トマス・ブレトン(Tomás Bretón)スペインの作曲家 | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

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やあ、おいら、ワンプくん♪

 

音符の妖精さ♫

 

〝音符〟と〝ワン〟をかけたシャレだよ♪

 

なんだかオヤジギャグっぽくない?

 

えっ、自分で〝くん〟付けで名乗るのおかしいって?

 

わかってるって♬

 

わかったうえで言ってんの~ッ♬

 

てか、まえにも同じ指摘されたような記憶があるんだけど…♪

 

それと、前回の音楽記事の時と同じイラスト使いまわしてるって?

 

Satoš:これはさあ、

1回使ってこれっきりってのは勿体無いから、

最低2回以上は使いたいんだよ。

バロック時代の宮廷で奏でられてた曲もさあ、

1回使ったら終わりの機会音楽だったそうじゃない?

名曲は、繰り返し聴きたいよね?

 

だって♪

 

Satošさん、次回はもっとビシッと決まってるイラストお願いね♪

 

Satoš:はいはい

 

さて、今回は、スペインの作曲家だ♬

 

意外と知られていないよね、何故か♪

 

スペイン情緒あふれるクラシック音楽は結構あるのにね♪

 

スペインの作曲家って、

サラサーテ、アリアーガ、ファリャ、ロドリーゴ、

くらいしか知られていないんじゃない?

 

マニアックな人でも、アルベニス、グラナドス、アルボス、

くらいでしょ?

 

スペインの作曲家って、もっといたんじゃないの?

 

というわけで、今回はそんな作曲家のご紹介だ♬

 

それでは、いってみよ~ッ♪

 

 

 

トマス・ブレトン

Tomás Bretón

 

 

(1850年12月29日~1923年12月2日)

スペイン後期ロマン派音楽の作曲家。

サラマンカ出身。

 

地元の芸術学校で最初の音楽教育を受けた後、

地方の小さな楽団や劇場、教会で演奏家として生計を立てた。

 

16歳でマドリードに移り、

フランシスコ・バルビエリのオーケストラで演奏するかたわら

マドリッド王立音楽院でエミリオ・アリエータに師事する。

 

後に君主アルフォンソ12世とモルフィ伯爵の庇護を得て、

ローマやミラノ、ウィーン、パリに留学して

音楽を学ぶことができた。

 

ローマ滞在中に発展的な経験をし、

スペイン音楽にヨーロッパの偉大な音楽形式を

取り入れることを考え出した。

 

マドリードに戻るや否や、

王立音楽院作曲家の教授に任命され、

後には院長まで昇格した。

 

1872年にルペルト・チャピと並んで

音楽院から表彰されており、

その後に音楽家同盟を設立して、

長年その監督にあたった。

 

バルビエリの前例に倣って自分の地位を使い、

国内外の作品の初演を促し、その実現に成功した。

 

マドリードで没した。

 

全生涯を通じてブレトンは、

サルスエラのスペインらしい表現形態を保護しようと精励刻苦し、

それによってスペインの作曲家が成功を収めるであろうと望んでいた。

 

だが、その努力は報われなかった。

つまるところ、当時は民族的な音楽が整合性や統一性を欠いたものに映り、

聴衆はスペイン的な作品に無関心だったのである。

 

はっきりと「スペイン的な」オペラを作り出そうと骨折って、

ブレトンは注目すべきことに手ずから脚本を書いたが、

評論家から性格において充分にはスペイン的でないとの理由で非難された。

 

ブレトンはイタリア歌劇の模範と縁を切るのに失敗し、

当時の主流であったワーグナーの影響を

なんとなく残していると見なされたのである。

 

このような例に、

《テルエルの恋人たち Los amantes de Teruel 》

《 ガリン Garin 》

がある。

 

ブレトンはサルスエラやオペラをふんだんに残した。

この分野での代表作《パロマの前夜祭 La verbena de la paloma 》は、

ヘネロ・チーコ様式 género chico の古典的な模範であり、

世紀末のマドリードを音楽的に描き出した比類ない作品と認められている。

 

