青木湖畔のプチペンションを出て、青木湖でボートを楽しむことにしていたが、営業時間前のため取りやめ、そのまま安曇野方面へ。
実は途中の池田町には、名店「安曇野翁」がある。高台から安曇野を一望しながらの食事は実に気持ちのいいものなのだが、時間との兼ね合いで(開店時間の問題)、ここは通過。
大王わさび農場を目指した。
農場の駐車場の前~
もう稲穂が出ており、遙か彼方には、迂回して走り抜けてきた北アルプスの峰が~
稲は夥しい陽光を身体全体に浴びて炭水同化作用を続け、良質の米を作りつつあるようだった。生命の勢いというか、一粒万倍の実をつける稲の“漲る生命力”を実感した次第。素晴らしい!
さて、農場にはこんな清流が流れている。
日差しが強いため、わさび田は全体が黒い布で覆われている。
こちらは農場を流れている湧水~ニジマスが気持ち良さげに泳いでいた。
大王わさび農場を散策していると
「道元」のタイトルのついた銅像が~
東京藝大教授を務めた近代の彫刻家
細川宗英氏の作だ。
永平寺をお参りしたばかりだったので、
不意の出逢いに何か示唆があるような気がした。
道元禅師の百巻にも及ぶ『正法眼蔵』を開いてみよ!
ということか?
曹洞宗では、只管打坐!
〜威儀を正してただ坐れ、という。
道元禅師自身が宋の如浄禅師の指導で坐禅していたとき、身心脱落の語を耳にして悟りを開いたそうだが、難解をもって名を馳せる『正法眼蔵』、紐解いたことがあるが、かなり厄介だ。
まあ、それは帰宅してから考えることとして〜
わさびアイスを味わった後〜
目指すは松本にある「そば処 浅田」さんだ。
開店が11時30分、その5分前に到着すると~
が~ん!
この時期、客が早くから圧倒するためか?
既に開店していて、席が全部埋まっていた。
炎天下、ペットを車に入れたまま待ってから入店するのは難しい。
こうなると松本市内の上質の蕎麦を提供する店を訪問するほかないのだが、
松本市内は交通が渋滞していたので取りやめ、帰路の途中にある山梨県北杜市の「長坂翁」に立ち寄ることに。
実は、小生が蕎麦の旨さを知ったのは長坂翁さんだった。
長坂翁は、創業者の高橋師が美味い蕎麦の提供を考慮して、東京から移転開業した店。ここで口にした蕎麦によって小生は、“本物の蕎麦”に開眼。それまで口にしていたのは「蕎麦」という別の食べ物だったと感激した当時のことを思い出す。
中央道「長坂ICを降りて6,7分、蝉の鳴き声に包まれた森の中にある翁に到着。時間は午後1時20分。
駐車場の車の数はそれほど多くなかったが、全部県外。東京のものが多かった。
さて、暖簾をくぐると~満席ながら、店内にしつらえられた4人掛けの椅子は空いており、そこで待つこと約5分でテーブル席へ。
メニューはこちら。かつては、ざるそばと田舎そばの2種類だったが、次第にその数が増え、あつもりそばやかけsばまで出すようになっている。
運転がなければお酒を頂くところだが・・・
娘が「青さのりつけ蕎麦」
小生と家人が「辛味大根おろしそば」
むむっ、麦の切りにじゃっかんの乱れ~
それはともかく、そのまま手繰る。
仄かな穀類香、コシは若干弱いが喉越しは結構だ。
数口味わった後は~辛味大根おろしを猪口に落とし、汁と一緒に蕎麦を手繰る~
ふうむ、適度な辛さがじわりと舌先を刺激する。
良く出汁の効いた汁と相まって美味いが、多数の客をこなすからか、質が気になった。
とはいえ、相変わらず人気があり、後から続々と客が来訪してきた。
さて、蕎麦を手繰り終え、そば湯を楽しみ~
蕎麦の注文時に頼んでおいた蕎麦アイスを
頂いた。
玄関を出たところにこんなオブジェが~
ミニチュアの石臼だ。
いやあ、ご馳走さま~
翁の直ぐ手前には「清春白樺美術館」があり、白樺派が愛したルオーや、東山魁夷、梅原龍三郎、岸田劉生、中川一政の作品や陶芸家、バーナードリーチの作品なども鑑賞できる。また車で5、6分のところにある七賢酒蔵、サントリー工場などの見学も楽しみにしていたが、遅くなると渋滞に巻き込まれるので、これらはまたに機会に譲り、2泊3日の旅行は思い出の蕎麦屋をもって終了、一路、帰宅の途へ。