日本国の最後の砦である、防衛省・自衛隊を支える日本の防衛産業の昨今を象徴する1冊。
今更いうまでも無く、自衛隊は軍隊ではない。
戦前の軍隊への反省から、日本国の自衛隊には、普通の国の軍隊では考えられない様々なタガがはめられている。
しかも、昨今の日本国の財政事情は借金体質予算。
にも関わらず、日本国の周辺地域は中国の軍事台頭もあり、益々、不安定性を増している。
いざ、有事となった時に、日本の防衛産業は、充分に機能するのか・・・。それを支える技術や人材を確保できるのか・・・。
しかしながら、防衛産業が元気な国や国際社会というのは、果たして望ましい社会なのかという命題が脳裏を過ぎる。
学べば学ぶほど、不安になり、ジレンマに陥ってしまう。
しかし、平時の防衛産業はこのジレンマと運命共同体であり、常に向き合わないといけないという宿命を背負っている。
非常に考えさせられる1冊でした。是非、読んでみてください。心に響いたフレーズを↓に添付しておきました。
【儲けなくていい。だが開発できない会社はだめだ。】
「よく平和とは何か、と考えますが、平和は自らが作るものではないかと思います。日本国としての防衛、国防というものは自らが実現していかねばなりません。教育も同じだと思います。」
平和とは何かを、誰もおしえてくれない。教えることなどできないのだ。自らが自らの手で実現すること。努力して手に入れるもの。そんな当たり前のことを今の日本人は忘れがちだ。(P.102)
【助け合わなければ強くなれない】
「かつては陸軍で二年も勤め上げれば、社会からのお墨付きが得られ、お嫁さんをもらえました。下士官は村のリーダーとなって村長になる人も多かった。連隊長クラスは県知事と同列扱いでした」
現在の社会では自衛官の地位や名誉は軽んじられていると思う。自衛隊で隊員の育成のためにあたる指導者達は組織内でいくら素晴らしい人材に鍛え上げても、国民が同じような価値観を持ってくれないならば、そこに大きな壁を感じるのではないだろうか。(P.115)
【国防費は国民財産として残るもの】
兵器は使われた時に圧倒的な威力を発揮すべく、多額の予算を投じて開発されるが、最後まで「使われない」で天命を全うすることがベストだという大きな自己矛盾を孕んでいる。そしてそれは自衛官の存在も同様である。この頃は、「一生使わないものにお金をかけるのは無駄」という思考、国の安全を経済的観点で計るという発想から、見えないものへの負担はごめんこうむるという人も増えているようだ。「抜かない名刀」に価値を見出せるかどうかは、今後の日本人の資質が左右すると言えるだろう。(P.124)
以上