3曲の交響曲、4曲の弦楽四重奏曲、ピアノ三重奏曲、

パブロ・デ・サラサーテに献呈したヴァイオリン協奏曲、

交響詩などの器楽曲も残した。

ただし、ヴァイオリン協奏曲はスコアが紛失したため、

後世に補筆・復元されている。

 

親交のあったイサーク・アルベニスの

「ピアノ協奏曲」と「カタルーニャ狂詩曲」は、

オーケストレーションが苦手だったアルベニスに代わって

ブレトンがオーケストレーションを手掛けたことが書簡から判明している。

トマス・ブレトン - Wikipedia

 

【主な舞台作品】

サルスエラ「パロマの前夜祭」(1894)

(台本:リカルド・デ・ラ・ベガ)

La verbena de la Paloma, libreto es de Ricardo de la Vega

歌劇「テルエルの恋人たち」(4幕)(1889)

フアン・エウへニオ・ハルツェンブッシュ

(Juan Eugenio Hartzenbusch)の原作に基づき、

ブレトン自身が台本を作成。

Los amantes de Teruel, ópera en 4 actos,

歌劇「ガリン」(4幕)(1892)

(台本:セサレ・フェレアル)

Garín, ópera en 4 actos, , libreto es de Cesare Fereal

 

【主な管弦楽作品】

交響曲第1番 ヘ長調(1974)

Sinfonía n.º 1 en Fa mayor

交響詩「アマディス・デ・ガウラ」(1882)

Amadís de Gaula, poema sinfónico

オラトリオ「黙示録」(独唱、合唱、管弦楽)(1882)

El Apocalipsis, oratorio para solistas, coro y orquesta

交響曲第2番 変ホ長調(1883)

Sinfonía n.º 2 en Mib mayor

セレナーデ「アルハンブラにて」(1887, 1888?)

En la Alhambra, serenata

管弦楽組曲「アンダルシアの情景」(4曲)(1894)

1. ボレロ

2. ポロ

3. 行進曲とサエタ

4. サパテアド

Escenas andaluzas, suite para orquesta

I. Bolero

II. Polo

III. Marcha y saeta

IV. Zapateado

アルフォンソ 13 世とビクトリア・エウヘニア・デ・バッテンベルグ

の婚礼のための結婚行進曲(1902)

Marcha nupcial para la boda de Alfonso XIII y Victoria Eugenia de Battenberg

交響曲第3番 ト長調(1905)

Sinfonía n.º 3 en Sol mayor

交響詩「ガレー船の漕ぎ手たち」(ドン・キホーテの物語による)(1905)

Los Galeotes, poema sinfónico sobre el episodio del Quijote

ヴァイオリン協奏曲 イ短調(パブロ・デ・サラサーテの追憶に捧ぐ)(1909)

管弦楽スコア紛失、ロへリオ・グロバによって補筆、復元。

Concierto para violín en la menor, dedicated to the memory of Pablo de Sarasate

orchestration lost; reconstructed by Rogelio Groba

交響詩「サラマンカ」(1914)

Salamanca, poema sinfónico

交響詩「哀歌と憧れ」(1916)

Elegía y Añoranza, poema sinfónico

Tomás Bretón - Wikipedia

 

というわけで、例のアレ(ってなんだよ)があって、

中々自分の創作が進まないという。

 

ブログでも過去記事の画像更新ばっかりですが、

今回は音楽の紹介ということで。

 

スペイン系の作曲家、

取り上げよう取り上げようと言いながら、

なんだかんだでやっていなかったのですけど、

やっと取り上げました。

 

私は昔、

「19世紀スペインの国民楽派の

作曲家ってあまりいないのかな?」

とずっと思っていました。

 

19世紀のスペインの国民主義的な作品には、

エドゥアール・ラロの「スペイン交響曲」

リムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」

ミハイル・グリンカの「スペイン序曲第1番&第2番」

エマニュエル・シャブリエの「狂詩曲『スペイン』」

ジョルジュ・ビゼーの「歌劇『カルメン』」

オーレ・ブルの「幻想曲『サン・フアンのベルベナ』」

などがありますが、皆外国人によるものばかり。

 

