かくれぼうし(Шапка-невидимка, 1973)ロシアのアニメーション | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

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隠れ帽子

Шапка-невидимка

 

監督(режиссёр):

ユリー・プルィトゥコフ(Юрий Прытков)

脚本(автор сценария):

Ю・ ポストゥニコフ(Ю. Постников)

デザイン(художник-постановщик):

タチャーナ・サゾーナヴァ(Татьяна Сазонова)

音楽(композитор):

イヴギェーニー・プチーチキン(Евгений Птичкин)

作詞(тексты песен):

M・プリャーツコフスキー(М. Пляцковский)

撮影(оператор):

ミハイル・ドゥルーヤン(Михаил Друян)

録音(звукооператор):

バリス・フィリチンコフ(Борис Фильчиков)

編集(редактор):

ピョートル・フラローフ(Петр Фролов)

美術監督(директор картины):

リュボーフィ・ブトゥイリーナ(Любовь Бутырина)

 

【制作年】(Год производства)

1973年

【時間】(Время)

10分(мин.)

【制作】(Производство)

ソユーズムリトフィルム(Союзмультфильм)

 

見れば分かりますが、

キャラの動きの細かいこと細かいこと。

競争原理に追い立てられていないだけあってか、

西側に比べて貧しいけど、

余裕を持ちまくって作った感じです。

 

しかも、キャラの動きも、

ぎこちなさ無しの完璧な出来といっていい!!

 

特に物凄く感心したのが、

3分台で皆が掲示板の前で

主人公を好奇の目で眺めている子供たちの、

微妙な体の動き。

リアリズムですよ!!

 

人間の体は、厳密には、

じっとしているように見えても、

微妙に少し動いているわけです。

 

完璧に動かない様にしようとすると、

逆に神経が疲れます。

 

でも、殆どのアニメは、

じっとしている状態を、

本当に動かない様に描きます。

 

何故なら、

微妙に動かすと、

その分手間が掛かるからです。

 

それに、

じっとした状態を描いても、

誰も違和感を感じません。

 

でも、

このアニメは、

その所に妙に拘っているようです。

 

そういった細かい所に拘っているアニメは逆に珍しいので、

微妙に細かく体が動いている様を描いたこのアニメが、

その事で凄い印象深く感じました。

 

まあ、ディズニーも動きが細かいですけどね。

そういったアメリカのアニメの影響なんでしょうけど。

 

つい最近、

『ロシア革命アニメーション』上映会に行きましたけど、

ソビエトは見栄を張ってるなあというのを感じました。

 

『プロパガンダ』というのは、

攻撃対象を貶める役割の他に、

自分達を良く見せる『偽装』の役割も果たします。

 

ソビエトに関する予備知識を

全く持たない状態の人にこのアニメを見せたら、

ソビエトは裕福だったと誤解するかも知れません。

 

最近作られた北朝鮮の『リスとハリネズミ』も、

出来が物凄く良い!!

 

社会体制がアレですけど、

拉致問題とかありますけど、

それとは切り離して見てみれば、

非常に感心します。

思いっきり見栄を張ってるのが分かりますね。

 

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話の内容ですが、

噛み砕いて言えば、

ロシア版『隠れ蓑』です。

 

主人公のワンパク坊主が、

草むらに新聞で作った

『兜』を思わせる謎の物体が引っかかってるのを発見。

 

それを被ると体が見えなくなる事が分かり、

それを用いて色々とイタズラを繰り広げますが…。

 

まあ、

道徳的な内容です。

バレないと思って、

悪さをしちゃいけませんね。

 

【追記:2024/4/11】

画像9枚追加

隠れ帽子 → かくれぼうし

子ども向けアニメという事を考えるとかな表記が妥当かと。

サゾーノヴァ → サゾーナヴァ

エフゲニー → イヴギェーニー

ピェートル・フロロフ → ピョートル・フラローフ