Latvijas animācija festivālā Šveicē - Kultūra - nra.lv
ラトヴィアのアニメーション紹介は凄い久々だと思いますが、
ラトヴィアの独立100周年である2018年に、
スイスのバーデンにおける、
ファントーシュ国際アニメーション映画祭
Fantoche International Animation Film Festival
で、ラトヴィアのアニメーションが上映されたという記事を発見。
で、その記事に添えられた画像は、
ラトヴィア初のアニメーションの一場面だとの事。
「キ=ケ=リ=グー」(Ki-ke-ri-gū)
という1966年の人形アニメーションですが、
私の調べた限りでは、
ネット上に動画を見つけられませんでした。
「キケリグー」とは何なのか?ですが、
ニワトリの鳴声の擬声語らしい。
日本の「コケコッコー」ですね。
「キ=ケ=リ=グー」の作者は、
アルヌァルツ・ブルァウス(アルノルツ・ブロフス)
Arnolds Burovs
という人で、90歳(2015~2006年)という長寿に恵まれ、
生涯に約40本もの人形アニメを制作。
ブロフスの作品は、
実は以前その1つを取り上げています。
ブタ、ブタ、友だち(Si-Si-DRA, 1977)ラトビアのアニメ
2009年04月20日
VIDEO: Vai vēl atceries multfilmu par Si-Si-Dra jeb "sivēns sivēna draugs"!? - Runā Bildes
「スィー=スィー=ドラ」(Si-Si-DRA)
という1977年の作品です。
主人公の少年は、
ベレー帽を被って如何にも芸術家っぽい風貌ですが、
実はマナーのなっていない悪ガキという。
恋人マイヤの誕生日を祝う訪問時、
階段の壁に手形を付けたり、花束の包み紙や手紙を
階段にほっぽるなどのマナー違反行為に、
「シーシードラ」と名乗る子豚の妖精が出現。
この意識のままで行動すると大変な事になることを、
階段の壁に絵をプロジェクターで投影して示し、
改心させるというお話。
「シーシードラ」は「sivēns sivēna draugs」の略なのですが、
私は2009年にこのブログ記事を書く時、
ラトビア語基礎一五〇〇語(大学書林)
等を駆使してわざわざ意味を調べました。
直訳すると、
「雄仔ブタ=雌仔ブタ=ともだち」という感じでしょうか。
(それほど自信は無いです)
ちなみに、
こんなヤツにも彼女が?というのはあるかもですが、
そのマイヤちゃんの風貌が、ガリガリ君の妹、
ガリ子ちゃんにソックリという。
いや、そもそも“少女”なのか?
てか、主人公もおじさんっぽい。
(ほうれい線のせい?)
それと以前、
ブログ記事によくコメントを付けてくださっていた、
Matyikaさんという外国の方の情報によって知った、
1981年の「ビミニ」(Bimini)という作品は、
ある芸術家が、世界各地で興行的成功を収めたものの、
晩年に自らの衰えと虚しさを感じている時、
インディアンの老婆が、ビミニの海岸には、
若さと力を取り戻す泉湧き出る伝説の井戸があるという歌を
歌っているのを聴く、という筋書きです。
恋に夢に破れた男や、盲目の少年らを率いて、
その伝説の井戸を捜し求めるという。
何だか希望に燃えている感じの歌が良いです。
よく調べてみると、
ハイネの詩「ビミニ」に基づいているらしいとの情報も。
ラトヴィア初のセルアニメーションは、
「ポケット」(Kabata)という作品ですが、
実は1983年なんです。
意外に歴史が浅くて驚いています。
でもやはり、トリッキーな描写はこの頃から既にありました。
ラトヴィアは「民謡の宝庫」と言われるだけあって、
BGMも魅力的。
10 lieliskas latviešu animācijas filmas, kas pieejamas internetā bez maksas - Brunch.lv
作者のルァゼ・スティエブラ(Roze Stiebra)さんは、
以前その作品を沢山紹介させて戴いています(勝手に)。
ラトヴィアアニメーションを牽引してきた重要人物の一人です。
スティエブラは1969年から作品を作っていますが、
では「ポケット」以前はどんな形態のアニメを作っていたのか?
どうやら「切り絵アニメーション」らしいです。
その作品は、「雨の日」(Lietaina diena)というのですが、
「ラトヴィア初の平面アニメーション」らしいです。
これもYouTubeには出ていない様で。
Lietaina diena (1969) | Filmas.lv | LMDb
というわけで、今回も、
この記事を書いている私自身勉強になりました。
それと、「ラトビア アニメーション」で検索すると、
こんな作品が…。
Ailleurs - film 2019 - AlloCiné
ラトビア出身クリエイターが1人で作り上げたアニメ映画『Away』12月公開 : CINRA.NET
「Projām」という2019年の作品で、
意味としては「離れて」「向こうに」という感じですが、
日本ではやはり「Away」という英語表記。
25歳のラトヴィア人アニメーション作家の、
ギンツ・ズィルバルァディス(Gints Zilbalodis)が、
約3年半をかけて1人で製作、監督、編集、音楽を務めた、
長編デビュー作。
なんと、12月11日から日本で公開だそう。
以前は、
ラトヴィアのアニメをまともに紹介しているのは私くらいで、
「ラトヴィア アニメ」で検索すると、
私の書いた記事ばかりが出てくる有様でしたが、
最近は、スィグネ・バウマネ(Signe Baumane)など、
日本でも注目される作家が出てきているのもあり、
状況は変わりつつある様ですね。
弊ブログのラトヴィアアニメーション紹介記事の数々です↓