さて、皆さま。
街のカイロプラクティックや整体院、あるいは一部の整骨院の窓口に、

「脂肪燃焼に」
「関節の痛みに」
「健康維持に」
「毎日の栄養補給に」

などと書かれたサプリメントのポスターが貼られているのを見たことはないでしょうか。

身体の痛みをなんとかしたくて通っている患者さんに対して、施術のついでに高額なサプリメントや健康食品を勧めてくる。

もちろん、サプリメントを販売すること自体が悪いわけではありません。

 

 

しかし、ここで一度立ち止まって考えてほしいのです。

「なぜ、この施術院でこのサプリを勧められているのだろう?」

今回は、治療院やサロンで行われるサプリメント販売について、少し厳しい話をします。

 

 

なぜ、施術者でもサプリメントを販売できるのか

「薬の専門家でもない人が、なぜサプリメントを勧めたり販売したりできるの?」

そう疑問に思ったことはありませんか。

理由はシンプルです。

一般的なサプリメントや健康食品は、医薬品ではなく食品として扱われるからです。

つまり、

「医薬品を販売するための薬剤師免許が必要」という商品ではありません。

そのため、施術所やサロンなどでも、健康食品を取り扱うこと自体はできます。

ここで勘違いしてはいけないのが、

「販売できる」ことと「その成分について専門的な知識がある」ことは、まったく別の話

だということです。

コンビニで食品を販売することができるからといって、店員さんが栄養学や薬理学の専門家とは限りません。

それと同じです。

 

 

「先生が勧める=自分に必要」ではありません

ここが非常に重要です。

施術院に行くと、

「これは身体にいいですよ」
「これを飲んでおいたほうがいいですよ」
「この成分は関節にいいんです」
「代謝を上げるために飲んだほうがいいですよ」

などと言われることがあります。

患者側からすると、

「先生が言うなら、きっと自分に必要なんだろう」

と思ってしまいます。

しかし、

施術をしてくれる人が、そのサプリメントの成分や作用について十分な専門知識を持っているとは限りません。

ここは冷静に考える必要があります。

身体の動きや筋肉、関節などを扱う知識と、

食品成分が体内でどのように吸収・代謝されるのか、
薬との併用で問題が起こらないのか、
その成分に本当に期待される効果があるのか、

という知識は同じではありません。

「身体に関係する仕事をしている」

というだけで、すべての健康食品について専門家になれるわけではないのです。

 

 

中身を知らないまま「物販」を始める人もいる

そして、もう一つ問題があります。

サプリメントは、施術そのものと違って、

「物販商品」になる

ということです。

メーカーから商品を紹介され、

「患者さんに勧めれば売上になりますよ」
「施術との相性もいいですよ」
「これを置いておけば物販売上が作れますよ」

などと営業をかけられる。

そして、その商品を導入する。

もちろん、きちんと成分を勉強して、本当に患者さんに必要なのかを考えたうえで扱っている施術者もいるでしょう。

しかし、残念ながら、

「患者さんのため」より「売れるから」という理由で商品を扱うケースが存在することも否定できません。

ここが怖いところです。

なぜなら、患者さんには、

「この商品を勧めることで、この院にどれくらい利益が入るのか」

が見えないからです。

「中間マージン」が発生する商品であることを忘れてはいけない

施術には施術料金があります。

そして、サプリメントには商品代金があります。

当然ですが、商品を販売すれば、販売する側に利益が発生する場合があります。

つまり、

あなたに商品を勧めることが、その施術院の売上になる可能性がある。

これは、非常に大事な視点です。

別に利益を得ること自体が悪いわけではありません。

商売なのですから、利益が出るのは当然です。

問題なのは、

「あなたの健康のために必要だから勧めているのか」

それとも、

「利益になるから勧めているのか」

という部分です。

患者側には、それを見抜く必要があります。

 

 

