おなじみ食品加工最大手の日本ハム(資本金348億、連結売上1兆2千億円)で、日経225銘柄の上場企業としては異例の、決算期の途中それも即日就任という社長交代があった。
いささか旧聞には属するが、昨日大阪本社で新社長の記者会見が行われ、それについての新聞記事も出そろったことであるのでここにまとめてご紹介しよう。

 

新社長の畑佳秀氏は香川大学経済学部の1981年卒。畑氏が同社の慣例に従い現在「検討中」としている日本ハム球団オーナーに就任すれば、香川大学経済学部OBのプロ野球界トップとしては、阪神タイガース球団社長だった小津正次郎氏(旧制高松高商)、日本ハム創業者で初代ファイターズオーナーの大社義規氏(旧制高松高商)、ソフトパンクホークス初代オーナー代行兼球団社長だった笠井和彦氏(新制香川大経済)に続いて戦後4人目となる。もちろん地方大学の、それも定員300名足らずのひとつの学部としては群を抜いた数である。多くの名選手・名監督を輩出した「野球王国」四国を代表する国立文系学部らしい実績といえよう。

日本ハムは、このシーズンオフに二刀流の大谷選手をメジャーリーグへ放出し、入れ替わりにドラフトで注目のルーキー早稲田実業の清宮選手を獲得した。今季の覇権奪還と本拠地の移転問題でプロ野球ファンの注目を集めているなかでの交代劇であり、新社長の今後の舵取りに注目したい。

なお余談であるが、大阪梅田のハービスプラザにある会員制クラブ「ガーデンシティクラブ大阪」の会報誌に、2016年9月の畑氏の詳細なインタビューが掲載されているので、PDFが見られる方はご覧になることをおすすめする。
香川大学のマンドリン部で2年になっていきなり指揮者を担当することになったため、経済とはまったく畑違いの教育学部の音楽研究室の先生に頼み込んで指揮法の指導を受けたこと、高松の下宿のおばさんから「すぐ近所に日本ハムの大社義規さんの邸宅がある」(筆者注;香川県出身の大社氏は芦屋の自宅以外に香川大経済キャンパスのすぐ東の高松市番町にも邸宅を持っていた。現・大社教育文化振興財団の場所である。)と教えられ、「あなたの大学の大先輩だから」と勧められ日本ハムに面接に行った話、大学では金融論のゼミで当初会計の知識には乏しかったものの、入社して配属された経理部での最初の仕事として日本ハム球団の決算業務をまかされ、以来グループ全体の経理システムの構築に携わり社内一のエキスパートになったことなど、なかなか読みごたえがある。
香川大学の広報誌のインタビュー記事も、せめてこれくらいのクオリティがほしいものである。

ガーデンシティクラブ大阪 会報誌No.49
(http://www.gcco.jp/backnumber/pdf/vol049.pdf)

 

 

 

 

 


ガーデンシティクラブ大阪 会報誌No.49の誌面(一部)
 

 

>2018/01/29 02:00  日経速報ニュース    より


日本ハム社長に畑副社長が昇格


 日本ハムは畑佳秀副社長(59)が1月29日付で社長に就任する人事を固めた。末沢寿一社長(63)は退任する。財務・経理部門の出身で経営計画づくりも取りまとめている畑氏をトップに起用して、海外企業のM&A(合併・買収)を進める。
 29日に開く取締役会で末沢氏の辞任の申し出を受理し畑氏の社長就任を決める。畑氏は経理財務部長などを務め、直近では管理部門を担当している。末沢氏が掲げた拡大路線を続けるとともにガバナンス(企業統治)の強化と、利益成長に注力する。

>2018/01/30  日本経済新聞 朝刊 より


日本ハム、畑佳秀氏(新社長)
 

 ◇日本ハム
 畑 佳秀氏(はた・よしひで)81年(昭56年)香川大経卒、日本ハム入社。11年取締役、15年副社長。兵庫県出身。59歳
(29日就任。末沢寿一社長は取締役に)

