ヒーロー風クラシック曲がまだあったので、
今回はそれらを紹介します。
アニメ風クラシック曲の紹介は又今度という事で・・・。
アーノルド・バックス
Sir Arnold Edward Trevor Bax (1883-1953)
交響詩「ロスカサ」
Symphonic poem "Roscatha" (1910)
バックスは、
アイルランド民族楽派と印象派の折衷を特徴とする。
つまり、極めて民族的なのだが、
ちょっと崩れ気味の和音やフレーズだったりする。
でも、アイルランドのクラシック作曲家の中では
最も知られている方だろう。
正統派アイルランド民族楽派のハーティーが余り知られていないのが、
甚だ納得がいっていないのだが・・・。
私がこの曲に対して思った印象は、
如何にも石ノ森章太郎系
ヒーローサウンドみたいだなあと感じたこと。
具体的に、石ノ森の何と言うヒーローサウンドに
似ているとかではないのだが、
雰囲気的に主観でそう思っただけ。
とにかくカッコイイ曲です。
Ulster Orchestra / Handley: Harty/ Stanford/Moeran/Bax - Chandos Records
指揮:ヴァーノン・ハンドリー
Vernon Handley
ブライデン・トムスン
Bryden Thomson
演奏:アルスター管弦楽団
The Ulster Orchestra
CHANDOS 6525
Charles Villiers Stanford - Wikipedia
チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォード
Sir Charies Villiers Stanford (1852-1924)
アイルランド狂詩曲第5番
An Irish Rhapsody No.5 in G minor, Op.147 (1917)
イギリス音楽ルネサンスをいち早く推進した一人。
アイルランド系。
概ね19世紀のイギリス音楽は、
ドイツ音楽の亜流が多いと言われ、評価が低い。
彼の曲も、ドイツロマン派の亜流の退屈さを感じるものが多いものの、
交響曲第3番(1887)は「アイリッシュ」という表題が付けられている通り、
早い時期に書かれた民族楽派風の曲として、もっと評価すべきだと思う。
晩年にも6曲ものアイルランド狂詩曲という
民族楽派の手法による曲を書いているのだが、
その内の第5番は、勇壮な行進曲の様な雰囲気で始まる。
如何にも70年代ヒーローもので、
基地から発進する時の緊張感溢れるBGMの様な感じ。
中間部は打って変わって、夢見る様な優しいメロディとなり、
それが発展していった後、又勇壮なメロディとなるのだが、
それは如何にもハリウッドアクション映画の
ハッピーエンドに使われる音楽の様である。
Stanford: Irish Rhapsodies, Orchestral & Concertos - Chandos Records
指揮:ヴァーノン・ハンドリー
Vernon Handrey
演奏:アルスター管弦楽団
Ulster Orchestra
CHANDOS 7002
ヒューゴ・アルヴェーン
Hugo Emil Alfvén (1872-1960)
交響曲第5番イ短調第1楽章
Symfoni nr 5 a-moll, op.55, MovementⅠ
(1942, 1952/3)
スウェーデン狂詩曲第1番「夏至の徹夜祭」(1903年)
で知られるスウェーデンを代表するクラシック作曲家。
私が彼の曲に出会ったのは1988年(高1)で、
たまたま交響曲第1番(1897年)
をラジオで録音していたのがきっかけで、
マイナークラシック音楽に興味を抱く様になった。
又、私が生まれる丁度100年前に生まれたという事もあり、
妙に親近感も湧いたのだった。
70年代ヒーローサウンドっぽい曲を書いた
スウェーデンのクラシック作曲家と言えばアッテベリであるが、
アルヴェーンのこの曲も聴くに値すると思う。
何と言うか、70年代ロボットヒーローもので、
主人公が苦戦している時のBGMの様なフレーズが所々に現れる。
締め括りの所の特に激しい雰囲気の部分がカッコイイ!!
Alfvén - Symphony No.5 - BIS Records
指揮:ネーメ・ヤルヴィ
Neeme Järvi
演奏:ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
Royal Stockholm Philharmonic Orchestra
BIS CD-585
【追記:2021/10/23】
肖像画像3枚追加
CD画像3枚差し替え
文章一部修正