バルト海の奇妙な果実(バルト三国アニメーション上映会)リトアニア編を鑑賞する | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

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リトアニアのアニメーションの上映を、観て参りました!!

どうも、リトアニアのアニメーションの日本上映は初めての様で、

お客もそれなりに入っていました。

日本では、バルト三国の中では

リトアニアが一番良く知られているからではないかと思います。

(チュルリョーニスとか杉原千畝の関係で)

実は、11月10日が最初の上映だったんですけど、

『エストニア音楽祭』の日と時間が被ってしまっていたので、

1回しかやらないエストニア音楽祭の方を

優先したために観れなかったのです。

(エストニア音楽祭についてのレポートは、後日)


まず、前回の記事でも追記しましたが、

内容が一部変更されている上に、

上映の順番も変更されていました。

『シダの花』が、『イースターの朝』に変更されていたんですね。

それから、ベレズニツカスの『おじいちゃんとおばあちゃん』

が加わっていました。


イリヤ・ベレズニツカス(Ilja Bereznickas)による

『ホブゴブリン』(Baubas, 1987)は、

サボテンの精(というか、見た目が殆ど妖怪というかナマハゲというか、

まあゴブリンですから)と少女との友情を描いた内容で、

彼の超能力によって、

非現実的で不思議な現象が目まぐるしく展開されます。

でもパパやママは、

何故だか目の前で起きている奇妙な状況を不思議がりません。

テレビ画面の中の人物も、超能力の影響を受けてしまっています・・・。

もしかして夢?

どこまでが現実なのか?

やや荒削り的な絵柄とアニメーション処理ながらも、

とにかく訳分からない上に展開のノリの良さが、以前紹介した

『バミューダ・サークル』(Bermudų žiedas, 1988)を彷彿とさせ、

観ていて気持ちよかった!!

ホブゴブリンが歌う歌も実にノリが良く、

このアニメーションの魅力を引き出すのに一役買っています。

『おじいちゃんとおばあちゃん』(Senelis ir senelė, 1999)は、

比較的最近の作品だからなのか、

それまでの荒削り的な雰囲気から様変わりし、

もうちょっと丁寧な感じになっています。

でも、内容的には、ベレズニツカス節炸裂といった感じで、

目まぐるしい場面展開、

テレビに出てくる女の裸を孫達が見る場面とかがあります。

おじいちゃんが、どことなく”ジャムおじさん”に似ている?


ユーラテ・レイカイテ(Jūratė Leikaitė)

彼女のアニメーションは、

既に2009年に当ブログで幾つか紹介済みです。

チラシでは『シダの花』(Paparčio žiedas, 2003)

を上映すると出ていたのですが、

『イースターの朝』(Margučių rytas, 2007)に変更されていました。

どちらも当ブログで紹介済みです

(私は『復活祭の朝』と紹介していました)。

YouTubeに出ていたのですが、後に削除されてしまいました。

美しいイースターエッグの柄、

土着的というか民族的伝統的な雰囲気による幻想的な描写、

場面展開が、たまらない!!

『懺悔の季節』(Užgavėnės, 2005)

『ライマの決意』(Taip Laima lėmė, 2011)もそうですが、

民族的伝統的な雰囲気をベースにした、

幻想的幻惑的な描写、場面展開が、

「この人、クスリでもやったんちゃう?」

と思わせる程の強烈な幻想的イマジネーションを感じるのです!!

『懺悔の季節』は、実は、2009年にYouTubeで観ていますが、

コマ撮りした実写の人物をアニメーションに出すという、

実験映画みたいな遊び心溢れる描写があったり、

狼男(Vilkatas)が出てきます。

Jūratė Leikaitė - Wikipedia, Lietuvių


Taip Laima lėmė


ウルテ・ブディナイテ(Urtė Budinaitė)

という女性アニメーション作家は、今回初めて知りました。

『歌の歌』(Dainų Daina, 2010)は、

夫婦喧嘩をユニークな表現で描いたものと思います

(違っていたらすいません)。

作者が女性なだけあって、”カカア天下”なのが笑えます!!

余り作りが込んでいなく、単純さは感じましたが、

内容でカバーされていると思います。

シンプルさが彼女の持ち味らしいです。

彼女の名前で検索してみると、

YouTubeに幾つも映像を出しているのが分かります。

例えばこんなの↓


Urtė Budinaitė_1.jpg


Urtė Budinaitė_2.jpg


リトアニアアニメーション上映は、

あと12月15日しかありませんから!!

好奇心旺盛な方々はお見逃し無く!!


【追記】

2、3枚目の画像追加(2019/8/11)