>2018/02/03  日本経済新聞 朝刊  より


日本ハム新社長「海外成長で収益強固に」。


 日本ハムの畑佳秀新社長が2日、大阪市内で記者会見し「海外事業を成長ドライバーとし、強固な収益基盤を築いていきたい」と抱負を語った。畑氏は末沢寿一前社長の辞任に伴い、1月29日付で副社長から昇格した。末沢氏の辞任理由については「一身上の都合というのが本人の意思」と述べるにとどまった。
 畑氏は経理・財務部門の出身で11年に取締役となった。同社は4月から新たな中期経営計画をスタートさせる。新中計で注力する海外事業は、食肉相場の高騰に伴う仕入れコストや投資の負担で収益に苦しんでいる。畑氏は「必要に応じてM&A(合併・統合)、資本提携、業務提携を進め、日本と同等の事業モデルを展開していく」と述べた。


>2018/01/30  日本経済新聞 地方経済面 北海道版より

 

新球場の建設、計画通り、日ハム、新社長に畑氏、オーナー職就任の公算。

 日本ハムは29日、同日付で末沢寿一社長が退任し、畑佳秀副社長が新社長に昇格した人事を正式発表した。末沢氏はプロ野球・北海道日本ハムファイターズ(札幌市)のオーナーも務めるが、親会社・球団ともに道内で計画する新球場建設への影響は否定した。現時点で、3月をめどに候補地を決める方針に大きな変更はなさそうだ。
 社長に就任した畑氏は新球場建設計画について、親会社と球団が共同で調査・検討するために2016年12月に立ち上げた組織の中心人物。計画立案の実務面を親会社側で取り仕切ってきた。
 こうした事情から親会社と球団の幹部はいずれも「新球場計画についてはこれまで通り進める」と明言し、今回の人事が与える影響を否定した。球団経営に大きな影響を与えるオーナー職も、順当にいけば畑社長が引き継ぐことになりそうだ。
 日本ハムグループは新球場建設候補地を、3月をめどに決める方針。現在、札幌市の道立真駒内公園と北広島市の「きたひろしま総合運動公園」予定地の2案に絞り込まれている。両市では2月中にシンポジウムが開かれ、市民と球団が意見交換する場が設けられる予定だ。


>北海道新聞 01/30 00:27 更新


日ハム社長 畑氏が昇格 球団オーナーは「検討中」


日本ハム(大阪市)は29日、臨時取締役会を開き、末沢寿一社長(63)が取締役となり、畑佳秀副社長(59)を社長に昇格させる同日付の人事を決めた。末沢氏はプロ野球の北海道日本ハムの球団オーナーを務めている。日本ハムはオーナー職の今後について「検討中」としている。

 末沢氏は3月31日付で取締役も退任する。同社によると、末沢氏は「一身上の都合」から辞任を申し出た。末沢氏は76年に日本ハム入社。専務執行役員食肉事業本部長などを経て、15年4月に社長に就いた。

 畑氏は財務・経理部門の出身で、経営計画の取りまとめにも関わる。末沢氏が進めた海外事業の強化などに継続して取り組む。


>北海道新聞 02/02 21:05 更新


日本ハム、海外事業にてこ入れ 新社長が記者会見


日本ハムの新社長に1月29日付で就任した畑佳秀氏(59)が2日、大阪市の本社で記者会見し、「アジアや北米の工場新設など事業の拡大を目指したい」と述べ、不振が続く海外事業のてこ入れに意欲を示した。

 畑社長は、現在10%程度の海外売上高比率を高めるため、必要に応じ他社との資本・業務提携を進めると強調。アジアや北米のほか「オーストラリアなどでの牛肉事業に注力したい」と述べた。

 日本ハム社長がプロ野球の北海道日本ハムファイターズのオーナーを兼務するのが慣例となっているが、現オーナーの末沢寿一前社長からの引き継ぎに関し「決定次第お知らせしたい」と述べるにとどめた。

>ヤフーニュース2/3(土) 6:05配信
北海道新聞より

新球場の北広島決定報道を否定 日ハム新社長 3月中に方向性

日本ハムの社長に1月29日付で就任した畑佳秀氏(59)は2日、大阪市内の本社で記者会見し、プロ野球北海道日本ハムのボールパーク(BP)建設構想について「3月末までに方向性を出す」と表明した。北広島市内に絞り込んだとする一部報道は、「決定した事実はない」と否定した。

 BP候補地は現在、札幌市南区の道立真駒内公園と北広島市のきたひろしま総合運動公園の2カ所に絞り込まれている。畑氏は「道外のファンにも足を運んでもらい、球場のみならずBP全体を楽しんでいただきたい」と強調。北広島と札幌で今後開かれる住民説明会に関しては「道民に受け入れてもらえるよう(参加者の)意見を聞き、計画に落とし込む」と述べた。

