DX、SDGs、Web3、メタバース、リスキリング……。 

テレビやネットを見ていると、毎年毎年、次から次へと新しい横文字(バズワード)が生まれては消えていきます。

 

「これからは〇〇の時代だ!」

「まだ〇〇を導入していない企業は生き残れない!」

メディアが特集を組み、専門家が解説し、企業は新しいサービスを売り出す。

しかし、現場で毎日お客様と向き合って実業をしている人間からすると、少し立ち止まって考えてみたいのです。

 

 

情報格差と不安がお金になる

もちろん、新しい技術や概念(AIやDXなど)そのものが無意味だと言いたいわけではありません。

実際に社会を変え、役に立つ技術はたくさんあります。

 

問題なのは、その「言葉の新しさ」や「分かりにくさ」を利用して、専門知識の差がある相手の不安を煽り、必要性や効果が十分に説明されていない商品やサービスを売り込む行為です。

 

専門的な言葉を知らないことは、決して恥ずかしいことではありません。

誰もが、あらゆる分野の専門家になれるわけではないからです。 

だからこそ、説明する側には、相手が判断できるだけの情報を提供することが求められます。

 

ところが、「なんだかよく分からないけど、乗り遅れたらヤバそうだ……」と焦らせる一方で、具体的な効果や費用、導入しない場合の影響を十分に説明しないケースが多々あります。

 

そのような状況では、顧客はサービスの価値を冷静に比較検討するよりも、「導入しなければ危ない」という焦りから、十分な説明や検討を経ないまま高額なコンサルティング契約やシステム導入へと誘導されるおそれがあります。

 

 

簡単な答えに飛びつく前に

経営や日々の仕事の悩みは、本来とても複雑で泥臭いものです。 人間関係、資金繰り、技術の向上。真正面から解決しようとすると、時間も労力も必要になります。

 

そこに、こんな説明が登場したらどうでしょうか。 

「今の時代は〇〇です!このシステムさえ導入すれば、あなたの悩みは一発で解決しますよ!」

 

日々の業務に追われていると、この「新しい魔法の言葉」がとても魅力的に感じてしまうかもしれません。

しかし、ここで立ち止まって考えたいのです。

 

そのシステムは、自分の問題を本当に解決できるのか。導入費用に見合う効果があるのか。

別の方法では解決できないのか。 

「導入しないリスク」ばかりが強調され、具体的な根拠が示されないまま即決を迫られるなら、それは高確率で専門知識の差を利用して焦りにつけ込もうとしているサインです。

 

現場の仕事は、流行語だけでは回らない

店舗を構え、目の前のお客様の悩みを解決し、対価をいただく。 

私たちのようなスモールビジネスの現場において、実態の伴わない魔法の横文字など必要ありません。

必要なのは、「今日来てくれた目の前の人に、どれだけ真剣に向き合えるか」という泥臭い本質だけです。

 

分からない言葉に圧倒されず、「中身を確かめる」目を持つ。 

それこそが、情報に振り回されず、しっかりと自分のビジネスと生活を守るための最大の防御になります。