紙の月を観てきた。
以前NHKでドラマ化されていた作品の映画化だ。
ドラマのヒロインは原田知世さんで良かったドラマだ。
映画では宮沢りえさん。
先日東京映画祭だかで賞を受賞していましたので
期待して鑑賞した。
ストーリー的にはこんな感じ。
子供なしで、旦那と二人暮らし。銀行契約社員として働く平凡な主婦が主人公だ
旦那の妻への関心は薄く、乾いた生活を続けている。
ある日、銀行の顧客の孫である大学生の若き男と知り合った。
女性は、この若き男に惹かれ、自身をセレブとしての虚像に作り上げていく。
顧客から預かった金を横領。
行内で書類偽造など帳尻をあわせる。
そして一度ならず、二度三度と若き男との偽りの幸福の為に豪遊を重ね、
犯罪に手を染めてゆく。
果たして彼女の行きつく先は如何に?
感想だが、宮沢りえちゃんは、確かにいい演技だったと思う。
そしてそれ以上に素晴らしいのが、ベテラン行員で主人公の不正を見抜く同僚の小林聡美さんの
演技だ。冷静で、厳しく、やり手の感じの演技が素晴らしい。
また、ちゃらちゃらしてる若き行員の大島優子ちゃんも思っていたい以上にいい演技だった。
ただ原作とかドラマを見ていないならはいいが、
ドラマを見ていると、粗雑感がどうしても目につく。
旦那との擦れ違いの描写や若き男に出会いから不倫に陥るまでの
惹かれていく一連の過程がほぼカットされ、感情移入するには無理がある。
若き大学生も、全然格好良くないし、演技的に棒読みの感じで
こういう演技なのかもしれんが、どの作品を見ても鼻つまりで
もじもじ君の同じような棒読み演技で個人的にはひっかる。
使い込む大金に驚きながらも、欲望抑えられず犯行を止められない。
横領した金で作り上げた砂の城への幸福感や、むなしさ、そして
その代償となる発覚することへの恐怖心や緊迫感などの感情も
時間的制約の為に、あまり感じ取れない。
事件発覚後の当人や家族の描写などもカットで終了。
映画だから、限られた時間なので制約があるのは仕方ない。
されど、ドラマが今年初めに公開されたばかりで、それほど期間も経ってない中であえて
同内容で映画化ならば、そういう制約感を乗り越えた脚本にしないと
映画化としても意味はない気もする。
主人公に感情移入があまりできない作りになってしまっているのはとにかく残念。
よって個人的評価は☆3つ。
(評価)
☆☆☆☆☆
(基準)
☆☆☆☆☆ かなり面白い もう一度映画館に見に行きたい。
☆☆☆☆ なかなか面白い。
☆☆☆ まあまあ。しかし何かが足りない。
☆☆ がっかり。
☆ 話にならん 金返せ!!