 

>産経新聞 2018.1.29 11:07

日ハム社長に畑氏 海外事業強化を継続


日本ハムは29日、畑佳秀副社長(59)が同日付で社長に昇格したと発表した。末沢寿一社長(63)は取締役となり、3月31日付で退任する。畑氏は財務・経理部門の出身で、経営計画の取りまとめにも関わっており、末沢氏がこれまで進めてきた海外事業の強化などに継続して取り組む。

 日本ハムは平成29年9月中間連結決算で売上高、純利益とも過去最高を更新。30年3月期の通期業績予想も増収増益を見込んでいる。末沢氏の退任理由について、同社は「一身上の都合」と説明している。

 畑 佳秀氏(はた・よしひで)香川大卒。昭和56年日本ハム。取締役常務執行役員などを経て、平成27年4月から副社長。兵庫県出身。


>毎日新聞2017年12月16日 地方版より


日本ハム本拠地移転構想 候補地に真駒内追加 /北海道

プロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地移転構想で、球団と札幌市の協議が15日、同市の球団事務所で開かれた。協議では真駒内公園(南区)が正式に候補地として検討対象に加えられ、球団側は移転先を同公園と北広島市のきたひろしま総合運動公園の2候補地に絞る考えを示し、一騎打ちの構図となった。【野原寛史】

 この日の協議では正式な候補地としては提案されなかったが、市から球団に真駒内公園の現状や、新球場などボールパークを建設するための条件などが示された。市は森林など既存の自然環境は保全を図る意向で、ボールパークの用地としては、真駒内セキスイハイムスタジアム(屋外競技場)の敷地3ヘクタール強とその周辺のみになる。今後の協議で詳しい条件について議論され、正式提案がされる。球団の三谷仁志・事業統轄副本部長は会見で、今後の移転先の協議について「真駒内と北広島の2案で考えていきたい」とした上で、来年3月までに移転先に一定のめどを示す方針を改めて示した。

 球団の前沢賢・事業統轄本部長は真駒内公園の強みについて「潜在能力のある土地。(移転する場合は)自治体や市民の方と、よりよい地域を作れる」と述べた。

 札幌市は既に提案している八紘学園敷地など(豊平区)と北海道大構内(北区)の2カ所を今後も候補地として残す意向を示したが、球団は市内では真駒内公園のみを移転先として検討するといい、事実上協議は打ち切られることとなった。来年1月に予定されている次回の協議で、市が真駒内公園を正式に提案する見通し。

札幌・南区、既存インフラ強み
 北海道日本ハムファイターズの意向を受ける形で、札幌市が南区の道立真駒内公園を検討対象に加えることになり、移転候補地は事実上、北広島市のきたひろしま総合運動公園との二つに絞られたといえる。だが、どちらもアクセス面や球団が掲げる「ボールパーク」実現には一長一短あり、今年度中に結論を出すとしている日ハムの決断が注目される。

 道立真駒内公園は、札幌市内でこれまでに提示されていた2候補地の協議の行き詰まりを受け、急浮上した。最大の利点は、ファンの多い札幌市内に残留できることで、既存のインフラを活用しやすいことも強みとなる。

 最寄り駅の地下鉄真駒内駅は札幌ドーム最寄りの福住と同じく終点駅で、長時間車両を停車させやすく、試合やイベント開催日に多くの観客を輸送するのに適している。

 ただし、真駒内駅から公園までは徒歩で30分近くかかる。駐車場整備も制限があるとみられ、実現しても公園から離れた場所になる見通しだ。

 また、市は自然豊かな公園の景観への配慮を求めており、球団が実現できる商業・宿泊施設は、当初の構想より小規模にとどまる。公園を現在、利用している多くの市民や競技場の使用団体の理解を得る必要もある。

 真駒内セキスイハイムスタジアム(真駒内屋外競技場)を利用する道スケート連盟の畠山五郎会長は「代わりのスケート場が市内に用意されない限り、取り壊しに同意はできない」と話す。

北広島、税免除などで優遇
 協議13回を重ね、交渉では札幌市に先行する北広島市。候補地のきたひろしま総合運動公園は現在も未整備の更地が大半で球団がボールパーク構想に必要として求めている20ヘクタールより広い面積を確保できそうだ。

