バートラム・シャプリー(Bertram Shapleigh)アメリカの作曲家 | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

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Bertram Shapleigh

 

バートラム・リンカーン・シャプリー(Bertram Lincoln Shapleigh)

1871年、ボストン生まれのアメリカの作曲家。

アジア文化に大変興味を示した。

 

ニューイングランド音楽院(New England Conservatry)で、

ジョージ・エルブリッジ・ホワイティング(George Elbridge Whiting)と

ジョージ・ホワイトフィールド・チャドウィック(George Whitefield Chadwick)

から音楽を学び、1891年卒業。

 

エドワード・マクダウェル(Edward MacDowell)に学び、

フランスやドイツにも留学する。

 

ヴァーモント大学医学部(Vermont Medical College)で学び、

医学博士号を取得し、1893年に卒業。

 

演奏会でピアノとチェロを演奏したが、

音楽の歴史や東洋の音楽、ヴァーグナーのオペラについての講演も行う。

 

1898年、アメリカから欧州へ移住したあと、1902年にイギリスへ定住。

 

7000冊もの蔵書を火事で失い、1917年アメリカへ帰国。

 

ロマン派の様式で、管弦楽曲、歌劇、合唱曲、

弦楽四重奏曲などの室内楽作品、歌曲、教会音楽等、

あらゆるジャンルの作品を書いた。

インドを題材にした作品では、インド音楽の音色を用いて作曲。

 

講演の他に、新聞や雑誌に文章を書き、詩や小説も書いている。

 

1940年、死去。

 

死後、ワシントンDCに、

『バートラム・シャプリー財団』(Bertram Shapleigh Foundation)

が設立された。

 

※Wikipedia情報をもとに構成。

 

【主な作品】

・歌曲『カムチャツカの夜』(ピアノ伴奏つき)(1901)

Eine Nacht auf Kamtschatka(A night in Kamtchatka for voice and piano)op. 28

・管弦楽組曲『ラーマーヤナ』(1906-1907)

Ramajana - Suite für Orchester(Ramayana - suite for orchestra)op. 45

・3つのイングランドの歌(1906-1907)

(コントラルトまたはバリトン、ピアノまたは管弦楽)

Three English songs

for contralto or baritone with pianoforte or orchestral accompaniment, op. 49

 イングランドの緑の草原(アーサー・ヒュー・クラフ)

 Green fields of England(Arthur Hugh Clough)

 おお、イングランドにいれば(ロバート・ブラウニング)

 Oh, to be in England(Robert Browning)

 知るべもあらぬ旅の空(ウィリアム・ワーズワース)

 I travelled among unknown men(William Wordsworth)

・カンタータ『ワタリガラス』(1906)

The raven - cantata for chorus and orchestra, op. 50

・4つの交響的素描『グーリ・アミール』(1908)

Gur Amir - vier symphonische Skizzen(four symphonic sketches)op. 51

・『ロマンスの年』(ソプラノ、コントラルト、テノール、バスとピアノ)(1907)

Romance of the year - for four solo voices (soprano, contralto, tenor, bass)

with pianoforte accompaniment : op. 53

 

※作品番号順

 

【著書】

・少年時代の恋愛と、初期の黙想(1893)

Boyhood loves and early musings

・天体の音楽とその他の詩歌(1896)

The music of the spheres and other verses

・狂詩曲(ブライトコプフとヘルテル:ロンドン支店)1906

Rhapsody(London, Breitkopf & Härtel)

 

【資料】

Bertram Shapleigh - Wikipedia English

Shapleigh, Bertram 1871-1940 - WorldCat

Dictionary of Music and Musicians American Supplementvor/page-74 - eBooksRead

Bertram Lincoln Shapleigh - The Online Books Page

 

「Shapleigh」を、一応「シャプレイフ」と表記しました。

「Leigh」という単語があり、「レイフ」と日本語表記されていたので、

「シャプレイフ」で合っているのではないかと思うのですが、

間違っていたら訂正します。

念のため、「シャープレイフ」とも打ち込んでおきます。

(追記:『シャプリー』に修正しました)

 

語尾の「gh」は、

元々(古英語)は[x](口蓋摩擦音)の発音をしていたそうですが、

今では大半が発音しなくなっています。

しかし、一部の単語は発音するのですね。

例えば、「enough」の「gh」は「f」の発音をします。

 

東洋文化に大変興味を示したそうですが、その影響が、

音楽にも現われているそうです。

 

例えば、古代インドの大長編叙事詩

『ラーマーヤナ』(रामायण, Rāmāyana)

を題材に作曲しています。

Wikipedia情報を信じるならば、

インド風のメロディを書いたようです。

 

『ラーマーヤナ』といえば、組曲『惑星』で知られる

グスターヴ・ホルストも作曲の題材に用いています。

 

ホルストには、

『ラーマーヤナ』を題材にしたオペラ『シータ』(Opera “Sita”)や、

『マハーバーラタ』(महाभारत Mahābhārata)を題材にした

オペラ『サーヴィトリ』(Opera “Savitri”)、

『リグ・ヴェーダからの合唱讃歌』(Choral Hymns from the Rig Veda)

など、古代インドの叙事詩に題材をとった作品があります。

 

カムチャツカ(カムチャートカ, Камчатка)

を題材に取り上げた所も興味深いですが、

ウズベキスタンのサマルカンドにある、ティムールとその家族の霊廟

『グーリ・アミール廟』(گورِ امیر‎, Gūr-e Amīr, Guri Amir)

を題材に取った管弦楽作品も興味深い。

中央アジア風のメロディなのでしょうか?

 

その他、医学博士である上に、

小説や詩も書いて本を出したとの事なので、

多彩な才能に溢れていたというのが分かります。

 

しかし、現在は埋もれてしまっているようで、

音楽もまともに聴けません。

CD等の音盤が確認できないばかりか、

YouTube等の動画サイトにも曲が上げられていません。

 

因みに、生没年が、同じくマイナーなアメリカの作曲家

フレデリック・シェパード・コンヴァース

(Frederick Shepherd Converse)

と同じです。

ハリウッドの映画音楽を先取りした様な

美事な管弦楽作品を書いていますが、

かろうじてNAXOSから管弦楽作品集が出ています。

 

シャプリーの作品も、是非とも聴いてみたいところです。

 

【追記:2023/8/10】

シャプレイフ → シャプリー

 

【追記:2024/4/6】

3つのイギリスの歌 → 3つのイングランドの歌

イギリスの緑の草原 → イングランドの緑の草原

おお、イギリスにいれば → おお、イングランドにいれば