皆さん、こんにちは。 いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。

前回の記事では、大手企業が一時のコストカットのために町工場を切り捨て、結果的に二度と戻らないロストテクノロジーを生み出してしまった悲劇について書きました。

 

 

この「一時の損得で、将来性のある本物を切り捨てる」という短絡的な思考

 

 実は今、工場という「場所」だけでなく、「人(技術者)」に対してもまったく同じ、いや、さらに残酷な形で引き起こされています。

 

ニュースではよく「日本の優秀な技術者が、中国などの海外企業に奪われている」と報道されます。

あたかも海外企業が悪いかのように。

 

ですが、現場のリアルを見ている人間からすれば、ハッキリ言って適正な賃金と評価を与えず、技術者を安く使い倒してきた日本企業の自業自得です。

1. 職人を「コスト」としか見ない国

何十年もかけて技術を磨き、会社の屋台骨を支えてきた技術者たち。 

しかし、数字と効率しか見ない経営陣は、彼らを敬うどころか単なる「削るべき人件費(コスト)」としか見てきませんでした。

 

どれだけ凄い技術を持っていても、給料は上がらない。

理不尽な環境で飼い殺しにする。 

これでは、技術者が「自分の技術を正当に評価してくれる場所」へ流出するのは、火を見るより明らかです。

 

 

 

2. 「カスカス」になるまで吸い尽くされる技術者たち

正式な評価をしない日本企業の隙を、海外企業は的確に突きました。 

彼らは、日本の大手が評価しなかった技術者の頭の中にあるノウハウに莫大な価値を見出し、桁違いの報酬で引き抜きます。

 

しかし、これも決してハッピーエンドではありません。 

海外企業の目的は、人材を長く保護し育てることではなく、あくまで情報の抽出です。

 

技術とデータを完全に吸い上げられた後、彼らはどうなるか。 

用済みとして、文字通りカスカスになった空っぽの容器のように使い捨てられるのです。

 

日本企業は「安くこき使う」ことで技術者を追い出し、海外企業は「情報を吸い上げる」ためだけに彼らを利用して捨てる。

こういう事ですね。

 

 

 

3. 「育てる金」がなければ、後継者は生まれない

なぜこんなことが起きるのか。

それは、どの業界も「人を育てること」を放棄し、誰でもできるベルトコンベアー式の流れ作業に仕事をダウングレードさせているからです。

 

一から本物の技術を紡ぎ、後継者を育てるには、途方ない時間と資金(コスト)が必要です。 

しかし、現場に【適正な対価】が支払われず、ギリギリの価格競争でその日を生き延びるだけで精一杯にされれば、後釜を探して育てる経済的な体力など、残されているはずがありません。

 

その結果、最後の職人が現場を去った瞬間、その技術は二度と再現できないロストテクノロジーと化します。

いざ「やっぱりあの技術が必要だ」と世間が気づいた時には、教える人間も環境も、この世から完全に消滅しているのです。

 

 

 

4. 種モミまで食い尽くす「焼き畑農業」に未来はあるか

大企業や国がやっていることは、将来性など一切無視した商売の焼き畑農業です。

目先の利益を出すために、来年の春に蒔くべき「種モミ」までその場で食い尽くしてしまっている。

そんな短絡的な搾取を続けていて、その業界や国に未来があるわけがありません。

 

チェーン店に駆逐される個人店も、海外に吸い尽くされる技術者も、根っこは同じです。 本物の価値に正当な対価を払わず、一時の損得で食いつぶすという病魔。

 

失われた技術も人材も、後からどれだけお金を積んだところで、二度と戻ってはきません。 

私たちは今、その取り返しのつかない代償を払わされようとしています。

 

自民党が悪い。高市政権がどうのこうのだ。日本が悪い。政府が悪い。
そんな言葉を垂れ流して腐っているだけではどうにもならなくなってきているのです。