 さらに、市と球団は移転した場合、球団施設の土地使用料と固定資産税を免除することで合意した。周辺住民や既存利用者との摩擦もなく、大規模な商業・宿泊施設も実現可能。寮や練習場など札幌市内にある球団施設も集約する計画だ。

 課題は最大3万人程度と見込まれる観客のアクセスだ。

 市は、ボールパークの参加企業とともに、球場前のJR千歳線に請願駅として新駅を設置するための協議をJR北海道と進めている。ただ新駅が実現しても、千歳線は既に特急や快速が頻繁に運行されている路線で、観客を運ぶための列車の増便などが可能かどうかは不明だ。

 車やバスによる来場者も多くなり、国道274号などと結ぶバイパス道路の整備も必要になるとみられる。市は移転が実現すれば5000台規模の駐車場を整備し、札幌市内からのバス路線も誘致する方針を示している。【野原寛史】

 ◆両候補地への想定所要時間

 (JR札幌駅・地下鉄さっぽろ駅から)

きたひろしま総合運動公園 23~50分

 ▽JR札幌駅-球場前新駅(建設された場合、普通20分)-球場(徒歩3分、約200メートル)計23分

 ▽新駅ができない場合、北広島駅までJRで16分(快速)、駅から徒歩約18分、計約34分

 ▽車では約50分

真駒内公園(真駒内セキスイハイムスタジアム付近)35~47分

 ▽南北線さっぽろ駅-真駒内駅(18分)-真駒内公園(徒歩29分、約2.1キロ)計47分

 ▽車では約35分


札幌ドーム 25~30分

 ▽東豊線さっぽろ駅-福住駅(13分)-札幌ドーム(徒歩12分、約800メートル)計25分

 ▽車では約30分


>兵庫県篠山市HPの市長日記より {2018年01月31日更新}

日本ハム社長に篠山出身の畑さん(市長日記)

昨日の新聞によると、日本ハム社長に畑佳秀(はたよしひで)さんが就任されました。

 畑さんは篠山市乾新町出身、昭和33年生まれの59歳。
 篠山小学校、篠山中学校、篠山鳳鳴高校から香川大学に進まれ、日本ハムに入社されました。
 商工会長の円増亮介さんと同級生で、仲が良いそうです。
 円増さんのお話では、「勉強は僕と同じくらい、学生時代は卓球部」とのこと。
 「同じくらい」がどれ程なのかよく判りませんが、同級生のみならず、篠山市民としても嬉しく思います。

 篠山出身者は「のびしろ」があるのだと思います。
 小さい頃から塾通い、受験ばかりで学校を出た人は、大学や会社に入った時点で気力・体力がなえてしまっていることも見受けられます。
 その点、篠山の学校を出た人はまだまだ伸びていくのです。

 私も企業訪問で何度かお出会いさせていただきました。
 誠実で良いお人柄の丹波篠山人の代表です。
 日ハムの清宮選手や、日ハム出身の大谷選手も応援しましょう。


>食品産業新聞社HPより {2018年1月30日更新}

代表取締役社長に畑佳秀副社長、末澤壽一社長が辞任—日本ハム1月29日付

日本ハムは29日開催の臨時取締役会で、同日付で末澤壽一代表取締役社長が辞任、畑佳秀代表取締役副社長を代表取締役社長に選任した。末澤社長が一身上の理由により1月29日をもって代表取締役社長を、3月31日をもって取締役を辞任したいとの申し出があり、29日の臨時取締役会で畑副社長を新たに代表取締役社長に選任したもの。この異動により、代表取締役は畑社長、篠原三典副社長、川村浩二専務執行役員の3人となる。

[略歴]1958年5月20日生まれ、兵庫県出身、81年3月香川大学経済学部卒、同年4月同社入社、2008年4月経理財務部長、09年4月執行役員同、11年4月同同情報企画部担当、11年6月取締役執行役員同、12年4月同常務執行役員グループ経営本部長、経理財務部・IT戦略部担当、15年4月代表取締役副社長執行役員コーポレート本部長、18年1月代表取締役社長就任。

また29日付で矢野博之執行役員コーポレート本部経営企画部長、中央研究所担当が一身上の都合により執行役員を辞任した。関連して次の役員異動を行った。

[取締役の職務変更](29日付)▽コーポレート本部長、経営企画部長、中央研究所担当、取締役常務執行役員 人事部 法務部 総務部経理財務部
IT戦略部担当 東京支社長高松肇。
〈畜産日報 2018年1月30日付より〉