ハッサン軍曹2050(Sarjan Hassan 2050)マレーシアのアニメーション | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

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ハッサン軍曹2050

Sarjan Hassan 2050

 

【スタッフ】

原案(cerita asal)

監督(pengarah)

3Dアニメーター(3D animasi):

ハマディ・ハムダン(Hamadi Hamdan)

 

 

うおおおおーッ!!!!!

なんなんだ?このカッコよさはッ!!!!!

マレーシアアニメの、というか、

マレーシアそのものに対するイメージが大分変わります。

 

コンピューターゲームでいう所の、『R-TYPE』みたいな。

この譬え、レトロゲームを知らない人には

意味が分からないと思うので、説明しましょう。

 

元々このゲームを制作した”IREM”は、

”スペランカー”とか”ロードランナー”といった

パズルアクションゲームばかりを制作していたので、

ゲーマーの間ではちょっと

「地味」みたいなイメージを持たれていました。

 

ところが、1987年に『R-TYPE』という

シューティングゲームが登場する事で、

皆カルチャーショックを受けてしまったわけです。

「本当にアイレムが作ったのか?」といった感じで。

 

シューティングゲームとしても、

とても内容的に優れたものを持っていました。

この『ハッサン軍曹2050』を見て、

それを思い出してしまったのです。

マレーシアに対する見方が大幅に変わりました。

 

実は、『ハッサン軍曹』という映画が

1958年に公開されていますが、

恐らく題名はそれを意識しているかも知れませんけど、

どれ程内容的な繋がりがあるのかは不明。

『ハッサン軍曹』は第二次世界大戦が舞台ですが、

『ハッサン軍曹2050』は未来世界が舞台の様です。

Sergeant Hassan - Wikipedia

 

見た目、如何にも3D戦闘アクションゲームっぽいです。

メカとかのデザインも、本当にカッコいい!!

 

アメリカのSF映画とか日本の3Dアクションゲームなど

の影響を受けてるっぽいなと思いましたが、

3D戦闘アクションゲームの

ギアーズ・オブ・ウォー

Gears of War

に似ていると指摘する人がいる様です。

確かにその影響を受けてそうですね。

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それと、

『スターウォーズ』や『ガンダム』を組み合わせた様な感じ?

 

1987年に、

キャプテンパワー

Captain Power and the Soldiers of the Future

という実写と3Dアニメを組み合わせた特撮番組がアメリカで制作され、

日本でもテレビ朝日系列で放送されてましたけど、

私の知る限り、この手の元祖はこれかも知れません。

YouTube

 

実は私、最近マレーシアのアニメを色々と知ったんですけど、

内容的にかなり独創性溢れるものが多いんですね。

元ネタがあるにしても、それを独自にアレンジしていたりとか。

 

私は最初、イスラム系の国で作られるアニメは、

宗教的な制限が加えられていて

堅苦しい内容ばかりなのではないか?と思っていましたが、

マレーシアのアニメを見ると、とても伸び伸びした雰囲気を感じます。

まあ、宗教に引っ掛からなくても伸び伸びしたものは作れるでしょう。

ドバイの『シャービヤット・アル・カートゥーン』なんかそうですし。

 

マレーシアは、アニメ分野に於いても、

マハティールの提唱した『ルックイースト政策』

に則っているんでしょうかね?

 

東南アジアのアニメは、

タイが先頭を切って一番進んでいるのではないか?

と思っていましたが、もしかしてマレーシアがもっと進んでいるとか?

 

知りうる限りの内容でもって判断しているので

断言は出来ないんですが、とにかく、

東南アジアのアニメから目が離せないッス!!!!!

 

【追記:2021/10/19】

画像13枚追加

 

「ハッサン軍曹」について調べました。

日本軍のマラヤ侵攻に抵抗するという内容で、

つまり日本軍が敵という設定です。

 

大東亜戦争時の日本とマレーの関係については、

イギリスの植民地からの解放への期待もあり悪くなかったが、

華僑は敵性民族と見做され弾圧されたため抗日軍が組織された。

 

更に、この映画を監督したのが、フィリピン人、

ランベルト・ベラ・アベリャナ(Lamberto Vera Avellana)

です。

当時のフィリピンは対日感情が非常に悪かったそうなので、

多分そういうのが影響していたのかな?と。

 

しかし完成させる事ができず、

主演のP・ラムリー(P. Ramlee)が

監督を引き継いで完成させたのだそう。

 

【追記2:2021/10/19】

「混成アジア映画研究会」様によると、実話を元にしたものの、

元はマラヤ共産党による武装蜂起だったのを、

日本軍政への抵抗に摩り替えたそうで。

日本人にとっては酷い話に思えますが。

研究会について - 京都大学地域研究統合情報センター山本博之研究室