所もまわったり、
意識なくなって夜中救急車を呼んだり、
口を大きく切って服を真っ赤に染めながら当番院にかけこんだり、
普通の風邪だと思ったらそのまま入院したり、
とにかく走馬灯のように、いっろんなしえが駆け巡りました。
しえはいつも、泣いてた。
私は心臓を壊れるくらいドキドキさせながら、だいじょうぶだよって笑ってた。
しえはいつもいつも、私の腕の中にいた。
ついこの前まで、もしもしは膝の上だった。
私の服は、病院を出るときには、しえの涙と鼻水でびっちょびちょだった。
しえが、たかだか一人で診察しただけで、この大騒ぎです私。
あ、先生笑ってる。
違うんです先生、私、しえがインフルエンザだったから泣いてるんじゃないです。
何というか、ちょっとした時間の旅に出てただけなんです。
でもまさか話聞かないで時空を超えてたなんて言えないわ。
「ありがとうございました!」
しっかり挨拶するしえと、涙の母親。
インフルエンザでつらいしえに手を引かれるとか、救いようのない阿呆なのでした。