アルメニア国民楽派について、かなり以前に調べた事があります。
しかし、面倒くさくなったのか、
ブログで紹介するのを途中で諦めてしまいました。
今頃なんですけど、徐々にですが、
アルメニア国民楽派について小出しに紹介していきましょう。
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まず、アルメニア国民楽派の祖として知られるのは、
アレクサンドル・スペンディアリャン(スペンジアリャン:スペンジャリアン)
(Alexander Spendiaryan, Ալեքսանդր Սպենդիարյան, 1871-1928)
です。
ウクライナのヘルソン州(Херсонська область)生まれ。
イェレヴァン(Երևան)没。
ペテルブルクでリムスキー=コルサコフに学び、
アルメニアの民族的題材・要素を用いて
歌劇や管弦楽曲などを初めて書いた人のようです。
彼の唯一の歌劇『アルマスト』(Օպերա ”Ալմաստ”)は、
詩人ホヴハンネス・トゥマニャン
(Հովհաննես Թումանյան, Hovhannes Tumanyan, 1869-1923)
の詩を基に、ロシアの女流詩人ソフィヤ・パルノーク(София Парнок)
がロシア語の台本を書きました。
そのロシア語台本を、
P・ミカイェリャン(Պ. իքայելյան)がアルメニア語に翻訳したそうです。
1928年、未完成のままスペンディアリャンは世を去りますが、
M・O・シテインベルク(М.О.Штеинберг)が完成させたそうです。
(Wikipediaその他からの受け売り)
Wikipedia日本語版によれば、
交響組曲『アルマスト』(Սիմֆոնիկ սյուիտա ”Ալմաստ”)
も書いていると出ています。
どんなものか聴いてみたいものです。
〇CD化について
とっくの昔に出て当然と思える
歌劇『アルマスト』全曲のCD化を未だに確認出来てません。
YouTubeに一部が上がっているので、
レコード等の音源はあるんでしょうけど。
ASVというレーベルから、アルメニア管弦楽曲名曲集が出ています。
その中に、オムニバスではありますけど、スペンディアリャンの
・ペルシャ行進曲(歌劇『アルマスト』より)
・エンゼリ(Enzeli)(1925)
エレヴァン風練習曲(Երևանյան էտյուդներ)より
・ヒジャーズ(Hidjaz)(1925)
エレヴァン風練習曲(Երևանյան էտյուդներ)より
が収録されています。
しかし、現在では廃盤になっているようです。
アルメニア管弦楽名曲集
Orchestral Music of Armenia
指揮:ロリス・チェクナヴォリャン(チェクナヴォリアン)
Լորիս Ճգնավորյան, Loris Tjeknavorian
演奏:アルメニアフィルハーモニー管弦楽団
Armenian Philharmonic Orchestra
【DCA 1037】1998
オペラ『アルマスト』より(Օպերա ”Ալմաստ”)
演奏:アルメニアフィルハーモニー管弦楽団
http://www.youtube.com/watch?v=1HfNENPS85U
或る音楽史に於いて重要な曲がCD化されていないというのは、
意外と多い。
自国産のクラシック音楽に目を向けないというのは日本でも言える事で、
例えば『ゴジラ』で有名な伊福部昭の『日本狂詩曲』は
長い間無視されてきたし、それ以前に、
日本産のクラシック曲で有名なのは一つも無い気がする。
黛敏郎の『涅槃交響曲』は、名前だけ知られているという感じ。
外山雄三の『管弦楽のためのラプソディ』は、
多少知られている感じですが
(個人的には、内容が分かりやすいので、
”日本狂詩曲”という名前にした方がいいと思っている)。
イギリスでも、
自国産のクラシック音楽にまともに目を向ける様になったのは、
19世紀末からですし。
でも、アルメニア人は、
民族主義的意識がとても高いと言われています。
また、商売上手だとも。
韓国人に気質が似ているのでは?といった噂も、
ネット上でよく囁かれています。
その割には、もっと自国文化を発信しないのか?って思います。
韓国の場合は、その辺抜かり無いですけど。
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アルメニア国民楽派の推進には、
ゴミダス・ヴァルタベッド
Կոմիտաս Վարդապետ, Komitas Vardapet, 1969-1935
が大きく貢献しています。
彼の蒐集したアルメニア民謡を基に、幾つもの名曲が生まれています。
彼自身も、蒐集した民謡を、合唱曲やピアノ伴奏歌曲等に編曲しています。
彼も、アルメニア国民楽派の祖の1人と見なされているようです。
彼については別の機会に。
それと、アルメニア系では
アラム・ハチャトゥリャン(ハチャトゥリアン)
Արամ Խաչատրյան, Арам Ильич Хачатурян, 1903-1978
が有名ですが、彼は有名過ぎるため、当ブログでの取り扱い対象外です。
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