白衣を着ているだけで「専門家」に見えてしまう

そして、こうした販売で非常に強力なのが、

「白衣の権威性」

です。

白衣を着て、

「先生」

と呼ばれている人から、

「これは身体にいいですよ」

と言われたら、普通の人は信じやすくなります。

そりゃそうです。

こちらは身体の痛みを抱えて、わざわざ施術院まで来ているのです。

「この人は自分の身体を診てくれている専門家だ」

と思っています。

そこに、

「このサプリを飲んだほうがいいですよ」

と言われる。

すると、

「先生が言うなら、きっと自分には必要なんだろう」

となってしまう。

しかし、

白衣は、商品の効果を保証してくれる魔法の衣装ではありません。

ここは覚えておいてください。

「先生が勧めた」という理由だけで買わない

サプリメントを勧められたとき、

「先生が勧めてくれたから」

という理由だけで購入する必要はありません。

むしろ、一度立ち止まってください。

そして、

「なぜ私に必要なのですか?」

と聞いてみてください。

「どの成分が必要なんですか?」

「どんな根拠がありますか?」

「今飲んでいる薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?」

「どのくらいの期間飲むんですか?」

「飲まなかったら何か問題がありますか?」

こうした質問に対して、きちんと説明できるでしょうか。

もし、

「とにかく身体にいいから」

「みんな飲んでますよ」

「これを飲めば代謝が上がります」

「飲めば痛みが楽になります」

など、ふわっとした説明しか返ってこないのであれば、

私は一度購入を保留にすることをおすすめします。

特に注意したいのが「治療効果」を匂わせる説明

さらに注意したいのが、

「これを飲めば痛みが治る」
「これで関節が改善する」
「これを飲めば痩せる」

といった、まるで医薬品のような説明です。

サプリメントは万能薬ではありません。

「食品だから安全」
「自然のものだから安心」
「薬じゃないから副作用はない」

という考え方も危険です。

健康食品であっても、成分によっては医薬品との関係を考えなければならない場合があります。

だからこそ、

「サプリだから大丈夫」ではなく、「何が入っているのか」を見る必要があります。

こんな勧め方をされたら、一度立ち止まってください

私なら、次のような場合は特に警戒します。

・「これを飲めば痛みが改善する」と言われる
・「飲むだけで脂肪が落ちる」と言われる
・自分に必要な理由を説明されない
・成分や含有量について詳しく説明されない
・やたらと高額
・「今買わないと損」と購入を急かされる
・定期購入を強く勧められる
・病院でもらっている薬について何も確認されない
・「先生が勧めているんだから大丈夫」と権威だけで納得させようとする

 

こういう場合は、

その場で財布を開く必要はありません。

商品名と成分を確認してください。

自分で調べてもいい。

医師や薬剤師に相談してもいい。

一度家に帰ってから考えてもいい。

本当に必要な商品なら、

その場で買わなかったからといって、突然あなたの健康が悪化するわけではありません。

「サプリを売っている=悪」ではない

ここは誤解してほしくありません。

私は、

「整体院や整骨院でサプリメントを販売することは全部悪い」

と言いたいわけではありません。

きちんと勉強して商品を選び、成分について説明し、必要性についても誠実に話している施術者もいるでしょう。

問題は、

「先生」という立場を利用して、患者に必要性を十分説明しないまま商品を売ること。

そして、

「身体の専門家」というイメージを、そのままサプリメントの専門性まであるかのように利用すること。

ここには注意が必要です。
 

最後に、患者さんに覚えておいてほしいこと

身体の痛みや不調を抱えているとき、人は弱っています。

「少しでも良くなりたい」

「早く治したい」

「先生が言うなら試してみよう」

そう思うのは当然です。

だからこそ、そこにつけ込むような販売があってはいけません。

そして私たち患者側も、

「先生が言ったから」ではなく、「自分に本当に必要なのか」

という視点を持つことが大切です。

サプリメントを否定する必要はありません。

良い商品もあるでしょう。

必要な人もいるでしょう。

でも、

白衣を着ていることと、その商品の効果を保証できることは別問題です。

身体を任せる相手だからこそ、

「これは本当に自分に必要なのか?」

と一度立ち止まって考えてください。

あなたの身体は、誰かの物販売上を作るためにあるものではありません。

最後に判断するのは、あなた自身です。