パブロ・デ・サラサーテも一応、

ヴァイオリンとピアノのための「スペイン舞曲集」

など、スペインの国民主義的な作品を幾つも書いていますが、

無国籍的というか、国民楽派とは言われない。

(ちなみにバスク系であり『バスク奇想曲』も書いています)

 

イサーク・アルベニスは国民楽派と言えそうですが。

 

フェリペ・ペドレルは、

「スペイン国民楽派の父」と言われているのは知っていましたが、

長い間、具体的にどんな作品を書いているのか知らなかった。

 

こちらの書籍では「スペイン国民楽派の父」と紹介していながら、

彼の作品の紹介は全くしていませんでした↓

「音楽家 409人の肖像画」  

(ガブリエーレ・ザルメン著、龍村あや子訳、音楽之友社)

 

しかも、厳密には、カタルーニャの人ですし。

 

アルベニスを啓発し、グラナドスやファリャなど、

才能あるスペイン人作曲家を育て上げたという意味で、

そう言われている所はある様ですね。

 

彼は、作曲もしたけど、厳密には音楽学者です。

(作曲は独学らしい、すごい)

ちなみに、弊ブログでは紹介済です。

カタルーニャのクラシック音楽作曲家特集!!

2018年10月31日

 

で、結論からいうと、

調べてみたら、実は結構いました、という。

今回はその中の一人を取り上げました。

インターネットのお蔭ですね!!

 

こういった話は、実は、

11年も前のブログ記事に書いていました。

 

スペインのクラシック音楽(ロマン派・国民楽派)について色々思っていた事

2012年7月21日

 

知らないと「この時代は不毛」と誤解してしまう事は多々。

 

知られていないだけで、本当はいましたという。

 

スペインには、

〝サルスエラ〟

という歌劇に似た形式の音楽があり、

ざっくり言えば、

これが国民音楽と看做せなくもないのかも?

というのもあります。

 

この、サルスエラの作曲家も、

日本ではよく知られていないという。

 

私は通常、Wikipediaの外国語の文章を

自分で翻訳したものを上げています。

 

日本語のWikipediaもあるけど、

文章量が少なく簡素で物足りないという事が少なくないので。

 

でもブレトンは、

日本語版で割とまとまった紹介文が出ていたので、

ほぼそのまま引用しました。

 

作品一覧だけ翻訳しています。

 

CDは、

NAXOSが管弦楽の代表作と言えそうなものをカバーしています。

(このCD持っています)

 

トマス・ブレトン/アンダルシアの情景/

アルハンブラにて/オペラ前奏曲集

指揮:ミゲル・ロア

Miguel Roa

演奏:マドリード・コミュニティ管弦楽団

Orquesta de la Comunidad de Madrid

【NAXOS8.572076】

 

個人的には、

「アンダルシアの情景」の

第3曲「行進曲とサエタ」

が、何だかのんびりしたコミカルな行進曲なのがお気に入り。

ほのぼのアニメ、みたいな。

 

 

代表的サルスエラも当然!!

 

トマス・ブレトン:サルスエラ「パロマの恋人たち」

Tomás Bretón: Verbena de la paloma

指揮:J・リン・トンプソン

J. Lynn Thompson

演奏:オハイオ・ライト・オペラ管弦楽団

Ohio Light Opera Orchestra

【TROY405】

 

 

交響曲第2番と、

交響詩「サラマンカ」を収録したアルバム。

 

トマス・ブレトン:交響曲第2番/交響詩「サラマンカ」

Symphony No. 2 In E Flat Major / Salamanaca: Symphonic Poem

指揮:マックス・ブラガド=ダルマン

Max Bragado-Darman

演奏:カスティーリャ・イ・レオン交響楽団

Orquesta Sinfónica de Castilla y León

【Newport Classic IA1410920】

Symphony No. 2 In E Flat Major / Salamanaca: Symphonic Poem : Tomás Bretón : Free Borrow & Streaming : Internet Archive

 

交響詩「サラマンカ」

指揮:マックス・ブラガド=ダルマン

演奏:カスティーリャ・イ・レオン交響楽団

 

なんと、交響曲全集もあるという。

 

トマス・ブレトン:3つの交響曲

Tomás Bretón: Las 3 sinfonías

指揮:ホセ・ルイス・テメス

José Luis Temes

演奏:カスティーリャ・イ・レオン交響楽団

Orquesta Sinfónica de Castilla y León

【Verso VRS2217】

El martillo sin dueño v.2: Bretón sinfónico

 

交響曲第3番 ト長調

指揮:ホセ・ルイス・テメス

演奏:カスティーリャ・イ・レオン交響楽団

 

交響曲は、

活動初期から後期にかけて計3曲書いていますけど、

残念ながら、3曲ともスペイン情緒をあまり感じませんね。

アカデミックというか、無国籍的というか、

ドイツロマン派っぽいというか、とにかくそんな感じです。

 

でも、第3番の第3楽章、スケルツォ・アレグロは、

緊張感のあるスペインの舞曲っぽさを何となく感じるので好き。

 

管弦楽譜が紛失したので他の人が補筆復元した、

ヴァイオリン協奏曲も出ています。

ヘスス・デ・モナステリオ・イ・アグエロス(1836-1803)

Jesús de Monasterio y Agüeros

とのカップリングですが。

ハイペリオンではないのですね。

 

スペインロマン派ヴァイオリン協奏曲:ブレトン&モナステリオ

Spanish romantic violin concertos - Bretón & Monasterio

ヴァイオリン:アラ・マリキャン

Արա Մալիքյան

Ara Malikian

指揮:アレハンドロ・ポサダ

Alejandro Posada

演奏:カスティーリャ・イ・レオン交響楽団

Orquesta Sinfónica de Castilla y León

【Tritó TD00071】

Breton & Monasterio: Spanish Romantic Violin Concertos de Orquesta Sinfónica de Castilla y León, Alejandro Posada, Ara Malikian en Amazon Music - Amazon.es

 

ヴァイオリン協奏曲 イ短調

ヴァイオリン:アラ・マリキャン

指揮:アレハンドロ・ポサダ

演奏:カスティーリャ・イ・レオン交響楽団

 

他には、室内楽作品集とか、

サルスエラのオムニバス集での収録もあります。

 

「テルエルの恋人たち」

の原作者であるハルツェンブッシュですが、

ドイツ系なんですかね?姓の綴りがどう見ても。

スペイン語の「H」は無音なんで、

最初「アルツェンブッシュ」と書こうとしましたが、

現地の発音を聴いてみると、

「ハルツェンブッシュ」と言っていました。

まあスペイン語には「J」という「ハ」の発音があるので、

発音に難儀はしないのでしょう。

では、スペイン・ハプスブルク家「Habsburgo」は何故、

「アブスブルゴ」なのか?「ハブスブルゴ」ではないのか?

フランス語でも「H」を発音しませんが、

スペイン語の「J」の様な「ハ」の発音も無いので、

フランス人は「H」の発音が苦手だそうですが。

作品一覧にあった「バッテンベルグ」は、

「バッテンベルゴ」にならないのか?

否、スペイン語は詰まった発音をしないから、

「バテンベルゴ」か?と考えるとキリがない…。

 

というわけで、本当は今回、

ルペルト・チャピ(Ruperto Chapí y Lorente)

をご紹介する予定でしたが、

健気ながらも奮闘努力が上手く行かなかったブレトンに、

ちょっと同情したという事もあって、

こちらを先にご紹介した次第です。

 

地元の人の書いたスペイン曲、

もっと知られて欲しいと思います。

 

あっ、ちょっと、メモがてらに…。

 

「ラバピエスの理髪師」

El Barberillo de Lavapiés

フランシスコ・アセンホ・バルビエリ(1823-1894)

Francisco Asenjo Barbieri

 

というのを見つけたので。

でも検索したら、既に日本でCDもでていた。

 

単に私が知らなかっただけでした。

 

【追記:2023/6/19】

ヴァイオリン協奏曲のCD画像が何故か消えていたので、

貼り直し。